国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

ドライマウス治療

口の中が乾燥するドライマウスに対する治療です。ドライマウスになると唾液の分泌量が低下するため、細菌が繁殖しやすく口臭の原因にもなります。 ドライマウスはシェーグレン症候群の症状の一つでもあります。

唾液の作用

唾液はわたしたちの健康を維持するために多くの役割を担っています。 通常口の中は唾液で湿っている状態であり、唾液には以下のような作用があります。

  • 洗浄作用
  • 殺菌・抗菌作用
  • 粘膜の保護
  • 食後の口内を中性にする
  • 消化作用
  • 初期の虫歯を治癒させる

このように唾液には食べかすによって増殖する細菌を抑えたり、消化を助けたりする作用があります。
ドライマウスになると唾液の効果を十分に得られず、口の中で炎症が起きやすくなります。通常の人よりも歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病を発症するリスクが高くなります。そのためドライマウスの人は食生活や歯磨きに一層注意を払わなければなりません。

ドライマウス(口腔乾燥症)とは

ドライマウス(口腔乾燥症)とは、口の中が乾燥している状態のことをさします。
近年増加傾向であり、現代病の一つともいわれています。男性よりも女性に多い病気です。
ドライマウスは放置すると全身にさまざまな悪影響を及ぼすので、軽視できません。
以下のような症状があるとドライマウスかもしれません。

ドライマウス(口腔乾燥症)とは
  • 口の中がねばつきやすく、話しづらい
  • 喉が乾きやすい
  • 水分の少ない食べ物が飲み込みにくい
  • 口内炎がよくできる
  • 口の中や舌がヒリヒリする
  • 口臭が強い

唾液の分泌量が低下することにより、口の中が乾きやすくなり上記のような症状が出ます。

ドライマウスの原因

唾液の分泌量低下は加齢などの生理的なもの以外に、日常生活の習慣や全身疾患が原因とされています。

ストレス

ストレスは自律神経を乱す原因です。自律神経は交感神経と副交感神経によって成り立っており、全身の器官をコントロールする役割をもっています。
自律神経は唾液の分泌に大きく影響しており、過度な緊張やストレスにより交感神経が優位になる時間が長くなると、唾液の分泌量が低下して口の中が乾燥しやすくなります。

噛む回数が少ない

噛む行為により脳や筋肉が刺激され、唾液の分泌が促進されます。普段からあまり噛まずに飲み込んでいたり、柔らかい食べ物ばかり食べていたりすると、唾液の分泌量は少なくなります。

嗜好品

タバコの成分は自律神経を乱れやすくします。アルコールやカフェインは利尿作用があるため、全身が乾燥しやすく唾液の分泌量も低下します。喫煙や飲酒の習慣がある人は口の中が乾きやすくなります。

口呼吸

唾液の分泌には直接関係しませんが、口呼吸によって口の中が乾燥します。慢性的な鼻炎がある人や、噛み合わせや歯並びによって口をしっかりと閉じることができない人はドライマウスになりやすいです。

発声する頻度が少ない

発声をしないと唾液が分泌されにくくなります。何も話さず長時間口を閉じたまま過ごしていると、口の中が乾燥します。

全身疾患の影響

膠原病であるシェーグレン症候群の症状の一つに、唾液の分泌量低下があります。腎不全や糖尿病も水分が排出されやすい病気なので、ドライマウスになりやすいです。

薬の副作用

多くの薬剤の副作用に「口内の乾燥」が含まれています。特に抗うつ薬には口の中が乾燥する副作用が出やすいです。

ドライマウス治療

ガムを噛む

ドライマウス治療では手軽な方法の一つである、ガムを噛むことをすすめています。ガムを噛むと唾液が分泌されやすくなり、口の中が潤います。砂糖入りのガムを頻繁に摂取すると虫歯の原因になるため、シュガーレスであり虫歯予防に効果的なキシリトールガムがおすすめです。

酸っぱいものを食べる

レモンや酢など酸っぱいものは唾液分泌を促します。ただし、酸は歯のエナメル質を溶かしてしまうので摂りすぎには注意しましょう。

保湿剤の使用

保湿スプレーやジェルを使用して、口の中を潤す方法です。入れ歯型の保湿装置を使用する場合もあります。

口周りの筋トレ

唇の筋肉が弱く口が開きやすい人は、口周りの筋肉トレーニングをすると改善する場合があります。口の中で円を描くように舌でなぞる方法や、両頬の内側を交互に舌で押す方法があります。

ストレスを減らす

ストレスによって自律神経が乱れ唾液の分泌量が低下します。睡眠時間を確保し、定期的に気分転換をするなどして、ストレスを溜めないようにしましょう。

噛む回数を増やす

噛む動作は脳や筋肉を刺激して唾液分泌を促すので、食事のときは噛む回数を意識しましょう。また、柔らかいものばかり食べず、噛み応えのある硬い食べ物も取り入れると噛む回数が増えます。

環境を整える

アレルギー性鼻炎などにより口呼吸になりやすい人は、定期的に部屋の掃除や換気をしましょう。ダニやハウスダストなどアレルギーの原因物質を取り除くことで、鼻炎が改善される場合があります。

歯列矯正

歯並びや噛み合わせが悪く、口をしっかり閉じることができずに口呼吸になっている場合は歯列矯正をおこなうこともあります。

次亜塩素酸電解水でうがい

唾液の分泌を増やす方法ではありませんが、ドライマウスによる虫歯や歯周病、口臭を防ぐための方法です。1日20秒ほど次亜塩素酸電解水でうがいすることで、除菌ができて菌の増殖を防ぐことができます。

薬剤治療

シェーグレン症候群と診断された場合は、唾液分泌促進薬が処方される場合があります。粘膜が傷ついている場合には、軟膏で改善を図ります。

ドライマウスの検査

ライマウスの検査は唾液量に加え、血液検査などさまざまな検査をおこないます。

安静時唾液

15分間の唾液の量をチェックします。正常値は1.5ml以上です。

ガムテスト

10分間ガムを噛み、その間に分泌された唾液の量を測定します。正常値は10ml以上です。

サクソンテスト

2分間一定のリズムでガーゼを噛み、しみこんだ唾液の量を確認します。正常値は2g以上です。

シェーグレン症候群の検査

シェーグレン症候群を診断するために、一緒に涙の量もはかる場合があります。シェーグレン症候群の疑いがある場合は、唾液腺の生検や血液検査もおこないます。

ドライマウスを放置するとどうなる?

口の中が傷つきやすくなる

粘膜を保護する唾液の量が少ないため、少しの刺激で口の中が傷つきます。痛みを感じたり、口内炎になることが多いです。

味覚障害

唾液は味の情報を伝える役割もあるので、分泌量が低下することにより味が感じにくくなることがあります。

虫歯や歯周病のリスクが高くなる

唾液の分泌量が低下することで、洗浄作用や殺菌効果が減少するため細菌が増殖しやすい環境になります。ドライマウスは細菌に感染しやすく、進行のスピードも早いため重症化しやすい傾向にあります。

口臭が強くなる

口臭の原因は細菌の繁殖です。唾液が少ないと細菌数が多くなり、口臭が強くなります。

飲み込みづらくなる

唾液は飲み込みやすいように噛み砕いた食べ物をまとめてくれます。水分が多いものが飲み込みやすいように、唾液が少ないと食べ物が飲み込みづらく感じるでしょう。高齢者の場合、食べ物が食道ではなく気道に入りやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクも高くなります。

感染症にかかりやすい

唾液は粘膜を保護する作用があり、細菌を排除する役割もあります。口の中が乾燥すると粘膜が傷つきやすく、細菌が侵入しやすくなります。唾液が少ないと免疫力も低下しているため、侵入してきた細菌に対して十分にたたかうことができず感染症にかかりやすくなります。