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顎関節症について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。
今日は顎の痛みや片頭痛、肩こりめまいなどいろんな症状を引き起こす可能性のある顎関節・噛み合わせのお話をしたいと思います。
最近TVや雑誌などでも「顎関節症」がよく取り上げられているので、みなさんも耳にしたことはあるかと思います。’’もしかしたら顎関節症かも?’’、’’以前に顎関節症の治療を受けたことがある’’、’’マウスピースを現在使っている’’…少しでも気になることがあればご相談ください。
では、まず顎関節症の説明からさせていただきます。
顎関節症とは?
顎関節症とは口を開けたり閉めたりするときに顎関節がジャリっ、カクッ、ポキッと音がする、口が開けにくい、あごが痛いなどの症状がみられる病気です。また、これらの症状のほかに頭痛、肩こり、めまい、目の疲れなどの多様な副症状がみられることもあります。
顎関節症は2人に1人が経験するともいわれる病気です。代表的な症状の1つに顎関節の音がありますが、音だけでほかに症状がない、もしくはあっても一時的であれば特に治療の必要はなく、実際に治療が必要になる人は顎関節症のうち5%程度ともいわれています。顎関節症は頬杖えなどの日常の無意識の習慣などが原因になっていると考えられており、これらを改善することで症状が自然と軽快することも多いです。顎関節に何らかの症状がある人の割合に男女差はないものの、医療機関を受診する人は女性が多く、特に若い女性と中年女性が多いとされています。
学術的な分類では、
I型 咀嚼筋痛障害:あごを動かす筋肉に痛みが生じた状態
II型 関節包•靱帯障害:顎関節に痛みが生じた状態
Ⅲ型 関節円板障害:顎関節の中の関節円板(顎関節の骨と骨の間にある組織)がずれた状態
Ⅳ型 変形性顎関節症:顎関節を構成する骨が変形した状態
Ⅴ型 その他
に分類されます。
日本補綴歯科学会の顎関節症に関するガイドラインでは、
【最終治療目標】は、
最大開口域が40mm以上で、疼痛と日常生活支障「なし」とし、
最大開口域が35mm以上で、疼痛と日常生活支障「軽度」であれば経過観察とします。
診断方法
次に、顎関節症の診断はどのように行うのか?
顎関節や周囲の筋肉の痛み、口の開けにくさ、関節音のうちの一つがあり、他の病気が除外されたときに顎関節症と診断します。一般的には、症状がどのように始まり、どのように変化したかを聞き、顎関節や筋肉、口の中を診査し、必要に応じてエックス線撮影やCTによって骨の異常の有無を調べ、骨以外の関節構造や筋肉の問題についてはMRIによって調べる場合もあります(大学病院などに紹介)。顎関節症で感じる痛みや口の開けにくさは、親知らずの炎症や他の病気でも出ることがある症状なので、顎関節症であることを診断するためには、他の病気によって出ている症状ではないことを確認する必要があります(除外診断)。
具体的には、咀嚼筋の筋検査、開口路のチェック、開口量、関節雑音の有無、疼痛の有無などを検査していきます。それぞれ細かくお話ししていきます。
①筋検査
顎関節周囲の筋肉を押し、痛みがないかのチェックを行います。筋肉痛の部位を押すと痛みが出るのと同じようなイメージです。筋肉に痛みがあることを認識していないことが多いです。普段の噛み合わせのズレや食いしばりなどで、気付かないうちに筋肉に疲労が溜まり、また左右差のバランスも乱れてしまいます。
②開口路の検査
顎関節は、体で唯一左右が同時に動く関節です。そのおかげで顎の前後左右、すりつぶす運動などが可能になっています。噛み癖や、歯並びなどでも顎運動は規制され、顎関節が押し込まれたりしたまま使い続けることで、気づかないうちに顎関節がすり減り運動にも支障が出てしまいます。左右の動きがズレてくると、お口を開けた時の動きが左右にずれてしまいます。下の切歯の動きの軌跡を見て、開口路のチェックをします。
③開口量
先ほども書きましたが、開口量40mm以上を目指します。指を前歯に間に、縦に並べて何本分入るかで簡易的なチェックもできます。指3本分(3横指)入らないと、口腔内の治療困難になります。その場合、リハビリや、マニピュレーション、マッサージを行い開口量を確保してからの治療になります。食いしばりが強い方や、顎が痛くて開けるのを抑えてしまう生活が長く続くと、開きにくくなってしまうため注意が必要です。
④雑音の有無
顎を開閉する時のジャリっとした音(関節雑音)や、パキッという音を検査します。音がすること自体が問題ではなく、関節円板という軟骨の動きが悪くないかを確認します。元に戻る時に音がするので元に戻っていれば(復位する)、経過観察やマッサージで様子を見ます。関節円板が元に戻らない(復位しない)と、顎の開きに左右差が出て開口路が斜めになります。
関節雑音がしても腹位しており生活に支障がなければ問題はないですが、音がしなくなった時が要注意です。関節円板が断裂し、元に戻らなくなってしまっていないか確認し、その場合早急に治療が必要になります。
⑤疼痛の有無
お口を開けたり顎を動かすと菌時の疼痛の有無を確認します。顎関節以外の疾患(親知らず周囲の炎症など)でも似たような痛みが出るので鑑別診断が重要になります。ただ、痛みがあり、普段より開ける量が少ない状態が続いてしまうと、痛みが取れいざお口を大きく空けようとしても空けにくくなってしまいます。そうならないためにも、鎮痛剤を処方し、ストレッチを行い少しずつ空ける運動を行なってもらいます。
このように、顎関節症の治療方法は症状に合わせていくつかあります。が、一番行いやすいものがはマウスピース(スプリント療法)を装着することです。マウスピースは保険範囲内でも作ることが可能です。(作り直しのペースなどは条件があります。)マウスピースを装着し、上下の歯の接触時間や食いしばりの力を軽減することで筋肉のリラックスが図れ、筋肉の症状の軽減が期待されます。それだけでも偏頭痛や眩暈などが治る方もいますので、顎関節症でお悩みの方は一度ご相談ください。
次の症状が当てはまる方は、まずはマウスピースをお勧めします。
- 顎に痛みや疲れを感じる
- 朝起きた時顎が疲れてる、痛い
- 寝てる間に歯ぎしり、食いしばりがある
- 肩こりや偏頭痛がある
スプリントをつけることで、顎の関節に加わる力を軽減し、噛み合わせを正しい位置に誘導します。これにより筋肉のバランスが取れ、顎•顔面•全身のバランスの安定を図ります。
また、マウスピースが気持ち悪い、使ってみたけど体に合わない方は、ボツリヌス療法も可能です。
永久歯列に生えそろい、長い期間で少しずつ歪みや変化が起こり不調和が起こってきて生じている痛みのため、改善するにも時間がかかってしまいます。ご了承ください。
興味のある方はスタッフまでご気軽にお問い合わせください。