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レントゲン検査について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。
風が強く花粉と黄砂に注意が必要ですが、みなさん体調はいかがでしょうか?疲れが溜まり免疫力が下がるとお口の中も症状が出たり…少しでも違和感ある方は早めの検診をおすすめします。
本日は、歯科治療を行う上で必要不可欠なレントゲン検査について説明させていただきます。
当院では正確な診断に基づいた処置を行うために必要に応じてレントゲン撮影をさせていただき歯科治療を進めていきます。(応急処置希望の方や他院に通院中の方、レントゲン撮影を希望されない方を除きます。)患者さんから、今年は医科や人間ドックなどでも何回もレントゲン撮影をしたけど大丈夫?などの質問を受けることもありますが、歯科で使用するレントゲンの場合体への影響はほぼないと考えていただいて大丈夫です。
地球上のどこに住んでいても常に人は放射線を浴びています。世界で平均すると、人体は年間およそ2.4mSvの自然放射線に常にさらされています。放射線を短期間に全身被ばくした場合の致死線量は、5%致死線量(被ばくした人の20人に1人が死に至る線量)が2Sv(2000mSv)、50%致死線量が4Sv、100%致死線量が7Svと言われ、200mSv以下の被曝では、急性の臨床的症状(急性放射線症)は認められないとされています。
例えば
・自然放射線に関して
①世界の年間自然放射線量=2.4mSv
②東京・ニューヨーク間航空機旅行(往復)=0.2mSv 高所の方が自然放射線の量が多くなります。
・レントゲン検査(デジタル)に関して
①歯科用CTの検査=0.04mSv
②耳鼻用レントゲン検査=0.11mSv
③顎全体の歯のレントゲン検査=0.01mSv
④歯の小さなレントゲン検査=0.006mSv
飛行機に一回乗る方が、実は被曝量は多いんですね。
結論からいうと、歯科治療で行うレントゲン撮影は基本的に安全です。ただ、被曝に変わりはないため必要以上に撮影したりはしません。妊娠中の方や希望されない方への撮影はしないのでご安心ください。
歯科におけるレントゲン撮影は?
では、歯科でのレントゲン撮影の重要性とは?
お口の中の病気は、肉眼で確認できる部分だけを見ていては正確に診断できません。歯の根や顎の骨にもっと深刻な病気が隠れているかもしれないからです。重症化した歯周病や深い虫歯の診断では、レントゲン撮影が必須となります。また経年劣化の比較としても定期的なレントゲン撮影を行うことが望ましいです。
歯科でのレントゲンの種類と目的
①パノラマ(パントモ)
左右の顎関節や顎全体が撮影できるため、口腔内の全体像が1枚である程度把握できます。また大きい虫歯もこの一枚で把握が可能です。初診時にはまずこのレントゲンを撮影し、口腔内全体の診断を行うことが多いです。反体側の骨や首の骨も写り込んでしまうため、追加でデンタルを取ることが多いです。
②デンタル
パノラマよりも小さく細かい部分的な写真が撮れるため、パノラマでは分かりにくかったむし歯や詰め物の劣化、歯周病の状態等がより詳細にわかります。根管治療の際にはデンタルを複数回撮影する可能性があります。また、精密歯科検査の場合には、すべての歯のデンタルを撮影する14枚法を撮影することがあります。
③歯科用CT
日本語でいうと『コンピューター断層撮影』と言います。これまで紹介したパノラマ・デンタルは2次元でみえますが、前後に重なっている部分は重なったまま写ってきます。しかし、CTはそれを3次元でみることが出来るため、前後の重なりも関係なく確認することができます。深い位置に埋伏している親知らずの抜歯やインプラント治療、複雑な神経(根)の治療の際に撮影します。CTにより、今まで困難だった根管の形態や神経の走行、Imprantのシュミレーションなどがより行いやすくなりました。そのため患者さんの侵襲を減らすことが可能になっています。
当院では、Imprant予定の患者さんには全員にCT撮影を行い、ガイドを用いてオペを行います。インプラントのサージカルガイドについては後日詳しく書きます。CTの発展、普及が歯科治療の発展に大きな効果がありました。
④頭部X線規格写真(セファロ)
イヤーロッドという突起を耳の穴に入れて頭部を固定することで、頭部を常に同じ位置でレントゲン撮影することができます。矯正治療前、矯正治療中、矯正治療後のレントゲン写真を同一規格で撮影でき、比較することが容易に行えます。日本を含む世界共通の規格レントゲン写真になります。矯正治療を成功させるために絶対に欠かせない要素の一つが、セファロ分析です。セファロ『頭部X線規格写真』を撮影できるレントゲン機器を、一般の歯科医院で導入していることはまずありません。当院では、矯正治療希望の全ての患者さんに頭部X線規格写真(セファロ)を撮影しています。
セファロ撮影で得られた画像を分析することで患者さんの顎や顔面の形が分かり、今後どのように変化していくかも予測することができます。セファロ分析と患者さんの要望を軸に治療のゴールを設定し、短い治療期間で美しい歯並びを提供することを目指しています。
それぞれの撮影を必要に応じて組み合わせて、治療計画の立案、治癒の具合や病変の有無を診断していきます。
iTeroについて
レントゲン撮影ではございませんが、当院では、iTeroという口腔内スキャナーの準備もございます。今までの型取りというと、ピンク色のアルジネートと呼ばれる粘土みたいなもので、苦しくオエッとされる方も多いかと思います。型取りが苦手、嫌なので歯科治療から逃げていたという声も聞きます。表面麻酔などで対応可能なケースもありますが、十度の嘔吐反射のある方にはやはり大変な作業になります。そのような方に朗報です!
光学スキャナーを用いたデジタル印象は、口腔内を直接スキャンすることで、印象材なしで印象採得を行うことができ、患者さんの印象採得時のストレスが軽減されます。さらに石膏模型を継ぐ際のエラーもなく、帰宅後に模型上での不備が見つかり再度来院していただき型取りをやり直す必要もございません。その場で型取りの評価ができるため時間の短縮にもつながります。光学スキャナーでの口腔内印象は現在自由診療のみに制限されています、申し訳ございません。
さらに一眼レフによる口腔内写真と合わせて総合的に診査診断を行います。治療の術前術後の比較をユニットのモニターに写しわかりやすく説明を行います。
歯科治療を行う上で正確な診断をするためには、レントゲン検査や口腔内写真は必須になります。症状や内容によっては複数回撮影しますが、メリットよりリスクが上回ることは決してございませんのでご安心ください。ただ、レントゲン撮影を避けた方がいいタイミングがあるのも事実です。担当医とよく相談の上、治療方針を決めていきましょう。患者さん一人一人に今のライフステージにあった最善のプランの一緒に決めていきましょう!