国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

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いろんな生き物の歯のお話

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。日曜日の今日は、いろいろな生き物の歯にお話をさせていただきます。

歯は食べ物を噛んだり、獲物を捕らえたり、動物にとって大切な器官で脊椎動物の多くは歯をもっています。脊椎動物とは背骨をもつ動物のことで哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類、両生類の5種類います。
実はこの中に1つだけ、全ての種が歯をもたないグループがあります。どのグループだと思いますか?

国立 歯医者 歯




正解は【鳥類】です!

鳥類の祖先である始祖鳥には、化石の様子から歯があったことが分かっています。しかし、進化の過程で退化していき、今の鳥類には歯がありません。歯が退化した理由は諸説ありますが「体を軽くするため」や「ふ化の期間を短くするため」と考えられています。

他の生き物の歯についても順にお話ししていきます。

【目次】
1.分類
2.歯の特徴
∟①哺乳類
∟②爬虫類
∟③鳥類
∟④魚類
∟⑤両生類
3.まとめ

1.歯の分類

同形歯性 :同じ形をした歯がならんでいる ⇒ イルカ,ワニなど

異形歯性 :大きさや形のちがう歯がならんでいる ⇒ ヒト,犬をはじめ多くの動物
 
 異形歯性の歯は役割によってちがう名前がつけられています。ヒトでは切歯,犬歯,小臼歯,大臼歯と名づけられていますが,動物では切歯(門歯),犬歯,前臼歯,後臼歯とよばれています。 

切歯 : 歯列の一番前にあって,食べ物を口の中へ取り込む役目をしています。 
犬歯 : 切歯のうしろにあって,大きくとがっていて,獲物を捕まえるときに使います。 
前臼歯 :犬歯のおくにあって,食べ物をかみ砕いたり,すりつぶしたりするときに使います。 
後臼歯 :一番うしろの方にあり,大きくかみ砕くのに都合がいい形になっていることが多いようです。  

切歯と犬歯をあわせて前歯,臼歯のことを奥歯と呼ぶことが多いです。

2.①哺乳類の歯

•乳歯と永久歯があって、歯が一度だけ生え変わる
•歯の数が決まっていて、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の4種類の形がある
•歯の根の部分が顎の骨の中に埋まっている

 哺乳類はたくさんの種類がいますが,多くは異形歯性の歯をもっています。哺乳類の上あごと下あごの歯の基本的な数はそれぞれ切歯3,犬歯1,前臼歯4,後臼歯3本 上下左右合計で44本になります。ほとんどの動物の歯は退化していてそれよりも数が少なくなっています。

(1)イヌ
イヌはもともと肉食なので,異形歯性の歯の特徴がよくでています。上あごは切歯3,犬歯1,前臼歯4,後臼歯2,下あごは切歯3,犬歯1,前臼歯4,後臼歯3で,左右あわせると合計42本の歯をもっています。イヌは歯周病にはなりやすいけど,むし歯にはなりにくいです。

(2)ネコ
ネコは肉食動物だけど,イヌよりも歯が少なくて,上あごは切歯3,犬歯1,前臼歯3,後臼歯1,下あごは切歯3,犬歯1,前臼歯2,後臼歯1,合計30本です。

(3)ウシ
ウシは草食動物ので,臼歯は上からみると,三日月がいくつも重なったシワシワな感じがします。上あごは切歯も犬歯もなくて前臼歯と後臼歯がそれぞれ3本ずつあります。切歯がないので,歯ぐきが硬く歯床板いわれる状態になっていて歯の役目をはたしています。下あごは切歯3,犬歯1,前臼歯3,後臼歯3だけど,犬歯は切歯とおなじシャベル状をしているので,切歯が4本あるように見えます。草をすりつぶして食べると歯がすり減るので(摩耗),上あごも下あごも臼歯はのび続けます。ヤギやキリンも同じです。

(4)ウサギ
ウサギの歯は,左右の上あごに切歯2,犬歯0,前臼歯3,後臼歯3,下あごに切歯1,犬歯0,前臼歯2,後臼歯3の合計28本がはえています。切歯も臼歯も一生伸び続けます。伸び続ける歯を常生歯と呼びます。1日に0.5mmくらい伸びるので,一生懸命すり減らさないとどんどん伸びていってしまいます。

(5)ゾウ
ゾウでは,上あごに左右1本ずつ長い切歯をもっています。一般に「キバ」といわれているもので,生涯成長しつづけます。臼歯は乳歯3本と永久歯3本の計6本が、一生のあいだに6回くり返します。ですから,2本のキバと上下左右のあごに1本ずつの臼歯がいつもはえていることになります。

(6)ネズミ
げっ歯類のなかまであるラットやマウスの歯は,上あご,下あご共に切歯1,犬歯・前臼歯0,後臼歯3の合計16本で,一度はえると,はえ変わることはありません。でも,臼歯ははえた時のままですが,切歯は一生伸び続けます。3~4日で1mmくらい伸びます。だから,いつも何かをかじって,伸びすぎをふせいでいます。

2.②爬虫類の歯

爬虫類の歯は一生の間に何度も生え変わる
・全ての歯がほとんど同じ円錐形の形をしている
・顎の骨の表面に歯が張り付いている

 爬虫類の歯は一般に同じ形のものがならんでいる同形歯性で,歯はあごの骨に直接くっついて,骨性に結合しています。哺乳類のようにあごの骨の中に歯根が植わっているわけではありません。ですから,一定期間使うといわゆる骨折を起こして歯がとれてします。そして,また新しい歯がはえてきます。このような歯のことを多生歯性といいます。

2.③鳥類

トリには歯がありません。歯の代わりに「くちばし」があります。くちばしは爪と同じような角質でできています。でも,トリの祖先である始祖鳥には上あごに26本,下あごに22本の歯がありました。飛ぶために歯が「重たくてじゃま」になったので,なくなってしまったと考えられています。

国立 歯医者 始祖鳥

2.④魚類の歯

サカナは食べるものによって歯の形や数が異なります。プランクトンを食べるサカナには小さな歯しかないが,小魚や貝をたべるサカナには丈夫な歯がたくさんならんでいます。サメはするどく尖った三角形をした歯が何列にもならんでいて,抜けてしまうと,うしろにある歯が前に出てきます。コイは、咽頭歯といい、口のなかには歯がないのにノドの奥に歯があります。

2.⑤両生類の歯

カエルには上顎にしか歯がありません。下あごには歯がないのです。

両生類は魚類から進化したと考えられています。魚には歯はありますが、陸に上がった両生類はその食性からおよそ2億3000万年まえから、下顎の歯は退化してなくなっていたそうです。ところが最近下顎の歯がはえているカエルが見つかって大騒ぎになっているそうです。

3.まとめ

いろいろな生き物の歯についてお話ししました。僕もイヌを飼ってますが、歯の本数については正確に知らなかったです。他の動物も調べているうちに、へー!と頷くようなことが多かったです。動物園や水族館などで他の生き物を見るときは今まで以上に歯に注目してしまうかもですね。夏休みの自由研究などにも良いかもです!何か新しい情報があればそのときは僕にも教えてください!その他歯に関する質問があれば当院スタッフまでどうぞ!

ヒトの歯は一生のうちに一度しか生え変わらず、一度しか生えてきません。サメやワニのように一生のうちに何度も生えてくるわけでもなく、ネズミやうさぎのように伸び続けるわけではございません。一度かけたり削ったり傷がつくと再生もしません。一生使い続ける自分の歯をもっと大事に使うようにしましょう!

たとえば、6歳臼歯(第一大臼歯)は名前の通り6歳頃生えてきます。日本の平均寿命が男性が81.47歳、女性が87.57歳です。この歯は70年ちかく使うことになります。6歳臼歯がしっかり残っているかどうかで咀嚼能力に大きな差が生じ、それが全身の健康にも影響を与えます。よく噛み、好きなものも食べることができれば認知症などの脳機能の低下も予防できます。

歯の健康を維持し、快適な生活が過ごせるよう一緒に頑張りましょう!