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虫歯について②

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。月曜日の今日は、虫歯にお話をさせていただきます。その中でも細菌のお話しをしていきます。

国立 歯医者 虫歯

【目次】
1.虫歯の原因菌
2.唾液検査
3.注意が必要な方

1.虫歯の原因菌について

(1)Streptococcus mutans
虫歯の原因菌で最も有名なのはStreptococcus mutansです。
 1924年、J. K. クラークが虫歯の病巣部から、いろいろな糖から酸を産生し、歯の表面に強く粘着する一群のレンサ(連鎖)球菌を分離しました。そして、これをStreptococcus;ストレプトコッカス(レンサ球菌)mutans;ミュータンス(変異する)と名づけました。しかしこの菌は、当時はあまり注目されませんでした。

 1954年、オーランド、フィッツジェラルドらは、菌のいない動物(無菌動物)をむし歯の実験に使い、無菌動物にむし歯をつくることのできる菌を発見しました。また、この菌と血清的に同じ菌が、ヒトの口の中からも見つけられました。さらにいろいろな性質が調べられた結果、この菌は、クラークにより分離・命名された菌と同一であることが明らかとなりました。

 S.mutansは、通性嫌気性菌の一種でショ糖を含む液体培地のなかで、粘着性のグルカンを多量に作ります。これが歯垢(プラーク)で、ガラスや歯のようなつるつるした表面に細菌を付着させやすくします。このようにつるつるした表面に付着できる能力というのは、この菌特有のものです。


S.mutansは、主に口腔内に生息する細菌であり、虫歯の主要な原因菌の一つです。この細菌は口腔内の糖分を利用して酸を生成することができます。生成された酸は、歯のエナメル質を溶かすことがあり、その結果、虫歯が発生する可能性があります。S.mutansは、通常、唾液や食物などの中で生息しています。また、歯垢や歯石の中でも見つかります。口腔内の環境が酸性になると、S.mutansの増殖が促進されます。そのため、砂糖や甘い飲料を摂取することで、虫歯のリスクが高まることがあります。

<S.mutansと虫歯の関係>

S.mutansはヒトの口の中に好んで住みつきますが、糖類を摂取する動物の口腔や糞便からも検出することができます。ヒトの場合はとくに歯垢中に多く、舌面や唾液中からはあまり検出されません。年齢的にみると、生まれたての乳児の口からはあまり見出されませんが、乳歯が生え始める頃から見られるようになり、2~13歳ごろまでが最も高い検出率(80~93%)を示すようになります。

 歯の表面(エナメル質表層)に強固な歯垢が形成されると、この菌は乳酸発酵を行います。すると歯垢の中に乳酸が蓄積され、これがエナメル質を腐蝕(脱灰)し、むし歯が始まるのです。むし歯発生やむし歯の病巣と、この菌の出現頻度や菌数との関係については多くの調査結果から高い関連性が認められ、さらに生物学的な研究結果からも、この菌がむし歯の発生に重要な役割を演じていると考えられています。

S.mutans菌の特徴

  1. 歯面にくっついて歯垢を作る
  2. 糖を分解して酸を作り出して歯を溶かす
  3. 酸性の環境に強い



(2)Lactobacillus acidophilus
ティシエがビフィズス菌を発見した翌年の1900年、オーストリアのグラーツ大学のモローが乳児の腸内に多くすみついている、ビフィズス菌とは別の通性嫌気性の乳酸菌を新たに発見し、この菌をbacillus;バチルス(桿菌) acid;アシド(酸を) philus;フィルス(好む)と命名しました。その後、アシドフィルス菌はLacto;ラクト(乳の)バチルス アシドフィルスと記載され、乳児の腸内だけでなく、成人や動物の腸内や口腔、膣内にも幅広く存在していることがわかりました。

 モローはさらに、アシドフィルス菌をはじめとする腸内常在菌が、外部から侵入してくる病原菌などに対して防御的な役割を果たしているのではないかと考えて研究を行っていました。近年、アシドフィルス菌の整腸作用や感染予防などの有益な作用が報告されてきています。また、本菌はヨーグルトや「アシドフィルスミルク」と呼ばれる発酵乳などの乳製品の製造に用いられています。食べ物や飲み物の中に広く存在し、乳酸菌の中にも存在しています。食べ物や飲み物の糖から酸を作り出します。

お口の中ではミュータンス菌によって作られた虫歯に定着して虫歯をどんどん進行させる働きをします。虫歯の穴や、被せ物、詰め物と歯の隙間などを好み、それらの部分に付着して棲み着いてしまいます。そのため、虫歯の穴を大きくしたり、詰め物や被せ物と歯の間に虫歯を作ったりします。


虫歯を引き起こす菌はこれら二つだけではなく、糖をエサにして酸を出す細菌全てが虫歯菌といえます。

2.唾液検査

唾液検査とは、「虫歯になりやすさ」を調べる検査であり、お口の中の細菌数唾液の質・量を調べます。虫歯の原因はプラーク内に潜む細菌ですが、細菌数や唾液の質・量は「感染しやすいかどうか」に大きく影響しているのです。これらを知ることによってリスクに応じた予防が可能となり、予防効果を高めることができます。

<唾液検査でわかること>
①唾液の質(緩衝能)
口の中が酸性に傾くと虫歯になりやすくなりますが、唾液には口の中を中和させ、虫歯になりにくい環境を作る働き(唾液緩衝能)があります。この中和させる能力が低いと、虫歯になりやすくなります。

②唾液の量
唾液の分泌量には個人差があります。唾液には汚れを洗い流す働きや歯を強くする働き、抗菌作用などがあり、分泌量が少ないと、これらの働きが弱まって虫歯に感染しやすくなってしまいます。

③細菌数
口の中の細菌数は人によって違います。虫歯の原因細菌が多く存在していると、その分虫歯になりやすくなります。

ミュータンス菌とラクトバチラス菌の数を調べるには、培養が必要になります。そのため、検査当日に結果をお伝えすることはできません。後日ご来院いただき、検査結果とともに患者様に合った予防方法についてご説明します。

唾液の特徴に関しては、内容が多いので後日単独でお話しさせていただきます。

3.注意が必要な方

 唾液の分泌量は、ストレスの影響を受けます。ストレスによって交感神経に影響が及ぶことによって、唾液分泌量が減少してしまうからです。ドライマウスの原因はさまざまですが、ストレスも原因の一つです。

 唾液の分泌量が減少することによって、虫歯のリスクが高まるほか、口の中の細菌が増殖しやすくなるため、口臭歯周病の原因にもなります。口の中がネバネバしやすい人は、唾液が不足している可能性が高いでしょう。

国立 歯医者 モンダミン


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虫歯予防に一番効果的なのは、毎日の正しいブラッシングです!フロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどは補助的なものになりますので、日々のブラッシングを怠らないようお願いします!