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コラーゲンについて

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は、コラーゲンについてお話しします。

 コラーゲンは美肌効果があるというイメージが強く、食品や化粧品、サプリメントなどでもよく見かけるかと思います。しかし、そもそもコラーゲンとはなんなのか、食品や化粧品から摂取することに意味はあるのか、などは意外と知られていないものです。今日はコラーゲンとはどういうものかについて詳しくご説明します。 


【目次】
1.コラーゲンとは?
 ∟構造
 ∟種類
2.合成過程
3.食事での効果
 ∟摂取方法


1.コラーゲンとは?

国立 歯医者 コラーゲン

 コラーゲンはたんぱく質の一つであり、脊椎動物の真皮・靱帯・腱・骨・軟骨などを構成する成分です。ヒトの身体の20%はたんぱく質でできており、そのたんぱく質の中の30%はコラーゲンです。また、コラーゲンの40%は皮膚組織に存在しています。そのため、コラーゲンは美しい肌を作るものというイメージが強いのかと思います。

 たんぱく質には、細胞内にとどまるものと、細胞外にとどまって細胞と細胞をつなぎ、支える役割のものの2種類があります。コラーゲンは後者に分類され、ヒトの身体の60兆個の細胞をつなぎ、支えています。細胞は身体の土台となっていますからコラーゲンは、皮膚だけに限らず、身体の中は欠かせないものなのです。

<構造> 

国立 歯医者 コラーゲン

コラーゲンは、左巻きへリックス構造をとるポリペプチド鎖が三本寄り集まって全体でゆるい右巻き構造をとっています。 このようなユニークな構造はトリプルヘリックス構造と呼ばれ、コラーゲン繊維に必要な強度と弾力性を生み出しています。

 皮膚をめくって、結合組織を光学顕微鏡で見ると太い糸のようなものが見えてきます。これがコラーゲン線維です。この太い糸のようなものは、さらに細いコラーゲン原線維があつまって出来ています。このコラーゲン原線維はコラーゲン分子が集まってできています。

コラーゲン分子は3本のα鎖(ポリペプチド鎖)がらせん状の構造を形成しています。アミノ酸配列は、グリシン-X-Yの繰り返しになっており、X:プロリン Y:ヒドロキシプロリンの場合が多いです。

<種類>
 人の体をつくっているコラーゲンは、現在わかっているもので約30種類の異なるポリペプチド鎖の組み合わせにより、19種類の型が存在し、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型というように分類されています。体内に最も多いⅠ型は、骨や皮膚の強さを生み出し、皮膚のコラーゲンの90%を占めます。Ⅱ型は主に軟骨に存在しています。Ⅲ型は血管や子宮などに存在するコラーゲンなので女性が摂ると特にいいといわれています。

I型:骨や皮膚 弾力性を持たせる
II型:関節や軟骨
Ⅲ型:臓器に多い 柔軟性を与える
Ⅳ型:基底膜に存在 皮膚の表皮と真皮をつなぎとめる。
Ⅴ型:血管、平滑筋、胎盤

2.合成過程

体のさまざまな組織を構成するコラーゲンですが、体内でコラーゲンを生成するには鉄分が欠かせません。コラーゲンはアミノ酸とビタミンCを材料に、鉄分のサポートを受けて合成されてできるため、体内に十分な鉄分を保持しておくことで、効果的にコラーゲンを合成することができます。特に女性は、月経やダイエットによる偏った食事によって体内の鉄分が不足しがちだと言われています。肌の調子が気になる方は、コラーゲンと合わせて鉄分も積極的に摂取しましょう。

コラーゲン分子の元になるα鎖が小胞体膜に結合したリボソームから作られます。合成されたα鎖はリボソームの中で修飾反応(水酸化やヒドロキシ化)を受けます。特に、-(グリシン-X-Y)-のYの位置のプロリン→ヒドロキシプロリン、リシン→ヒドロキシリシンになります。この反応にはビタミンCが必要のため、ビタミンCが欠乏するとコラーゲンが生成されず壊血病という疾患を引き起こします。’’漫画ワンピースのヨサク’’も最初壊血病になってましたね(笑)

 壊血病(かいけつびょう)は、ビタミンCの欠乏によって引き起こされる疾患で、かつては航海者の間で多発したため「船乗り病」とも呼ばれていました。壊血病は、結合組織の形成や修復に必要なコラーゲンの合成に必要なビタミンCが不足することで起こります。主な症状には、疲労感、筋肉痛、関節痛、歯肉の出血、皮膚の出血、貧血などがあります。壊血病はビタミンCを適切に摂取することで予防ができます。ビタミンCは、レモン、オレンジ、ライム、イチゴ、キウイフルーツ、ブロッコリーなどの果物や野菜に多く含まれています。

ヒドロキシプロリンの水酸基がペプチド間に水素結合を作り3本のらせん構造が作られます。N末端、C末端が残った状態で3本のらせん構造をしているものをプロコラーゲン分子と言います。その後小胞体中のプロコラーゲン分子はゴルジ体に移動し分泌顆粒を形成します。それからえくそエクソサイトーシス(開口分泌)により細胞外に放出されます。

細胞外に出されたプロコラーゲン分子はプロテアーゼという酵素によりN末端、C末端が切断され整えられます。これがコラーゲン分子になります。

その後コラーゲン分子は隣り同士約1/4ずつズレて配列し架橋構造によって結合し、コラーゲン線維になります。

3.食事での効果

 コラーゲンは加齢とともに体内で変質し、作られる量も減っていきます。体内にはコラーゲンを作る「線維芽細胞」が存在していますが、加齢とともにその働きが低下するためです。


以前は「コラーゲンを食べても体内のコラーゲン増加には効果がない」と考えられていましたが、近年の研究結果では、コラーゲンを食べることの有効性が確認されています。

 体内へとりこまれたコラーゲンの一部は、アミノ酸に分解されることなく、アミノ酸が10~50個つらなったコラーゲンペプチドのという形で体内に吸収されることがわかりました。コラーゲンペプチドが吸収されて、線維芽細胞にシグナルを送ると、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されます。

 体内へとりこんだコラーゲンが直接的に肌のコラーゲンの材料になるのではなく、肌の弾力・ハリに不可欠なコラーゲン、エラスチンなどを作る「繊維芽細胞を活性化させる指令を出す働き」があるということです。結果として、コラーゲンを食事から補うことは肌のうるおいのために有効だといえます。

<効果的な摂取方法>
 コラーゲンを補うためには、まずは、身体の組織や皮膚の材料になるたんぱく質が不足しないようにバランスの良い食事をとることが基本になります。毎食、片方の手のひらの上にのる程度のたんぱく質をこまめにとるように心がけましょう。

 たんぱく質の多い食品には、肉、魚介類、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品などがあります。普通の食事では、コラーゲンの量は多くとれないので、たんぱく質をしっかり摂ると同時に、コラーゲンを多く含む食品の摂取や、不足分はコラーゲンを含むサプリメントなどを摂取すると効果的です。コラーゲンの多い食品には、手羽、うなぎ、豚足、鶏の皮、レバー、ふかひれ、牛スジなどです。(=煮こごりができるもの)

 コラーゲンを効率的に作るためはビタミンCが欠かせません。コラーゲンの多い食品と一緒にビタミンCも摂ると良いでしょう。ピーマンやパプリカ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、レモン、キウイ、いちごといった果物に特に多く含まれています。

 最後に、コラーゲンの多い食品は脂質やコレステロールの高いものでもあります。いくらコラーゲンが美容に良いからといって摂り過ぎには注意しましょう。また、サプリメントなどで不足分を補うのも有効ですが、身体や皮膚の材料となるたんぱく質などの栄養素が不足していると、良い肌づくりはできません。まずは、日々の食事を見直したうえで、補給するのが良いです。

健康的な体を維持するために、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう!食事を楽しむためにも口腔内の環境を整えることはとても重要です!