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クエン酸サイクル?
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は生化学のお話をしましょう。TCA回路:クエン酸サイクルについてです。
【目次】
1.クエン酸とは?
2.TCA回路:クエン酸サイクルとは?
1.クエン酸とは?
一日の終わりには、軽く一杯お酒を飲みたいものですね。お酒を飲むと、疲れた体や心が癒やされるように感じます。適量のアルコールには血流を促進させたり、ストレスを解消させたりする作用があるため疲労回復に効果的です。また、より効果的に疲労を回復させるには、「クエン酸」を少し加えるのがおすすめです。最近クエン酸サワーなどもよく見かけますね!
クエン酸は、疲労を回復させる代表的な栄養素です。レモンやグレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれるクエン酸は、私たちの体にとって欠かせない栄養素のひとつです。疲労を回復させるには体内の「TCA回路:クエン酸サイクル」と呼ばれる回路をスムーズに動かす必要がありますが、それに欠かせないのがクエン酸です。
体が疲れていなければ、クエン酸を舐めても酸っぱさを強く感じることはありません。ただし、体が疲れていると、酸っぱさを強く感じてしまいます。疲れていれば疲れているほど強い酸味を感じることから、クエン酸は体調のバロメーターともいわれています。言い換えれば、酸味を強く感じれば感じるほど、疲労回復の必要性があるということです。そんな方は、クエン酸を積極的に摂取する必要があるといえます。
疲労回復に欠かせないクエン酸ですが、疲れがたまっていると酸っぱさを強く感じるため、クエン酸をそのまま摂取するのは難しいかもしれません。そこでおすすめなのが、クエン酸を使ったお酒レシピです。一日の終わりに飲みたいお酒にクエン酸をほんの少し加えることで、手軽に疲労回復効果が期待できます。また、それだけでなく、お酒にクエン酸を加えると味がおいしくなるともいわれています。飲食店でも酎ハイやハイボール、カクテルにレモンが添えられているように、お酒に酸味のあるものを少し加えるとコクが増すとされているのです。
2.TCA回路:クエン酸サイクルとは?
ヒトが活動するためには、エネルギーが必要です。そのエネルギー源というのが、ATP(アデノシン三リン酸: adenosine tri phosphate)と呼ばれる物質です。ヒトは、このATPを使ってエネルギーを生み出し、身体活動をしています。
しかし、ATPは不安定な物質であるため、体内に少ししか蓄えられません。そのため別のエネルギーを使って、絶え間なくATPを作り直し続けないと、活動を続けることができなくなります。
このATPを作り直す(再合成する)仕組みには、大きく3つのルートがあります。
①ATP-CP系
②解糖系
③有酸素系
と呼ばれるものです。
<ATP-CP系>
ATPはごく僅かな量しか筋中に貯蔵されていないです。そのため大きな力を生み出すと筋内のATPは瞬く間に涸渇してしまいます。そこで、筋肉のようにATPの消費が激しい器官においてはATPを再合生する機構が備わっています。
ATP-CP系は、筋内のクレアチンがリン酸と結合してクレアチンリン酸となり、ADPにリン酸を与えることでATPを再合成するという働きを担っています。しかし、クレアチンリン酸の貯蔵量も限られており、ATP-CP系の持続時間は~8秒程度であると言われています。この経路は酸素を代謝の過程で必要としない嫌気的代謝である。
<解糖系>
筋内に貯蔵されている糖質(炭水化物)、すなわちグリコ―ゲンはピルビン酸に分解されます。ピルビン酸はミトコンドリアで代謝されますが、急激にグリコーゲンが分解される場合=エネルギー需要が急激に高まった状態では、ピルビン酸は一時、嫌気的に乳酸へと還元されます。
グリコーゲンがピルビン酸へと分解され、そして乳酸へと還元される一連の反応経路を解糖系と呼び、この時に発生するエネルギーがATPの産生に用いられます。
この経路によっては、30~60秒程度最大限の筋収縮が可能であると言われています。参考書等では、解糖系の他に乳酸系と表記されることもあります。
<有酸素系>
この経路では、ピルビン酸や、脂肪が分解し遊離脂肪酸から生成されたアセチルCoAがミトコンドリア内でTCA回路(トリカルボン酸回路:Tricarboxylic acid)に取り込まれ、複雑な過程を経て処理される。その後、電子伝達系に入り、そこで多くのATPが再合成される。
この経路は大変複雑であり、また代謝の過程で酸素を必要とする為に(好気的)、先に挙げた2つのエネルギー供給系と異なり瞬間的なエネルギー供給には不向きである。しかしながらエネルギーの供給量は大きいため、有酸素系のATP産生によって長時間の運動が可能となる。
通常は唾液が酸を洗い流して中和するため、大きな問題にはなりませんが、強い酸に長時間、または繰り返し酸に触れていると歯の表面のエナメル質が溶けて薄くなったり、やわらかくなったりする「酸蝕症」という状態になってしまうことがあります。
酸性度の強い飲料を飲むときは「だらだら飲まない」「飲んだ後は口をすすぐ」「ストローを使う」などで、歯を守りましょう。
クエン酸のサプリメントなどもあるので、ご自身に合ったクエン酸の摂り方を見つけ、効果を得るようにしましょう。
「歯の角が丸みを帯びて見える」「歯の表面につやがない」「前歯の先端が欠ける」、また「冷たいものや熱いものを口に入れると歯がしみる」といった症状がある方は、酸蝕症の可能性が高いので、早めの受診をおすすめします。