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夏休みの自由研究②

〜他の動物の歯と比べてみましょう!〜

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は夏休みの自由研究②についてお話しします。今日は、他の動物との歯を比較してみましょう!以前の記事も合わせてご覧ください。

今回は、動物の歯について、さらにくわしく見ていきます。 我々哺乳類は、大きく肉食、草食、雑食などと分類されることがあります。歯もそれぞれの食べ物にあわせて特徴的です。

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肉食動物

特に犬歯がよく発達しています。また臼歯も尖ってハサミのようなかみ合わせになっています。肉を裂いたり骨を噛み砕いたりしやすい形状をしているといえます。獲物をとらえ、敵と戦うときの武器になる鋭い犬歯をもち、大きな肉を噛み切るときは前足で肉を押さえ、口を横にして臼歯をハサミのように使います。筋肉もよく発達していて、顎の力も強いです。

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草食動物

犬歯よりも門歯(前歯)がより発達しています。また臼歯は大きく平らで臼(うす)のような形をしています。門歯で草を食いちぎり、顎を前後左右に動かして臼歯ですりつぶします。キリンやウシの仲間は、上顎の門歯がなく、代わりに堅い歯茎(歯板)があって、下顎の門歯とぶつかります。これはまな板と包丁の関係に似ています。

草や葉は栄養価が低く、大量に摂る必要があるうえ、消化もしにくいので、胃や腸にも特徴があります。反芻(はんすう)といい、一度飲み込んだ餌を口に戻して、噛みなおす種類がいたり、ウシには胃が4つあるのもその一つです。

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雑食動物

肉食動物と草食動物の中間的な形をしていて、両方の特徴を持ち、平均的に発達しています。前歯で食べ物をかみ切り、奥の臼歯は食べ物をすりつぶします。常生歯と呼ばれる歯を持つ動物もいます。これは髪の毛のように一生伸び続ける歯のことで、無根歯とも呼ばれます。ねずみの前歯やウサギやモルモットの臼歯、カバやブタ・イノシシの犬歯、象の牙などです。

常生歯をもつ動物の多くは、その歯が伸び過ぎてしまわないように 硬いものを齧ったり、咀嚼運動をしたりして、歯を削り、長さを調整しています。 ペットとして飼われているウサギやモルモットが、軟らかい物を食べてばかりの生活で歯が伸び過ぎて、不正咬合になってしまうケースなどもあるようです


地球上に生命が誕生したのは、今からおよそ40億年前といわれています。この間、生命はいろいろな植物や動物に進化し、今では地球上には100万から120万種類の動物がいるといわれています。このうち80万種ほどが昆虫の仲間ですが、昆虫は歯を持っていません。歯を持っているのは脊椎動物(背骨をもった動物)の仲間の魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類で、この仲間に入る動物はほとんどが歯を持っています。
 歯は動物の種類によって、それぞれ形や本数や生え方が違っているので動物を分類するときによく利用されます。また、化石としても残りやすいので発見された骨の種類の特定や、どのような物を食べていたかの推測や、生活様式の推定などにも利用されます。

《哺乳類の歯》
 私たち人間は哺乳類(乳を飲む動物)という仲間に分類されますが、哺乳類の仲間に入る動物はほとんどが次のような歯の特徴を持っています。
・乳歯と永久歯があって歯が一生の間に二度生える。二生歯性。
・歯の数が決まっていて、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の4種類の形がある。(異形歯性)
・歯の根の部分が顎の骨の中に埋まっている。

《爬虫類の歯》
 これに対して哺乳類より下等な、ワニなどの爬虫類の仲間の歯は次のような特徴があります。
・一生の間に何度も生え変わる。(多生歯性)
・すべての歯がほとんど同じ円錐形の形をしている。(同形歯性)
・顎の骨の表面に張り付いている。

脊椎動物だけど歯がなかったり、少しだけしかない仲間もいます。
・鳥類は歯を持っていません。ただし、鳥の祖先といわれる始祖鳥は、化石を調べたところ立派な歯を持っていたことが知られています。
・カメは爬虫類の仲間に分類されますが、歯を持っていません。
・海を泳いでいる鯨は哺乳類の仲間です。鯨の仲間は大きく分けて歯のある歯クジラと歯のないヒゲクジラに分類されます。
・両生類のカエルは上あごにだけ歯があって下あごには歯がありません。
・ウシの仲間(哺乳類偶蹄目)は、上あごの前歯がなく、硬い上唇と下の歯で草をかみ切ります。

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人間と犬や猫の口の環境の違い

歯や歯周病に関係するのが、口腔内のpHです。pHは水素イオン濃度のことで、液体が酸性かアルカリ性かを示す尺度となっています。口腔内のpHは、唾液のpHが大きく影響しています。人間の唾液のpHは6.8前後で、人間の唾液は酸性気味です。一方、犬や猫の唾液は、犬ならpH8~9、猫なら7~8と、犬や猫の唾液はアルカリ性に少し傾いています。

虫歯の原因菌は酸を作り出すので、pHが酸性に傾いた環境を好みます。先ほどお伝えしたとおり、人間のお口のpHは弱酸性ですので、人間の口腔内は虫歯菌にとって住みやすい環境なのです。一方、犬や猫の口は弱アルカリ性ですから、虫歯菌にとって住みにくい環境です。虫歯菌が住みにくいということは、犬や猫の口は虫歯菌が増えにくいということになります。

また、犬や猫の唾液にはアミラーゼが含まれません。アミラーゼがあると、米や芋類など、デンプン豊富な食材を食べるだけで、お口の中に糖分が増えてしまいます。特別甘いものを食べなくても、日常の食生活を通じて虫歯の原因菌のエサが生まれてしまいます。ところが、犬や猫の唾液にはアミラーゼがないため、甘いものを人間が与えるようなことがない限り、糖分が口の中に発生することはありません。

歯周病には要注意!

歯周病菌は、歯肉溝滲出液という体液で満たされた、歯周ポケット内部にいます。この歯肉溝滲出液はアルカリ性です。虫歯の原因菌と異なり、歯周病菌はアルカリ性の環境を好むのです。犬や猫の唾液は弱アルカリ性を示すことから、犬や猫の口の中は、人間よりも歯周病菌の生息に適してることになります。

虫歯については人間の方がなりやすく、犬や猫はなりにくいと言えます。反対に、歯周病には犬や猫の方がなりやすく、人間の方がリスクは低いということになります。

食べるものだけでなく、唾液の性質によっても口腔内の特徴が変わってきます。他にも気になる事があったら調べてっみましょう!