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歯磨きの時間について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日に続いて今日は歯磨きの時間やタイミングについてお話ししていきます。
【目次】
1.歯磨きの時間について
2.歯磨きのタイミングは?
3.歯磨きのポイント
4.誤った歯磨きを続けると…
5.歯みがきができないときは
1.歯磨きの時間について
歯みがきの時間にどれくらいかけたらいいのか疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。厚生労働省が実施している歯科疾患実態調査によると、歯みがきの平均回数で一番多いのは、一日2回という回答で、所要時間では「1回1~3分未満」でした。一般的には、毎食後3分間の歯みがきが推奨されており、28本の歯の汚れをしっかり落とすためには最低でも3分間ほどかかると言われています。1本を磨くのに長く見積もって10秒かかるとして、10✖️28=280秒:4分40秒かかってしまいます。一本一本丁寧に磨くと自然とこれくらいかかってしまいます。また、歯科医院などでは、歯1本1本の前側・断面・後ろ側をみがくとなると、10分以上かけることを推奨されているケースもあります。フロスなども使って綺麗に磨くとそれくらいかかってしまいますね。毎食後に10分以上の歯みがきが理想ですが、なかなか時間が取れないという方は寝る前の最後の歯みがきに時間をかけて丁寧にみがければ、すぐに虫歯や歯周病になる可能性は低いと考えられます。寝る前に歯間ブラシやフロスなどの補助清掃道具も使ってみがくのがおすすめです。
2.歯磨きのタイミングは?
歯磨きの目的は、口腔内の食べかすを除去すること、歯の表面に付着した虫歯・歯周病菌のかたまりであるプラークを除去することです。プラークは虫歯や歯周病の原因になります。歯ブラシで機械的にプラークを除去することで、口腔内のトラブル病気を予防できます。歯磨きのタイミングは朝食後、昼食後、夕食後+就寝前の4回が理想です。
食後すぐは磨かないほうがいい?
唾液の緩衝能の話も最近ではTVや雑誌などでもよく見かけます。食事をすると食べかすの中の糖分を基にして虫歯の原因菌:S.mutansが増殖し、プラークとなり歯に付着します。プラークの中の虫歯菌は酸を産生します。この酸が歯を溶かし虫歯へと変化していきます。食後の歯磨きは、虫歯の原因となるプラークを取り除くとともに、その原料となる食べかすを取り除きます。緩衝能があるのですぐではなく少し時間を空けてからという記事も目にしますが、食後30分以内に歯磨きをすることをおすすめします。炭酸飲料など酸性の食品を飲食した際におこる「酸蝕症」に関する研究データを元にした場合「食後30分ほど時間をあけて中性に戻ってからみがいたほうがいいのではないか」という意見ですが、普通の食事内容であれば食後すぐに歯磨きをする方が歯を守る効果が高くなります。
寝る前の歯磨きは?
寝ている間は日中と比べて口腔内が乾燥しやすく、虫歯菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、汚れた口腔内のまま就寝してしまうと虫歯のリスクが急激に高まります。一日の中でも最も大切なのが就寝前の歯磨きになります。汚れた歯のまま、磨き残しを次の日に持ち越さないことがことが大切です。一日の中でも念入りに時間をかけてみがきましょう。ナイトケアなどの就寝前に使うと効果的な洗口剤も各メーカーから出ています。洗口剤なども就寝前に利用するとより効果的です。
3.歯磨きのポイント
磨き残しなどについては以前の記事も参考にしてください。力よりも毛先がしっかりポイントに当たっているか、動かし方が重要になります。
4.誤った歯磨きを続けると…
歯磨きのポイントは以前もお話ししたので、今日は不適切な歯磨きが引き起こす弊害についてお話しします。
・エナメル質が削れる
強い力で歯磨きをしすぎると、歯の表面のエナメル質が削れてしまい歯が傷ついてしまう恐れがあります。歯ブラシが強く当たりすぎると、表面が削れたり目に見えない傷ができます。知覚過敏の原因にもなるので、極端に長くみがき続けるのは避けるようにしましょう。しかし、健康なエナメル質はそう簡単には削れません。お皿をブラシで擦ってもなかなか削れませんよね?ではどうして摩耗してしまうのか?強い噛み合わせや歯ぎしりなどで歯の表面にクラック:細かい亀裂が起こるとそういう部分は磨耗しやすくなります。歯ぎしりや食いしばりのある方ほど要注意です。
・歯茎が傷む、退縮する
歯茎はとてもデリケートです。強い力で磨きすぎると歯と同様に表面が傷つき、歯茎の腫れや出血の原因となります。歯と歯ぐきの境目をみがく際は、軽い力で優しくみがくよう心がけましょう。
誤った歯ブラシを行うと、歯も歯茎も傷ついてしまいます。その結果知覚過敏が起こりやすくなってしまいますので注意が必要です。
5.歯みがきができないときは
出先や会議、出張などで食後にすぐに歯磨きができないタイミングが誰しもあると思います。その時の対策についてお話しします。
・うがいをする
うがいをして口腔内の食べかすを洗い流します。ポイントは、口に含んだ水に勢いをつけて口の中でしっかりゆすぎます。歯と歯の間や歯茎と頬の間にも水が行き渡るようにして洗います。洗口剤を利用するのも効果的です。
・お茶や水を飲む
口腔内に食べかすが停滞すると虫歯菌のエサになるため、食後にお茶や水を飲んで流すのも有効です。その際には糖分を含まない「ノンシュガー」の飲み物を選んでください。その中でも緑茶や烏龍茶は特におすすめです。緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが含まれており、虫歯の原因となるS.mutans菌の増殖抑制やプラーク形成の抑制効果があると言われています。また烏龍茶にもポリフェノールが含まれており、緑茶よりも高い虫歯予防効果が期待できると言われています。
・ガムを噛む
ガムを噛むと唾液の分泌がうながされ、食べかすなどの汚れもたまりにくくなります。キシリトールは砂糖と同じ甘さがあるにもかかわらず、細菌が酸をつくらない甘味料として知られています。また歯磨きガムなども市販されていておすすめです。
これらは歯磨きができない時の応急的な対策です。すべての汚れを落とせるわけではないので、時間ができたらしっかり歯磨きを行いましょう!
今日は歯みがきの理想的な時間や回数、気を付けるポイントをご紹介しました。口腔内の環境を清潔に保つために、食後はできる限りすぐに歯みがきをして、特に寝る前の歯みがきは特に念入りに行いましょう。時間や回数、力よりも、一番は当たるポイントとしっかりと汚れを落とすことが大切です。
丁寧に歯1本1本をみがくことを心がけてみてください。正しい歯みがきを習慣にできれば口腔内トラブルを予防できます。