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知覚過敏について①
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。夏休みアイスやかき氷で歯がしみたという方もいるかと思います。今日は「知覚過敏」についてお話しします。
【目次】
1.知覚過敏とは?
2.知覚過敏の原因とは?
3.知覚過敏の治療法とは?
1.知覚過敏とは?
知覚過敏とは、歯の神経が刺激に対して敏感に反応してしまう症状のことです。主な原因としては、歯のエナメル質や象牙質が削られたり(楔状欠損)、歯肉退縮によって歯根が露出したりすることなどがあげられます。また、歯ぎしりなどの過度の負担やや歯磨きの過剰な力でも引き起こされます。
知覚過敏は歯の神経が刺激される時に起こります。普段は痛みを感じないが、冷たい飲み物やアイスなどを食べた時、熱い飲み物を飲んだ時、甘いものを食べた時などに痛みを感じます。
知覚過敏は、一時的なもので自然と治る場合もありますが、放置すると症状が悪化する可能性もあるため早期に受診して適切な治療やアドバイスを受けることが重要です。
<症状>
- 冷たい食べ物や飲み物が触れるとしみる
- 歯ブラシの毛先が当たると痛い
- 甘いものを食べるとしみる
- 味の濃いものや酸っぱいものを食べるとしみる
- 温かいものを口に入れるとしみる
- 冷たい風が当たるとしみる
<虫歯との違い>
虫歯は細菌感染により歯の実質欠損が起こって生じる状態です。歯の表面(磨き残しの多い部分)から穴が開いた状態です。虫歯は進行するとかなり強い痛みが出ることがあります。一度刺激により痛みを感じると長引く痛みが出たり、何もしてなくても痛みを感じることがあります。また、治療の際に神経が露出してしまうことが考えられます。
一方知覚過敏の場合、歯の表面は健康な状態です。進行しても、神経が遠ざかるため露出することはないです。また刺激に対して症状が出るため、何もしていない時は痛みません。痛みも短い時間で消えることが多いです。
2.知覚過敏の原因とは?
- かみ合わせの異常
- 歯磨きの力が強い
- 進行した歯周病
- 虫歯の治療後
- ホワイトニング後の一時的な知覚過敏
- 酸蝕症や摩耗 など
①かみ合わせの異常
かみ合わせの異常とは、上下の歯が正しくかみ合わない状態のことを言います。開口や叢生などがあります。この状態が長く続くと、歯や顎関節に負担がかかり、知覚過敏の原因となってしまいます。夜間のマウスピースの使用や矯正を行うことで予防が可能です。
②歯磨きの力が強い
歯磨きの圧(ブラッシング圧)が強いことも、知覚過敏の原因の1つとなります。研磨剤の多く含まれる歯磨き粉を使用することで、歯のエナメル質が削れてしまい、歯がしみたり痛んだりすることがあります。
③進行した歯周病
歯周病が進行すると、歯槽骨の吸収に伴い歯茎が下がり、歯根も露出し知覚過敏が起こることがあります。
④虫歯の治療後
虫歯の治療を受けたことで、一時的に知覚過敏を引き起こすこともあります。治療時に使用される器具や薬剤により一時的に神経に刺激を与える為、術後知覚過敏になる事があります。また、薬剤による治療も歯の表面を削ることなく神経に直接作用するため、知覚過敏を引き起こすリスクがあります。神経のある歯を削ると切削痛といい、一時的な知覚過敏や痛みが出ることがありますが、治ってきますのでご安心ください。
⑤ホワイトニング後の一時的な知覚過敏
ホワイトニングは、強力な薬剤で歯を白くする方法です。ホワイトニングの薬剤が原因です。過酸化水素は歯の表面にある有機物を分解するため、歯の表面にある有機物が分解されることで歯が白くなる仕組みです。しかし、この反応によって、歯の表面にあるエナメル質も少しではありますが削られてしまいます。その結果、歯が知覚過敏を引き起こすことがあります。
⑥酸蝕症や摩耗
酸蝕症は、歯のエナメル質や象牙質が酸によって溶解する病気のことです。摩耗は上下のかみ合わせにより歯がすり減ることを言います。これらが進行すると歯が傷つき、歯の厚さが薄くなり知覚過敏の原因となります。食べ物や飲み物に含まれる酸が歯の表面に付着すると、エナメル質が溶け出して歯が脆くなります。また、胃酸が口内に逆流することも酸蝕症の原因の一つです。
3.知覚過敏の治療法とは?
- 知覚過敏用の歯磨き粉の使用
- 知覚過敏用の薬剤の塗布
- 歯の表面コーティング
- 詰め物の治療
- フッ素塗布
- マウスピース
- 歯周病の治療
①知覚過敏用の歯磨き粉の使用
知覚過敏用の歯磨き粉には、歯の表面を保護する成分や、神経の過剰反応を抑える成分が含まれています。また、歯磨き粉を使うだけでなくプラークをしっかりと落とし、口腔内を清潔に保つことも大切です。定期的な歯科検診も忘れずに行い、口腔内の健康を維持しましょう。
②知覚過敏用の薬剤の塗布
知覚過敏用の薬剤には、光で照射するタイプや塗り込むタイプがあります。一度で効果がある方もいれば少しずつ改善してくる方もいます。
③歯の表面コーティング
歯の表面にレジンと呼ばれる樹脂をコーティングし刺激から守る方法もあります。接着のために歯の表面を処理したり少しだけ研磨することがあります。また、歯茎からの滲出液や噛み合わせのコントロールが正確にできていないと外れてしまうこともあります。
④詰め物の治療
インレーやCRなどの詰め物の周りの隙間から刺激が加わり知覚過敏を生じることがあります。甘いものやなども噛んだ時も同様の症状が出やすいです。古くなり劣化した材料を取り除き、修復していきます。大きさや範囲にもよりますが、麻酔をした状態で回数も2〜3回かかることがあります。
⑤フッ素塗布
フッ素を塗布することで、歯を内部から強化します。また歯の表面の再石灰化を促進することで酸に強くなり、虫歯の発生を予防が期待できます。歯の表面が薄くなっていたり、虫歯になりやすい方には特におすすめです。
⑥マウスピース
上顎にマウスピースを装着することで歯を保護し、痛みを軽減する効果があります。また、歯ぎしりや食いしばりの症状も軽減できます。マウスピースは自分で市販品を購入もできますが、専門医に作成してもらうことをおすすめします。
⑦歯周病の治療
知覚過敏の原因が歯周病である場合は、歯周病の治療を行います。歯周病は進行すると歯茎が退縮し、歯根が露出することがあります。歯周病の治療には、歯石除去や歯茎うぃ切開しての手術などがあり、適切な処置によって健康な歯茎に回復させて改善を狙います。また、知覚過敏の症状を緩和するために特殊な歯磨き粉やフッ素塗布剤を使用することもあります。
今日は知覚過敏についてお話ししました。明日は、予防策や細かい金額などについての続きをお話しします。