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顎関節・咬合について②

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は昨日に続き「顎関節・咬合」のお話しをしていきます。



1.咬合の不調和について

<分類>
①咬頭嵌合位の位置の異常
・不適当な安静空隙量
・習慣性閉口位との不一致
・中心位との前後的左右的関係の異常。

②咬頭嵌合位の不安定
・接触歯数の過少や偏在。

③被蓋関係の異常

④咬合接触の異常
・咬頭嵌合位と習慣性閉口位の不一致
・中心位における片側性接触
・作業側における臼歯単独接触
・平衡側における咬合干渉
・前方位における臼歯の咬合干渉と片側性接触。

<症状>
過剰な咬耗、咬合性外傷ブラキシズム、筋の攣縮ならびに筋膜痛や関連痛、顎関節雑音や運動時痛、開口障害、片頭痛、肩こりなどの症状が一般に複数で現れる。

<診断>
咬合不調和が原因かどうかの診断は非常に困難な場合が多い。上記の症状に基づいて病歴および咬合の機能分析により咬合不調和の状態を検討する。またX線診査も加味して慎重に鑑別診断していく。一方対症療法により治療を施しながら試行錯誤によって分離し診断の一助にする。一般的にオクルーザルスプリントによる咬合の安定の確保を行い、症例により選択削合や矯正的歯軸整直·補綴的再構成を行う。

昨日もお話しした適応代償についてです。
適応(Adaptation)
環境に対応して機能的変化によって生命維持を可能にしようとする生体反応

代償(Compensation)
構造的欠陥に対して、最大の機能を可能にしようとする生体反応

<代償反応>
・垂直的代償(Vertical compensation)
・歯と歯槽による代償(Dent-alveolar compensation)
・顎関節による代償(Articular compensation)
これれらの代償が、顎関節症として発症します。

2.咬合診断について

咬合診断を行う上で、治療前の状態をしっかり記録に撮ることが重要になります。シリンジを用いて口腔内の深部までを正確に印象際取るする必要があります。
診断用模型を作成し、咬合器上に付着し咬合診断を行います。

国立 歯医者 咬合器

<咬合器>

口腔領域の機能を口腔外で再現するための装置です。
補綴物を作成するために使用します。平均値、半調節性、全調節性と種類もあります。

<フェイスボウトランスファー>

 フェイスボウを使って頭蓋に対する上顎歯列の位置的関係(上顎三角)を計測し、上顎の石膏模型を咬合器に付着し、再現するまでの一連の操作のことを指します。用いる後方の基準点の種類により実測法と目測法(平均値法)があります。

①実測法
ターミナルヒンジアキシスが用いられるため、生体と咬合器の開閉軸は正確に一致する。この方法で付着すると生体と同一の開閉運動を営むようになる。

②目測法(平均値法)
平均的顆頭点(解剖的平均値)が用いられるため、生体のターミナルヒンジアキシスと咬合器の開閉軸は正確には一致しない。

国立 歯医者 咬合器

パナデントは平均値を用いてフェイスボウトランスファーを行います。

<中心位採得>

国立 歯医者 中心位

中心位は、研究の過程で位置の定義が変化してきました。

中心位がどこの位置かよりは、
①Stability:安定しているか
②Repeatable再現性があるか
③Comfortable快適か
を見極める方が重要です。

歯科医師が行う患者さんへの治療の大きな目的は、咬合の誘導、修復、再構築の処置を患者の生体に調和した状態にすることです。

理想とする個々患者への咬合確立のためには、中心位=中心関係=中心咬合位(CP=CR=CO)であり、(MICRO)相互負担咬合様式を理想咬合とします。下顎体の運動限界位は靭帯位であり、咀嚼サイクルは、その靭帯位内を運動する筋肉位です。この両位置の初発点と終着点が同位置であることが理想咬合の基準点です。そのため最初に行うべきは、筋肉と神経のリラックスです。筋肉群の安定をはかることを目的としてアクアライザー、またはソフトスプリントを用います。

<下顎位>

上顎に対する下顎の位置のことです。上下顎の歯の接触状態により表現される咬合位、歯の咬合状態に関係なく下顎窩内の下顎頭の位置関係による下顎頭位(顆頭位)、および筋活動の状態により表現される筋肉位とに分類される。

咬合位である咬頭嵌合位(MI)は健全歯列を有する者においては安定しており、再現性に富んでいると言われている。しかし不良補綴物の存在、歯や歯列の位置異常、歯の欠損などがある場合には、その咬合位の信頼性は損なわれてしまう。さらにすれ違い咬合や無歯顎者においては義歯を装着しなければ咬合位は存在しない。

(中心位記録に影響を与える因子)
①患者な精神的·情緒的緊張
②顎関節もしくはその他の咀嚼器官の疼痛
③術者の経験および技量
④記録に用いる材料
⑤下顎の誘導法
⑥記録する時間
⑦患者の神経筋機構の状態
⑧採得した記録の扱い方と保管方法

※長期間の不正咬合により顎位がずれている方は、早期接触部位に誘導されることへの拒否反応があります。また日内差もあります。朝よりも夜に記録を採得した方が、下顎は最も上方かつ後方(最上後方位)へ誘導する事ができます。

(下顎位誘導方)
·チンポイントテクニック
·スリーフィンガーテクニック
·ダブルハンドテクニック
·ゴシックアーチ描記
·嚥下法
·マイオモニター


安定する補綴物やフルマウス、咬合再構成を行う場合中心位での作業が基本となります。中心位採得に関しては明日詳しくお話しします。