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免疫細胞について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は「免疫細胞」についてお話しします。



1.免疫とは?

免疫は、細菌やウイルスから、体を守ってくれている防御反応のことです。「疫(病気)」から「免(まぬがれること)」で、免疫といいます。

免疫の役割の一つは、外部から侵入してきた病原体などを「非自己」と認識して排除する防衛機能です。風邪を引くと熱や咳が出ますよね。これは体温を上げて高熱に弱い病原菌を殺したり、咳やくしゃみという形で体外に排出しようとする免疫の働きによるものです。また、インフルエンザなどの予防接種のように、もしかかっても軽傷ですむ場合が多く、それはワクチンによって事前にインフルエンザに対する免疫(抗体)ができているからです。では、免疫の種類や働きについて詳しく見ていきましょう。

<自然免疫>
自然免疫は生まれつき人間の体に備わっている免疫のことです。細菌やウイルスなどの異物を食べて除去する食細胞を中心に構成されています。食細胞は自分と異なる分子や構造を認識する受容体を持っており、異物の処理や排除を促すタイプ細胞内で信号の伝達を起動するタイプに大別されます。

①好中球

国立 歯医者 免疫

白血球の中の顆粒球の一種であり、白血球全体の約45~75%を占めています。強い貪食能力を持ち、細菌や真菌感染から体を守る主要な防御機構となっています。

②好酸球

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好酸球は2番目に豊富な顆粒球であり、血液中を循環している白血球の1~3%を占め、骨髄中の白血球の約6%を占めます。寄生虫感染症やアレルギー性疾患に対する宿主反応を起こします。好酸球はIL-10やIL-4などのサイトカインを放出して免疫反応を調節します。 

③好塩基球

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好塩基球は、顆粒球の中で最も少なく特徴が少ないです。循環血中の白血球の1%未満を占めています。 好塩基球は、高親和性IgE受容体の発現、活性化時のヒスタミンの分泌など 肥満細胞と多くの機能的類似性を共有しています。好塩基球は、ヒスタミンを含み、IL-4など特定のサイトカインを分泌する唯一の循環白血球です。

④マクロファージ

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マクロファージは自然免疫系の食細胞です。マクロファージは、好中球とともに感染に対し、最初に応答して機能します。細胞の破片や病原体の認識、食作用、および分解に関与します。T細胞への抗原提示、ならびに他の抗原提示細胞種上での共刺激分子の発現の誘導においても機能し、適応免疫応答を開始します。さらに、マクロファージはサイトカインとケモカインを放出することにより、炎症の開始に重要な役割を果たし、サイトカインとケモカインが、他の免疫細胞を炎症部位へ動員させます。

⑤樹状細胞

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樹状細胞は、病原体の自然免疫検出とそれに続く適応免疫応答の活性化において重要な役割を果たします。主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子上の抗原ペプチドを提示し、適応応答を開始してT細胞の活性化と分化を誘導します。また、免疫応答を増強・調節するサイトカインと増殖因子を分泌します。

⑥ナチュラルキラー(NK)細胞

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ナチュラルキラー(NK)細胞は、事前の活性化を必要とせずに細胞を選択的に溶解します。NK細胞は、自然リンパ球ファミリーに属しており、自然免疫系の一部として、免疫監視とそれに続くウイルス感染およびがん細胞に対する宿主防御に重要です。ヒトでは、NK細胞は循環しているリンパ球の8~20%を占めます。NK細胞は抗原に依存しない、免疫学的記憶や長期の防御免疫をもたらさない仕方で機能します。

<獲得免疫>
獲得免疫とは、感染した病原体を記憶し、再度遭遇した時に効果的に排除できるようになる仕組みのことです。自然免疫に比べると応答するまでに時間が長くかかりますが、さまざまな病原体に反応する多様性を持っています。一度感染した病原体に対して耐性がつき、感染・発症しにくくなり、軽症で済むのは獲得免疫の働きによるものです。

①B細胞

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Bリンパ球とも呼ばれ、適応免疫応答において重要な役割を果たす白血球の一種です。B細胞は、高親和性抗体を産生し、免疫記憶を形成し、抗原提示細胞として機能し、CCL22、CCL17、IL-2、IL-4、IL-6、IFN-γ、TNF-α、GM-CSF、IL-10、TGF-β1、IL-35などのサイトカインを分泌します。B細胞が成熟し形質細胞になります。

②ヘルパーT細胞

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ヘルパーT(Th)細胞は、免疫系の他の細胞、特にマクロファージ、樹状細胞、B細胞などの抗原提示細胞(APC)にヘルパー機能を付与し、それらの活性化と成熟に重要です。

③キラーT細胞

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キラーT細胞は、樹状細胞などの抗原提示細胞から抗原情報を受け取ることで、ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを特定します。キラーT細胞の働きは、病原体に対する防御だけでなく、自身の体内で異常を起こしている細胞も排除します。キラーT細胞は免疫システムの中でも非常に重要な役割を果たしています。

④制御性T細胞

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制御性T細胞、自己寛容と免疫細胞の恒常性の維持に重要です。1型糖尿病、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、および重症筋無力症など自己免疫疾患の原因となる免疫応答の制御に重要な役割を果たすことも分かっています。

⑤メモリーB細胞

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形質細胞とは対照的に、メモリーB細胞は寿命が長く、抗原に再遭遇するまで休眠した状態のままです。メモリーB細胞は、再曝露するとただちに抗原に対する抗体の産生を開始できます。それらの外来抗原に再曝露されると、メモリーB細胞はただちに再活性化し、抗体産生形質細胞に分化します。免疫記憶などの二次免疫応答の一部としてウイルスおよび細菌の抗原を迅速に中和するのに効果的です。


今日は免疫に関する細胞についてお話ししました。明日は免疫の仕組みについてお話しします。