国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

ブログ

関連痛について②

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は昨日に引き続き「関連痛」についてお話しします。

<非歯原性歯痛の分類>
筋・筋膜性歯痛
神経障害性歯痛
③神経血管性歯痛
④上顎洞性歯痛
⑤心臓性歯痛
⑥精神疾患または心理社会的要因による歯痛
⑦特発性歯痛(非定型歯痛を含む)
⑧その他さまざまな疾患により生じる歯痛

昨日②神経障害性歯痛までお話ししたので今日は③神経血管性歯痛からお話しします。

3.神経血管性歯痛

片頭痛や群発頭痛の症状の一つとして歯痛が生じることがよくあります。頭痛による関連痛で、口腔やその周囲に生じる最も一般的な神経血管性頭痛が片頭痛です。痛みは歯髄炎(歯の神経の炎症)ととても似ているため鑑別が難しい歯痛の一つです。この場合、歯の治療を行っても痛みはなくなりません。まずは頭痛原因を鑑別し、それに合わせた治療を行う必要があります。

頭痛は日常生活の中で誰もが一度は経験した事があるかと思います。風邪や二日酔いなどで一時的に起こるものもありますが痛み・症状が長期間また高頻度に慢性的に起きる頭痛も少なくありません。頭痛に悩む「頭痛持ち」の方は、日本には約3000万人(およそ4人に一人)いると言われています。

①頭の中に原因があるのか?
脳内、脊髄、耳、鼻、、、→脳神経外科や耳鼻科が担当

②頭の外に原因があるのか?
頭の外についている筋肉:咀嚼筋→歯科が担当

このように原因が何かを正確に診断しアプローチしていく必要があります。頭痛で歯科に通うということが今までの常識からは少なかったかと思いますが、なかなかしない頭痛や眩暈、肩こりなでお悩みの方は一度ご相談ください。咬合診断専門のドクターが対応いたします。

4.上顎洞性歯痛

国立 歯医者 歯痛

上顎洞とは副鼻腔のひとつで、左右の上あご、臼歯の上にある骨の中の空洞です。副鼻腔は他に、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞があります。

この上顎洞の疾患で歯痛を生じることがあり、これを上顎洞性歯痛と言います。副鼻腔は風邪などにより炎症を起こすことがあり、鼻からの影響で起きている上顎洞疾患の治療は耳鼻咽喉科が行います。

5.心臓性歯痛

狭心症や心筋梗塞などの疾患に関連した歯痛も数多く報告されています。他にも動脈解離、心膜炎から歯痛が生じた報告もあります。痛みは発作性に生じ、特に歩行などの運動により歯痛が生じる相関関係が認められています。迅速に心疾患の治療を行う必要があり、心臓の専門家を早急に受診するようにしましょう。

6.精神疾患または心理社会的要因による歯痛

精神疾患のうち身体表現性障害の場合は特に身体化障害や疼痛性障害で歯痛が生じることがあります。また、統合失調症、うつ病において身体症状として歯痛が出現することも知られています。これらの精神疾患は精神科の受診が必要な疾患です。

7.特発性歯痛(非定型歯痛を含む)

明らかな原疾患がはっきりしない歯痛もあります。原因不明の痛みといえます。歯原性歯痛ではなく、さらに非歯原性歯痛のどの分類にもはっきり当てはまらない歯痛のことです。時間の経過によって症状が変化し、内容が明確になることもあります。対処が困難の歯痛になります。


少し難しいお話しだったかと思いますが、アイスなどを食べて頭が痛くなる経験はみなさんも経験したことはあるかと思います。これも関連痛に一種になります。アイスやカキ氷を急いで食べると、血管が膨張するとともに喉付近の三叉神経を刺激し、喉の痛みではなく頭に痛みが起こる現象です。

痛みを取るためには?

非歯原性歯痛の治療の場合、歯を真っ先に削ることはしません。原因が歯ではないからです。筋肉のオーバーワークが原因なのか、神経・血管が原因なのかを正確に診断し、歯に原因がないことを確認しないといけません。歯が原因で起こる痛みには以下のものがあります。

(1)象牙質の痛み
(2)歯髄の痛み
(3)歯肉の痛み
(4)歯槽粘膜の痛み   があります。

痛みのレベルの順位がありますが、このようになっています。
1位:出産
2位:歯の痛み
3位:尿管結石
4位:肝臓がん
5位:心筋梗塞
6位:陣痛
7位:パラポネラに刺された時の痛み
8位:痛風
9位:肺炎
10位:腰椎注射

歯の痛みはかなり強い痛みですし、食事もできず、集中力も欠けてしまい何もやる気が起こらなくなってしまいます。痛くなる前に早めに治療を行いましょう!

1)象牙質の痛み
象牙質の痛みは,外からの刺激によって生じる2-3秒以内の鋭い深い痛みです。冷たいものや熱いものによる熱刺激や酸っぱいものの化学的刺激、歯ブラシなどの物理的・機械的刺激です。象牙質の痛みは,知覚が過敏と思われる歯の周辺2-3本の歯に対して,パルパーなどを用いて1本ずつ冷刺激や熱刺激を加えていくことで再現され,問題のある歯が確定されます。最も多い原因は、象牙質に達する深い虫歯です。視診、触診、レントゲン検査を行い診断します。

2)歯髄の痛み
歯髄の痛みは、歯が原因の歯や歯のまわりの痛みの中で最も強烈な痛みになります。歯の中には歯髄がありそこには多くの神経・血管が走行しています。ここに炎症性の痛みが生じる原因としては、虫歯が歯髄に達した場合や、歯の破折、さらには欠損がなくても咬合力や外傷が加わることにより痛みが生じることもあります。歯髄の痛みは刺激がなくてもズキズキした強い痛み(自発痛)が出ます。また温かいもので痛みが増す特徴があります。

(3)歯肉の痛み
歯のまわりの歯肉からの痛みは比較的容易にその場所を明らかにできます。歯を軽く叩いたり歯茎を圧迫したりすることで痛みが生じるか確認します。歯のまわりの痛みは通常、細菌の感染による歯肉、歯根膜、歯槽骨の急な炎症の過程で生じます。これには歯髄壊死から根尖周囲に炎症が波及してしまうもの(根尖性歯周炎)と、歯周ポケットを介して歯肉に辺縁に炎症を引き起こすもの(辺縁性歯周炎)があります。

(4)歯槽粘膜の痛み
歯槽粘膜の痛みは通常、びらんや潰瘍を生じる疾患に関連しています。また口腔内全般に生じる痛みは、広範囲な感染によるものや全身疾患にともなうものが多くあります。

・部分的な痛みは機械的、化学的外傷や熱傷、ウイルスの感染等によって生じます。この痛みは通常軽度から中等度ですが刺激的な食事の際には重度の痛みを訴えることもあります。この痛みは数分で落ち着くことが多いです。

・口腔粘膜に全体的な疼痛が起きる時は、通常灼熱感で味覚障害や金属味を伴います。この痛みは,細菌や真菌の感染から起こるものが多いです。そのため細菌検査によって診断が行われます。代表的なカンジダ性口内炎は、長期に渡る抗真菌剤の投与や免疫能の異常が原因として考えられます。また頭頚部への放射線療法は口腔内全体の急性粘膜炎を生じることがあります。さらに唾液分泌の減少が口腔粘膜の慢性痛や不快感を生じることがあります。


口腔内に少しでも痛みや異変を感じたらすぐに歯科医院を受診しましょう。痛みや症状が落ち着いたとしても一度見てもらった方が安心です。急性炎症が落ちるいているだけで慢性化する前に早めに治療を行いましょう!