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妊娠中の方へ

 こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。

国立 歯医者 妊婦健診

 今日は妊娠中の方へ、定期検診の重要性についてお話しさせていただきます。

なぜ妊娠中の定期検診が重要なのか?

 妊娠するとホルモンバランスが大きく変わり、体にもさまざまな変化が生じます。ホルモンバランスの変化で歯茎が炎症しやくすなったり、お口の中も、妊娠前とは状況が異なりトラブルが起こりやすくなります。さらに、赤ちゃんが生まれると生活パターンもがらりと変わり、歯医者さんに通う時間を作るのが難しくなってきます。

妊娠中は歯、お口のトラブルが起こりやすいです。理由としては次のことが考えられます。

  1. つわりで歯をていねいに磨くことができない。
  2. つわりによる胃酸逆流や酸っぱいものを好んで食べるので、お口の中が酸性に傾きやすい。
  3. 一度に食べられえる量が少ないので、食べ物をこまめに食べる、口にする回数が増える。
  4. ホルモンバランスの変化で唾液の性質に変化がある。(粘性がます)
  5. 産婦人科の通院や、体調管理で歯医者に行く機会が減る。

体調管理を優先してですが、定期的なブラッシング指導や口腔内チェックをお勧めします。妊娠5~8ヶ月の安定期であれば、簡単な歯科治療も可能になります。

虫歯や歯周病菌で早産のリスクが高まる

 妊娠中に、虫歯菌や歯周病菌がお口から体内に入り込んでしまうと、妊娠37週未満で出産してしまう早産や、新生児の体重が2,500gに満たない低体重児出産を引き起こす可能性があるといわれています。飲酒や喫煙でも同様のリスクがあるとされていますが、それよりも歯周病のほうが危険性は高いことがアメリカの研究によりわかりました。

虫歯菌をうつしてしまう

 赤ちゃんのお口の中には、もともと虫歯菌は存在しません。生後1歳7か月ころから2歳7か月ころの間に、大人の唾液を介して感染してしまうのです。つまり、子供を虫歯から守るためには虫歯菌をうつさないことが重要となります。最近は箸をや食器を分けたりなど、口移しや可愛い赤ちゃんとのキスを我慢している家庭も多いかと思います。たとえ、赤ちゃんと接触することがあっても、大人の口腔内の細菌が少なければ、感染のリスクは下がります。もちろん、虫歯があれば治療しておき、虫歯菌をできる限りなくしておきましょう。赤ちゃんが生まれてくる前に、一緒に生活する大人たちのお口をきれいに治療しておくことが大切です。

出産後赤ちゃんのお世話が始まると、一気に忙しくなり赤ちゃん中心の生活となり、想像以上の時間のなさに自分のことなどかまっていられなくなるでしょう。歯磨きも疎かになり虫歯や歯周病が進行してしまう方も多いです。赤ちゃんを預けられる人がいないと、歯医者さんに通うことすら難しくなるのが現実です。そのため、妊娠前出産前のお口の環境を整えることが、お母さんにも生まれてくる赤ちゃんにもとても重要なことになります。

では、妊娠中に歯科治療を受けられるタイミングはいつか?

妊娠初期(1~4ヶ月)は切迫流産などのリスクもあるため、緊急治療以外は歯医者の通院を控えましょう。5ヶ月ころを過ぎ安定期に入りましたら、体調管理に気をつけながら通常の治療を受けることが可能です。歯科用レントゲン写真の撮影や、歯科麻酔、処方薬も妊娠されている方への影響は少ないものの、治療を行う上での配慮が必要になりますので、事前に妊娠していることを伝えてください。妊娠8ヶ月を過ぎて後期に入ると、陣痛がいつきてもおかしくない状態になりますので緊急治療以外は控えなければなりません。

 つわりが落ち着き、安定期に入ってから歯科検診を受けることが望ましいですが、つわりが長引く方や、体調がすぐれない方もいらっしゃいうますので妊娠前からの口腔内の環境を整えていきましょう。

妊婦歯科検診の主な内容について

歯医者さんによって内容は異なりますが、虫歯の有無や歯肉の様子をチェックするのが一般的です。唾液から虫歯菌の量を調べることもあります。正しい歯磨きのやり方などのアドバイスも受けられます。妊娠中や産後の歯の問題など、気になることは遠慮せずに相談してください。

妊娠中の治療を受ける上での注意点

先ほども述べましたが、治療を行うとなると、レントゲン写真や麻酔、お薬の飲んだりと注意すべきことがありますので、一つずつ順に説明していきます。

<レントゲン>

歯科医院で使用しているレントゲンは放射線量が微量です。口全体を写す場合でも1回につき約0.04mSvほどです。1年間で人間が自然に浴びている放射線量は2.4mSvほどで、胎児に影響を及ぼす放射線量は50~100mSvといわれていますから、ほとんど心配しなくてもよい数値です。また、レントゲン撮影する際には防護エプロンも着用します。口腔内の照射野と子宮の位置も離れており、さらに防護エプロンを着れば、被曝量はほぼゼロになります。ただ、緊急治療以外で不必要に撮影することはありませんので、出産後まで延期することも可能ですので、ご安心ください。

<歯科麻酔>

虫歯の治療や抜歯するときなどに歯茎にうつ麻酔はごく少量です。赤ちゃんや母体への影響を心配するほどのものではありませんから、痛みに耐えて治療を受けるよりも麻酔を打ってもらうほうがいいです。歯科麻酔の影響より、歯科治療中の痛みによるストレスの方が胎児に影響があるという研究もあります。また、帝王切開や出産の際に用いる麻酔と同じですので、ご安心ください。

<鎮痛剤•抗生物質>

妊娠中、妊婦胎児ともに、比較的身体に影響の少ない鎮痛剤・抗生物質を処方するようしています。ただ、影響がゼロではないので、必ず治療前に妊娠中であることを告げるようにしてください。また、必要に応じてかかりつけの産婦人科医に相談することも可能です。

<治療中の姿勢>

お腹が大きくなると、横になり仰向けの状態で長時間横たわるのがつらくなってきます。我慢せず、つらいときには早めにスタッフに伝えてください。なるべく椅子を倒さず治療やクリーニングを行うことも可能です。また、万が一通院されてから具合がすぐれない方も遠慮せず伝えてください。治療を延期し、体調が落ち着くまで院内で休憩することも可能です!何かお困りのことがございましたらすぐ教えてください。

最後に妊娠中の方への口腔内ケアのアドバイスです。

①つわりで歯を丁寧に磨けない時

つわりで歯を磨けないときには、食後に水でうがいをするだけでも虫歯予防に効果的です。抗菌剤の入っているうがい薬や、抗菌作用のあるカテキンが含まれている緑茶でうがいをするのもいいですが、当院では殺菌効果消毒効果の強いうがい薬も準備しています。また、吐き気をもよおさないように、子供用の小さな歯ブラシを使うのも有効です。気分が悪いときには無理に磨く必要はないので、調子のいい時に、すみずみまで丁寧に磨くようにしましょう。

②フッ素やキシリトール

歯医者さんでフッ素を塗ってもらうと、歯の質が強くなるので虫歯予防の作用が見込めます。また、キシリトールには細菌の増殖を抑える働きがあります。飴やキャンディーなどをちょこちょこ食べてしまうことが増えている方は、キシリトール入りのに変えてみましょう!

生まれてくる赤ちゃんのため、妊婦さんの健康を維持するため一緒に頑張りましょう!