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歯周治療について①

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者 国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。歯周病の検査などについて以前お話ししましたので今日は、歯周病治療についての基本的なところを説明します。

国立 歯医者 歯周病治療

目次
1.歯周病治療の流れ
2.歯周基本治療とは
3.スケーラーの種類

1.歯周病治療の流れ

まずは歯周病検査以降の歯周病治療の流れについてお話しします。臨床歯周病学会の図を以下に掲示します。

国立  歯医者 歯周病治療の流れ 臨床歯周病学会



①歯周基本治療
 大まかな歯石の除去や歯ブラシ指導などを行います。

②歯周病検査(2回目)
 基本治療でどれくらい引き締まって改善したかを検査します。数値の悪いところや、深いところに歯石が付着している場合、さらに治療をすすめます。

③SRP:深いところに残っている歯石取り
 深いところの歯石をブロックごとに分けて除去していきます。(保険のルールで、一回に触れる歯の本数に制限があるため、全体的に進める場合、回数がかかってしまいます。)

④歯周病検査(3回目)
 歯石除去後の検査を再度行います。ここまで歯石除去を進めても深いポケットが残る重度歯周病場合、外科的な処置に移行する可能性があります。歯周外科治療に関してはまた後日記載します。

⑤メンテナンス
 症状が安定したことが確認取れればメンテナンスへ移行します。

今日はまず歯周基本治療について詳しく説明いたします。

2.歯周基本治療とは?

歯周病の進行具合ににかかわらず、まず初めに行われるべき治療』のことを歯周基本治療と言います。原因である歯垢の除去および歯石の除去、歯根面の滑択化、ぐらぐらする歯の咬み合わせの調整などです。

歯垢の除去をプラークコントロール(PC)といい、そのほとんどはご自宅でのセルフチェックとなります。 場合によっては、歯科医院で機械的に除去を行うこともあります。染め出しを行うことで、磨き残しがどれくらい残っているのかを数値(プラークコントロール値:PCR)として把握できます。この数値を基準に、メンテナンスの間隔を決めたりもします。

Sc(スケーリング)は歯の表面や根の表面の歯垢歯石を機械的にで取除く事です。一般的には超音波とお水の振動で除去しますがしみる症状の強い方には手用スケーラーで手作業で除去することも可能です。ルートプレーニングは歯の表面がざらざらしたり、歯石で満たされていたり、毒素や微生物で汚染された表層を除去し滑沢にする方法です。多くの場合スケーリングと同時に行われます。

また、歯周病の進行に伴い歯は動いてきますが、動いている歯で噛むとさらに負担が増すため、その負担を軽くするために歯を削るなどして咬み合わせの調整を行います。それでもぐらぐらして噛みづらい場合は歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、固定をします。

重度歯周病でScやSRPを行うのに歯が揺れてしまい、力をかけにくい場合も固定を行うこともあります。歯周病治療を行っても動揺がおさまらない場合、抜歯の適応や、歯周補綴などで固定を行うこともあります。

3.スケーラーの種類

スケーラーは、(1)手用スケーラーと(2)超音波スケーラーに分類できます。

手用スケーラーは下記の5つに分けられます。 

・鎌型(シックルタイプ)スケーラー
・鋭匙型(キュレットタイプ)スケーラー
・鍬型(ホータイプ)スケーラー
・やすり型(ファイルタイプ)スケーラー
・のみ型(チゼルタイプ)スケーラー

このうち、最もよく使用されるのはキュレットタイプのスケーラーです。歯肉縁下の歯石除去や根面の滑沢化に適しています。キュレットタイプのスケーラーは、両刃のユニバーサルキュレットと、片刃のグレーシーキュレットの2種類がありますが、よく使用されるのはグレーシーキュレットになります。 

グレーシーキュレットは、各部位の歯根の形状に合うよう形状が異なり、周囲組織にはダメージを与えないように設計してあります。そのため、部位ごとに使用するスケーラーの種類が決まっています。どの番号のスケーラーがどの部位に使用するのかは下記の通りです。

●#1~#4 前歯部
●#5-6   前歯部及び小臼歯部
●#7-8     大臼歯部頬舌面
●#9-10   大臼歯部頬舌面及び根分岐部
●#11-12 大臼歯近心部
●#13-14 大臼歯遠心部

グレーシーキュレットは、刃部の先端の歯面に接する方の面片側のみに刃がついています。そのため、挿入時は歯根に沿わせ挿入し、ポケット内にスムーズに挿入することが大切です。これにより歯肉を傷つけることなく操作をすることが可能になります。

また、操作時に刃部が歯肉の方向へ向いていると、歯肉を傷つけてしまいますので、常に歯頸部に添わせながら操作を行うことがポイントです。

第1指(親指)と第2指(人差し指)で把持し、少しづつ回転させながら1〜2mmのストロークで歯頸部に沿って隣接面へ移動をさせるよう操作を行います。歯の表面は湾曲しているので、湾曲に沿わせて操作をしていくイメージです。

超音波スケーラーは、お水と超音波の震動で歯の表面の歯石を取っていきます。大まかな歯石などはこの超音波スケーラーでまず取っていきます。

歯石の付着を短針と呼ばれる先の細い針のような器具で感知しながら歯石除去していきます。歯茎より深いところの歯石は見えない位置に存在するため、部分的にレントゲン写真などを撮影し歯石の取り残しを確認します。また、深いところを触ると痛みを感じやすいため、麻酔をしながら行うこともあります。痛みを感じやすい方は教えてください。

歯石除去を行うと、一時的に冷たいものがしみやすかったり歯ブラシの際に出血しやすくなりますが、歯茎が引き締まることでそのような症状は落ち着きます。

歯茎が引き締まることで、さらに深い位置に付着した歯石などが見えてきますので順に取っていきます。

歯周基本治療はそのほかに、ブラッシング指導も行います。昨日詳しく書きましたので、合わせてご確認ください。

歯周病治療で最も重要なのは、ご自身でのブラッシングなどのケアになりますが、まずは今ついている歯の表面の汚れ付着物を綺麗に落とさないといけません。歯石やバイオフィルムは普段の歯ブラシだけでは取りきれないため、歯科医院での治療が必要になります。歯石の付着量•歯周病の進行具合により治療回数も変化します。一度の治療のみでは改善の経過がわからないため、メンテナンスに移行するためにはどんなに綺麗な方でも少なくても2回以上は回数がかかってしまいます。ご理解ご協力をよろしくお願いいたします。

また、肉眼的に直視できないところの歯石除去や、重度歯周病の場合、外科処置を行うこともあります。当院も歯周外科治療に対応しています。国内で歯周外科治療まで行っている歯科医院はかなり少ないです。さらに、当院は歯周病専門医を在籍します。

今までの歯周病治療でなかなか改善しない方や、大学病院などを紹介された方、少しでも不安がある方はご相談ください。