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子供の歯のお話し
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は子供の歯•萌出などについてお話しします。
歯が生えることを萌出と言います。ヒトの歯は、乳歯→永久歯に生え変わるに「二生歯性」と言います。
【目次】
1.歯はどのようにはえてくるのか?
2.おしゃぶりと歯並びについて
3.乳歯の虫歯を放っておくと
4.虫歯になりやすい時は?
5.幼児のおやつについて
1.歯はどのように生えてくるのか?
(1)生後6〜7ヶ月頃から歯が生えてきます。下の前歯から生えてくるのが一般的です。歯が生えてくる時期は個人差が大きいので、何ヶ月か早くても遅くてもあまり気にしないようにしましょう。
(2)一歳半頃
乳歯の奥歯が生えてきます。この頃から、食べ物を噛み砕いてつぶすことができるようになります。
☆1日一回の歯磨きの習慣をつけましょう!
乳歯がなかなか生えてこない原因として、乳歯が生えるのが遅くなるような(萌出遅延)全身疾患に罹患している、歯の数がもともと少ない(先天欠如)などが考えられます。歯の萌出遅延を伴う全身疾患としては、くる病、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、ダウン症、鎖骨頭蓋異骨症などが知られています。多数歯の先天欠如を伴う遺伝疾患には、汗腺や髪の毛の形成などに異常が観察される外胚葉異形成症、出生後皮膚に特異な色素沈着が起こる色素失調症が報告されています。その他に、下あごの左右中切歯が隣の歯とくっついている歯(癒合歯)をもつ子どもでは、最初の下あごの歯が生えてくる時期がかなり遅くなることがあります。
(3)2歳頃
乳歯の犬歯が生えてきます。この頃から、野菜やお肉などを前歯で噛み切る能力が高まります。
☆仕上げ磨きを嫌がる場合、ポイントを絞って短時間で磨きましょう。
(4)3歳頃
乳歯の最後の奥歯が生えてきて、だいたい3歳頃までに20本の乳歯が全て生え揃います。
☆歯磨きの大切さを教え、お子さんが進んで歯磨きができるようにしましょう。
(5)6歳頃
乳歯から永久歯への生え変わりが始まります。顎や身体の成長に合わせて。6〜12歳頃の間に永久歯に生え変わります。
☆生えてきたばかりの奥歯は、歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいのでとくに丁寧に歯磨きをするようにしましょう。
2.おしゃぶりと歯並びについて
日本では、おしゃぶりの使用は欧米よりずっと少ないと言われていたのですが、最近ではカラフルなおしゃぶりを使っている乳幼児を見かける機会が多くなりました。おしゃぶりはイギリスでは主にdummy、アメリカではpacifierと呼ばれます。母乳による授乳が十分でなく哺乳瓶を使用している場合、お母様の乳首の代用品:ダミー(dummy)であり、乳幼児の気持ちをなだめる(pacify)効果があると考えられています。
しかし、おしゃぶりを長期間使えば使うほど、多くの幼児で歯列の形態に何らかの影響が認められます。特に上あごの切歯が少し前に出たり、開咬といい、かみ合った時に上下の切歯の間に隙間ができたりします。ただし、この隙間を埋めるように舌を突き出す癖(舌突出癖)が生じない限り、開咬は自然に治ることが多いようです。一方、おしゃぶりの副次効果として、無意識に口をあけていることが少なくなり、鼻呼吸が促されることを挙げる育児関係者もいます。
おしゃぶりの意見はさまざまありますが、本来の目的を考えれば、離乳が終了する1歳半過ぎにはおしゃぶりに頼らない育児が好ましいとされています。
3.乳歯の虫歯を放っておくと
ヒトの歯は、乳歯→永久歯に一度だけ生え変わります。乳歯はどうせ生え変わるからといって大切にしなくてもよいということではございません。永久歯に生え変わるまでの重要な役割があります。アゴの発達や顔の輪郭、身体の発育、永久歯の歯並びなど影響は様々です。
乳歯の虫歯を放っておくと、永久歯の歯並びを悪くし、噛み合わせが悪くなる原因にもなります。また、永久歯が虫歯になりやすくなったり様々な弊害が出てきますので、早めに歯科医院を受診しましょう!
<虫歯にならないためのアドバイス>
砂糖は虫歯になりやすい甘味料ですが、脳が働くための栄養になるため必要な栄養でもあります。すべて虫歯になりにくい甘味料に代えるわけにはいきませんが、口の中に長く入っている飴などを選ぶ時にはなるべく砂糖の入っていないものを選ぶようにしましょう。
虫歯にならない甘味料
•還元水飴
•マルチトール
•ソルビトール
•キシリトール
•パラチノース
•エリスリトール
•ステビア
•アスパラテーム
•サッカリン
虫歯になる甘味料
•砂糖
•果糖
•ブドウ糖
•水飴
•麦芽糖
おやつ選びの目安
糖類0.5%以下:『無』、『ゼロ』、『ノンシュガー』は虫歯になりにくい
糖類5%以下:『低』、『ひかえめ』、『低減』、『カット』は注意しましょう!
4.虫歯になりやすい時期は?
年齢による口腔内、生活環境の変化によって虫歯のリスクは変動します。各ライフステージにおけるリスクを知り、虫歯の予防を心がけましょう。
(1)乳児期:乳歯が生え始める
•離乳食が始まる
•未成熟なエナメル質(乳歯)
•唾液腺の未発達
(2)幼児期:乳歯が生えそろう
•親の唾液から虫歯菌が感染しやすい
•親と同じものを食べ始める
※お子さんの虫歯予防には、歯の溝を塞ぐシーラントや、フッ素塗布が効果的です!
(3)学童期:永久歯が生え始める
•未成熟なエナメル質(永久歯)
•乳歯と永久歯が混在した凸凹の歯並び
•自分で歯磨きをするようになる
•親の仕上げ磨きがなくなる時期
(4)思春期:永久歯が生えそろう
•お小遣いで買い食いができる
•部活でスポーツドリンクを頻繁に飲む
•成長ホルモン変化で歯肉炎が増える
※生活習慣や食習慣の変化で虫歯になる確率が高くなります!
(5)成人期、妊娠期:歯質が成熟する
•働き盛りで歯医者に通う時間が取りにくい
•歯肉炎の原因となるタバコやお酒を始める
•治療した歯が再び虫歯になりやすい
•唾液pHが低下する(妊娠期)
•内分泌系機能の低下(妊娠期)
(6)高齢期:歯質の衰えが見られる
•歯肉が痩せて歯の根が見える
•生活習慣病が増える
•唾液分泌量の低下
•咀嚼機能の低下
※これまでの生活習慣や歯のケア不足が原因で、歯の喪失率が高くなります!
5.幼児のおやつについて
幼児は一度にたくさん食べられないので、間食でカロリー、栄養を補います。間食はなるべく1回にし、1日4食、寝る前の飲食はやめましょう。手作りの母親を身近に感じる食べ物が心の発育にもいいです。
3歳までの食事で、味の好みが決まります。甘味嗜好にならないよう甘味に強いものを少なくしましょう。代用甘味料に使用は、その時は虫歯予防になりますが、甘味嗜好の子は自分で買い食いをするようになると虫歯が多発しますので気をつけましょう!
<アドバイス>
①ケーキなどは日曜など、曜日を決めて出す
②冷蔵庫にジュースやスポーツドリンクを入れない。お茶や麦茶にする。
<虫歯予防に良いもの>
•せんべい
•無糖乳製品
•クラッカー
•野菜ジュース
•お茶類
•果物
•野菜スティック
•焼き芋
<虫歯になりやすいもの>
•砂糖を多く含むもの
•甘いパン
•果汁入のジュース
•スポーツドリンク
•清涼飲料
お子様の虫歯予防には、保護者の虫歯予防の知識が必須になります。その子のお口の状態に合わせた歯ブラシ指導や虫歯予防についてもアドバイスできますので、ご気軽にスタッフまでご相談ください。