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コンポジットレジン修復について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。月曜日の今日は、虫歯に関するお話をさせていただきます。その中でも、CR:コンポジットレジン修復について詳しくお話しします。

【目次】
1.コンポジットレジンについて
2.CR充填を成功させるにために
3.実際の治療風景

1.コンポジットレジンについて


ボンディング技術の急発展により、合着から接着へと材料の変化もありました。

インレーなどの修復物に維持形態を積極的に付与する歯牙の切削はあまり見られなくなりました。

MI:Minimal Interventionの概念
•口腔内細菌叢の改善
•患者教育
•エナメル質および象牙質の非う窩性病変の再石灰化
•う窩性病変への最小の外科的介入
•不良修復物の管理

接着技術の向上により、コンポジットレジン修復の適応は広がりました。
例を挙げると、

  • 前歯のう蝕処置
  • 変色歯の修復
  • 矯正後の前歯形態修正
  • 正中離開の是正
  • 外傷歯の治療
  • 歯冠形成不全歯の修復
  • 前装冠の修理
  • 補綴治療の回避
  • 臼歯う蝕の修復
  • 移植歯の歯冠修復

    などです。

2.CR充填を成功させるためには

コンポジットレジン修復における以下の各ステップを理解し行うことが成功につながります。
1)色調(シェード)の選択
2)ボンディング操作
3)コンポジットレジンの組成について
4)充填法(窩洞形成、器具操作、形態付与、研磨など)

1)色調選択

コンポジットレジン充填だけでなく、シェード選択は審美修復治療の根幹をなすもので正確な歯の色の理解が重要である。歯の色を理解するためには、①光源 ②対象物(歯) ③観察者のそれぞれについて理解が必要です。

①光源
色を評価するには十分な明るさ、色温度55000~60000Kが必要であり、周りの環境(口紅や衣服、室内の)も無彩色である必要があります。
必要であれば、専用の蛍光灯や、シェードライトなどのもとで測定することが望ましい。十分な光量を得るためには、カメラによる口腔内写真が有効であり、対象物とシェードガイドを一緒に写し記録することが重要です。

②対象物(歯)
白色光が対象物に当たり、全部吸収した場合は黒く見え、全部反射した場合は白く見える。色を構成するものには色の3属性明度(Value)、彩度(Chroma)、色相(Hue)の三つがあります。

国立 歯医者 シェード



③観察者
ヒトの網膜上の視細胞には明度を感知する桿細胞(Rod cell)が多く分布しているが、RGBの色相を知覚する錐体細胞(Cone cell)はそんなに多くは存在していないです。

<シェード選択>
天然歯は、エナメル質と象牙質の構成割合が部位によって異なるため単にA2だけで表されるものではなく、少なくとも3部位に分けて観察するのが望ましいです。

切端1/3:透明感を主に観察
中央1/3:その歯の明度を代表
歯頸部1/3:彩度を主に観察


さらに時間の経過に伴い、歯面乾燥が起こるため明度が徐々に高くなってしまいます。(Dehydration)
元の状態に回復するには十数時間以上必要とされているためシェード選択はなるべく短期間で行うべきで、一眼レフなどでの撮影が必要です。

<シェード撮影時の注意点>
1.周囲の色環境を整える
2.なるべく短時間で行う
3.事前に歯面清掃を行う
4.デジタルカメラを最大限活用する
5.候補のシェードレジンを歯面に置き、光重合後、水で濡らして観察する。

2)ボンディング操作

接着手技を成功させるためには、まず術野の乾燥が必須です。ラバーダムやもしくはそれに準じた器具(例、ZOO)の使用が必要です。

接着システムも時代の経過とともに変遷がありますが、現時点ではオールインワン形式よりも2ステップん形式の方が高い接着強さがあります。

接着操作はエナメル質、象牙質に対してそれぞれ違いがあります。エナメル質においてはエナメルエッチングを行いボンディングを行う方法が推奨されています。象牙質に関しては、樹脂含浸層の形成が重要です。


3)コンポジットレジンについて

コンポジットレジンは、重合性モノマー(有機物)と複数のフィラー(無機物)からなります。研磨性、強度、耐摩耗性、X線造影性などフィラーの性質がコンポジットレジンの特性を決定します。

<レイヤリングコンセプト>
象牙質はオペークであり歯の基本的な彩度•色調に影響し、エナメル質は半透明で象牙質の上に磨りガラスをかけたような状態です。この二つが相まって明度を決定しています。

一般的に、光の透過率は以下のように設定されています。
エナメル:13~15%
デンティン:7~8%
トランス:30~50%

スペースによっては、単層での築盛であったり、4級窩洞でも頬舌径が限られる場合では2層築盛までしかできないことがあります。

4)充填法

<シリコンインデックス>
範囲が広い場合、フリーハンドで多層築盛していくことは、形態設定のミスがあった際レイヤリングの配置が狂うため、事前にワックスアップを行いシリコンインデックスを用いて歯の外形をあらかじめ決定した上でレジンを置いていくことが望ましい。

<ベベルの付与>
可能であれば、窩洞周囲に1mm幅のベベルを付与します。唇側ではエナメル質とレジンとの色調がうまくブレンドするよう、スキャロップorイレギュラーなベベルを付与します。

<隣在歯の汚染防止>
隣在歯にエッチングやボンディングなどが付着しないようテフロンテープで覆い、保護します。ボンディング操作後にテープを除去します。その後、マトリックスを介さないで築盛形成を行います。



3.症例

前歯部 コンポジットレジン修復

国立 歯医者 ラバーダム CR

ラバーダムを装着します。
接着修復では防湿作業がとても重要です。

国立 歯医者 ラバーダム CR

古い劣化したCRを除去します。
検知液で取り残しがないか確認します。

国立 歯医者 ラバーダム CR

充填、研磨後です。
噛み合わせを確認し調整します。

治療時間:30分
治療回数:1回
費用:保険適応

このように、コンポジットレジン修復は、前歯部のカリエスなどで日常的によく使われます。古くなり劣化し色が変わったCRも一度で綺麗に修復が可能です。
※範囲や色調など症例により治療時間は変化しますのでご了承ください。

②臼歯部 コンポジットレジン修復

国立 歯医者 ラバーダム CR

前歯同様ラバーダムをします。
臼歯部コンタクト(歯と歯の間)のため、
V3リングを用いて修復していきます。

国立 歯医者 ラバーダム CR

コンタクトの形をつくります。

国立 歯医者 ラバーダム CR

噛み合わせ、形態修正を行います。

治療時間:30分
治療回数:1回
費用:保険適応

今回は臼歯部コンタクトを含むカリエスですが、BT(噛み合わせ)が強くない患者さんだったのでコンポジットレジンで修復しました。

噛み合わせや修復範囲、ラバーダムの装着が可能かどうかなど、適応症例には限りがありますが、前歯から臼歯まで幅広くコンポジット修復が可能になります。インレー修復と比較すると、接着での修復になるため歯の切削量が少なくて済みます。また、即日修復(その日で治療が完結)なのも魅力的です。

ホワイトニングや、クリーニング、着色をとることで古いコンポジットレジンが目立つ方も多くいます。少しでも気になる方は当院スタッフまでご気軽にご相談ください。