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歯周組織について①

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。火曜日の今日は、歯周病に関するお話をさせていただきます。まずは歯周組織についてその中でも歯肉について詳しくお話しします。

【目次】
1.歯周組織の構造
2.色素沈着
3.Bio typeについて
4.Probing depthについて

国立 歯医者 歯周組織

1.歯周組織について

歯周組織は4つの異なる軟•硬組織からなります。歯肉セメント質歯槽骨、およびセメント質を骨に付着させる歯根膜の4つです。これらは、構造、機能、位置によりさらに区分されます。


①歯肉
歯肉は部位的に遊離歯肉、歯間乳頭、付着歯肉に3つに大別することができます。健康な歯肉に形態は、下部組織とともに、歯と歯周組織、口腔の生物学的関係を保ち、調和の取れた形態を示します。遊離歯肉の辺縁は、セメント•エナメル境と並行に位置しています。唇側の歯間乳頭はコンタクトポイントに達しています。

国立 歯医者 歯肉

遊離歯肉は歯肉の抹消組織で、歯牙周囲をカフ状に取り囲み、歯肉溝を形成します。遊離歯肉の頂上部を歯肉縁と呼び、付着歯肉と界する歯肉表面に遊離歯肉溝があり、付着歯肉と隣接しています。

この遊離歯肉の歯面に接する上皮は上皮脚がなく、非角化性で上皮付着へと移行しており、これ内縁上皮と呼び、歯肉縁を越えた外表面の上皮を外縁上皮と呼びます。

付着歯肉は遊離歯肉溝から歯肉歯槽粘膜境(mucogingival junction:MGJ)までの歯肉で歯槽骨膜と堅固に付着し、角化傾向が強く、不動性でその幅に個人差があり、同一口腔内でも部位によって異なります。

口腔粘膜は、上皮下には粘膜固有層、粘膜下組織が存在するが、歯肉には脂肪組織や腺組織を含む粘膜下組織が存在しません。

付着歯肉にはStipplingスティップリングと呼ばれる、オレンジの果皮に似た小窩が見られます。臼歯には存在しておらず、年齢や性別によっても出現頻度が異なります。このStippligは健康度を示す指針と言われています。しかし、慢性歯周病でも、厚い歯肉では認められることがあります。


<色素沈着>
メラノサイトは基底細胞層に存在しており、紫外線などの刺激で活性化し、DNAを紫外線から守るためにメラニン色素を作り出し、そしてメラニン色素はケラチノサイトの核を守るように配列されます。色素沈着の強い方でもメラノサイトの占める割合は数%に過ぎず、メラノサイトの活性化が上がると多量のメラニン色素が生産され周りの細胞に配列されます。

国立 歯医者 ガムピーリング

ガムピーリング

このように歯茎の黒ずみの悩まれてる方もいらっしゃるかと思います。歯茎の黒ずみで悩まれている方には、ガムピーリングをお勧めしています。「何だか歯茎が黒いん…」「ホワイトニングしたから、歯茎の色も綺麗にしたい!」「セラミックを入れから歯茎も綺麗にしたい!」もし悩まれている方はぜひ一度スタッフまでご相談ください。先ほどの紫外線などの刺激のほかに、喫煙も原因として考えられます。

ガムピーリングとは?
歯茎についた色素、着色をお薬を使って取り除く方法があります。フェノールという薬剤を歯茎に塗ることで、歯茎の表面が一層はがして綺麗にする治療法です。美容外科などでも顔のピーリングなどが行われていると思います。

施術後は歯茎が白くなり、ピリピリとした痛みがありますが違和感があるくらいで、痛くてご飯も食べれないという感じではありません。

国立 歯医者 ガムピーリング

2~3日ほどで白くなっていた歯茎も一皮むけてピンク色の歯茎が現れます。

国立 歯医者 ガムピーリング

一度できれいになる方もいらっしゃいますが、色素沈着が深い場合、複数回行うこともあります。

生活の中で色素沈着が起こってきますので、定期的にピーリングを行うこともあります。

ガムピーリングは次のような方にお勧めです!

・歯茎が黒ずんでいるのが気になる方

・タバコを吸う方

・タバコをやめた方

・笑顔に自信を持ちたい方

・接客業の方

金属に色移りによる歯茎の黒ずみ(メタルタトゥー)や、妊娠中の方、フェノールやアルコールにアレルギーのある方はできません。

Bio typeについて

バイオタイプは歯牙の形態によっても左右されます。

Thin scallop(薄い歯肉):歯根の形態が歯肉を介して見えるタイプ
Thick scallop(厚い歯肉):角化歯肉の幅もあるタイプ

Bio typeは大きく上記の二つのタイプに分けられます。Thin scallopeは歯肉退縮が起こりやすく、歯間乳頭が退縮すると鼓形空隙が大きくなる傾向にあります。歯肉の分類として有名なMaynardの分類があります。

国立 歯医者 Maynardの分類

Type1:歯槽骨が厚く、付着歯肉も十分にある (リスク低)
Type2:歯槽骨は厚いが、付着歯肉は少ない (リスク中)
Type3:歯槽骨は薄いが、付着歯肉は十分にある (リスク中)
Type4:歯槽骨が薄く、付着歯肉も少ない (リスク高)

Probing depthについて

臨床的な歯肉溝はプローブの挿入で細胞を破り組織学的な歯肉溝より深くなる傾向にあります。プローブの厚さや圧力、エナメル質に接合する上皮の抵抗性や隣接する結合組織の炎症性細胞浸潤の度合いによって決定されることから、臨床的歯肉溝組織学的歯肉溝で区別する必要があります。

<付着歯肉の幅>
組織学的:付着歯肉の幅=角化歯肉の幅-歯肉溝の深さ
臨 床 的:付着歯肉の幅≒角化歯肉の幅-プロービング値

付着歯肉の幅は個人により著しく異なります。

<歯間乳頭>
歯の隣接面を接触点まで満たす歯肉のことで、本来両隣在歯の接合上皮と連続しています。加齢的に退縮し、一般的に老齢者では純んあ形態になります。前歯部ではピラミッド型を呈し、臼歯部ではテント状で、Interdental colを形成し接触部に一致しています。歯の形態、歯冠の幅、歯の位置により歯間接触面の頬舌的•上下的広がりが決まり、コルの幅と深さも決まります。

<Colコル>
コンタクトポイント直下の部分の歯肉で、上皮が角化しておらずプラクコントロールが難しいため炎症の初発部位になることが多くクレーター状の骨欠損が出来やすいです。

<硬口蓋粘膜>
硬口蓋粘膜は角化し、不動性で、その粘膜の正中部は薄く、歯槽部ふぇは厚く、組織学的に歯肉と類似している咀嚼粘膜です。しかし、歯肉との細大な違いは、腺および脂肪組織が存在することです。

<歯槽粘膜>
歯槽粘膜境から唇頬粘膜に移行する部位で、付着歯肉とは機能、構造が異なります。この粘膜は可動性で上皮は薄く、弾性に富んでいます。

<歯肉溝>
歯肉溝は、萌出によって退化エナメル上皮が剥離してできる歯と外縁上皮との間隙です。歯の萌出につれて歯頚側へ移動します。歯肉溝の深さは1mm以内が生理的な深さです。

国立 歯医者 生理学的幅径

今日は、歯周組織について、その中でも歯肉について細かくお話ししました。他の歯周組織についてはまた後日お話しします。次回は歯根膜とセメント室について来週の火曜日にまたアップさせていただきます。