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自費診療について①

 こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。木曜日の今日は、自費診療に関するお話をさせていただきます。

【目次】
1.自費診療とは?
2.自費診療の種類とは?
 ∟(1)虫歯
 ∟(2)補綴修復治療
 ∟(3)歯周病治療
 ∟(4)その他

1.自費診療とは?

 自費診療とは、医療機関での診療や治療において、公的医療保険や社会保険などの保険が適用されない、つまり自分で費用を負担することによって受ける診療や治療のことを指します。保険治療は、国民全員で負担するものになりますので、必要最低限の治療しか適応にならず、『最善最良の治療』はどうしても保険外になってしまいます。

2.自費診療の種類

 歯科治療における自費治療は、虫歯の治療や歯周病治療、被せ物や詰め物、矯正治療と全ての治療で自費治療が可能ですが、代表的なのはセラミックなどの審美治療やホワイトニング、矯正治療などがあります。使う材質だけでなく、セメントや、器具•器材も保険のものとは異なります。さらに、一度の治療時間もその治療に合わせて十分確保しますので、治療期間や回数を短くすることも可能です。

(1)虫歯治療 (2)補綴修復治療 (3)歯周病治療 (4)その他  に分けて説明していきます。

(1)虫歯治療分野

 虫歯治療に際の自費治療に関しては、削った後の神経を保護する薬剤や、型取りの材料、セットする際のセメントまで保険のものと種類が違います。その時の状況に合わせて最善の材料を選択して使います。また、材料の劣化に関してもかなり差があります。例えば、保険の場合虫歯が神経まで到達してしまうと抜髄といい、神経を抜く治療が必要になります。しかし、自費治療の場合、感染した歯髄のみを取り除く断髄という治療が可能な場合があります。また、本来だと抜歯適応になる骨縁下カリエス(骨の高さよりさらに深く進行してしまった虫歯)や、パーフォレーションと言い、歯質に穴が空いてしまった場合なども自費治療では保存可能な場合があります。保存可能かは実際に口腔内を精査してからの診断が必要です。歯を残すためには保険治療のみでは制限があります。セラミックなどの見た目だけに注目されがちですが、自分の歯を少しでも長く保存するためにも自費治療は有効です。他院で抜歯と言われたけど抜きたくない方でも一度ご相談ください。

(2)補綴修復分野

補綴(被せ物)•修復(詰め物)治療の材料にも自費治療があります。セラミックという言葉は聞いたことがある方も多いかと思います。今日はその種類について説明していきます。

①前歯の被せ物に使える材料
(保険治療の場合)
•硬質レジン前装冠
•CAD/CAM冠

(自費治療の場合)
•メタルボンド
•オールセラミックス
•ジルコニア
•ジルコニアセラミックス

②臼歯部の詰め物に使える材料
(保険治療の場合)
•メタル(銀)
•CAD/CAMインレー

(自費治療の場合)
•ゴールド
•ハイブリッドセラミックス
•オールセラミックス
•ジルコニア

③臼歯部の被せ物に使える材料
(保険治療の場合)
•メタル
•CAD/CAM冠

(自費治療の場合)
•ゴールド
•ジルコニア
•オールセラミックス
•ジルコニアセラミックス

※保険治療の場合、残っている歯の本数などにより適応の条件があります。

<メタルボンド>
 金属の裏打ち(裏側)にセラミック(陶材)を焼き付けたものです。セラミッククラウンとしての歴史は古く、今現在でも積極的に利用されています。ポーセレンヒューズドメタルクラウン(PFM)などとも呼ばれます。

長所
•色調が歯に似ているため審美性に優れる。
•内面の金属フレームの形次第でいろんな症例に対応できる。
•強度があるため噛む力が強い方でも可能。(メタルオクルーザルなど、噛む場所だけピンポイントでメタルにすることも可能)

短所
•歯の裏側からは金属が見えることがある。
•透明感がないためオールセラミックよりは審美性が劣る。

後述しますジルコニアの発展により出番は減ってきていますが、メタルボンドは歴史もあり優れた被せ物になります。


<オールセラミックスクラウン>
金属を使わずに、すべてセラミックで作った被せ物になります。仕上がりは最も天然歯に近くとても綺麗です。当院ではe-maxを使用しています。

長所
•透明感があり色調が歯に似ているため審美性に優れる。
•金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。

短所
•透明感が強いため、下の自分の歯の色を拾ってしまう(透けてしまう)ことがある。
•ブリッジなど本数が多いと対応できないことがある。

<ジルコニア>
歯科で使用されるジルコニア(ZrO2)はダイアモンド類似石として用いられるジルコン人造ダイアモンドと同じ元素で強さと美しさを持つ素材です。欧米では白い金属とも言われ、医療を初め、家庭用セラミック工業用素材などさまざまな分野に幅広く使われています。人工ダイヤモンドとも呼ばれています。

長所
•色調が歯に似ているため審美性に優れる。
•強度があるためブリッジなどの本数が多いケースにも対応可能。
•メタルコアなどの内部の色を隠すことができる。

短所
•e-maxに比べると透明感、審美性が劣る。

<ジルコセラミックスクラウン>
ジルコニアフレームの上にセラミックスを貼り付けたクラウンです。二つのメリットを併せ持つ被せ物になります。

長所
•ブリッジなどの本数が多い症例にも対応可能。
•メタルコアなどの色を隠しつつ、透明感のある表面性状を作ることが可能。

<ゴールド>
ゴールドはセラミックやジルコニアのように自然な色ではありませんが、保険診療のメタルインレーとは違い錆びにくく、金属の溶け出しもほとんどありません。強度が高いので、噛む力の強い方や、歯ぎしりの癖のある方、また、力のかかりやすい奥歯にも使用でき、ピッタリと合うので、治療後も虫歯になりにくいというメリットがあります。また、多少柔らかさのある金属なので、噛む力によって押し伸ばされるので適合が一番悪くなりにくいです。長年にわたって使用されてきた実績を持つので、とても信頼できる素材です。金属のため見た目は劣りますが、長持ちしやすさだと一番優れます。また、金属の熱伝導性が高いため、最初冷たいものがしみる感覚がありますが少しずつ落ち着いてきます。

最近、ゴールドの価値が上がっていますので、値段の変動があることがあります。ご了承ください。
各材料については、治療の際も説明しますので、ご安心ください。

(3)歯周病分野

保険範囲での歯周病治療には制限が多くあります。回数や、時間、一度に触れる歯の本数など、保険適応にするためには細かい条件があります。これが、歯周病治療に回数がかかってしまう理由です。しかし、自費治療の場合そのような制限はないため一回の治療時間を長く取り、回数を減らすことも可能です。

また、再生療法といい、減ってしまった歯槽骨を回復させる治療は自費治療で長年行われていました。エムドゲインという薬剤を用いて吸収してしまった部位の歯周組織再生療法を行います。最近ではリグロスという薬剤が保険適応になりました。再生療法につきましては後日また詳しくお話しします。

(4)その他の分野

その他の分野の自費治療では、歯列矯正が有名です。歯並びを直し少しでも長持ちさせやすい環境を作ることはとても重要です。矯正治療にはいくつか方法があり、また治療期間も2〜3年と長くかかります。興味のあるかたは矯正専門医による初回無料相談もあります。さらに、予防のPMTCやホワイトニング、ボツリヌス製剤による噛み合わせの治療なども自費治療になります。

このように、保険治療と自費治療の違いは材料的な違いだけでなく、回数や時間なども大きく変わってきます。

日本の保険治療だと「虫歯」や「歯周病」など病名がつけられないと保険適応にならないため予防に関することは適応になりません。しかし歯科治療では、「虫歯にさせない」「歯周病にさせない」「再発させない」ための予防が最も重要です。そのためには自費治療の選択も大切になります。

自分の歯をすこしでも長く残し健康的な口腔内の環境の維持するためにも、当院は全力で協力いたします。何かすこしでも気になることがありましたら当院スタッフまでお申し付けください。