国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

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感染対策について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日の暑さから一転、今日は冷たい雨ですがみなさん体調くずしてないでしょうか?急な天候や気温の変化で免疫力が低下しないよう体調管理にお気をつけください。今日は、歯科医院での感染対策、滅菌消毒についてお話ししていきます。


【目次】
1.スタンダードプリコーション(標準予防策)
2.滅菌と消毒の違い
3.感染経路


1.スタンダードプリコーション(標準予防策)

汗を除くすべての血液・体液、分泌物、排泄物、創傷のある皮膚・粘膜は伝播しうる感染性微生物を含んでいる可能性があるという原則に基づいて行われる標準的な予防策です。感染が疑われる、または確定しているかどうかに関わらず、医療が提供される場においてすべての患者さんに対して行われるものです。標準予防策の主な内容は、手指衛生(手洗い、手指消毒)、個人防護具(手袋、マスク、ガウンなど)の使用、呼吸器衛生(咳エチケット)ですが、その他にも、周辺環境の整備やリネン類の取り扱い、患者さんに使用した機材・器具・機器の取り扱い、安全な注射手技などが含まれます。

感染の元となる口腔領域を扱う歯科医院では、もともとこの概念のもと感染対策を実施していたため、コロナ禍でもクラスターや院内感染が増えることはほとんどありませんでした。感染症の分類が変更になり、マスクのチ着用も個人の見解になりましたが、当院では感染対策の一環としてなるべくマスクの着用を心がけています。ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。


2.滅菌と消毒の違い

滅菌消毒の大原則>
①患者さんと患部から細菌をうつさない
②術後、患者さんから感染を受けない
③病気を他の患者さんにうつさない

滅菌
滅菌とはすべての微生物を対象としてそれらをすべてを殺滅もしくは除去する方法。

<滅菌の種類>
①高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)
→121℃20分間2気圧 もしくは 132℃15分間2.4気圧。器具や医療用ワッテ、ガーゼ、金属器具、ガラス製品、ゴム、プラスチックの一部に適応。

②エチレンオキサイドガス滅菌(EOG)
→40~60℃、2~8時間、湿度25~60%。器具に熱が加わらないので、非耐熱性のプラスチックやゴム製品にも滅菌可能。

③乾熱滅菌
→160℃〜170℃1時間 もしくは180℃~200℃30分間。ガラス器具などの滅菌に用います。

④化学滅菌
→1355℃20分間2気圧。金属の劣化を生じないため鋭利な器具•金属製品を滅菌可能。

医療機関の滅菌器はほとんどがオートクレーブです!

消毒
対象微生物の数を減らすため用いられる処置法で、感染症を惹起しないレベルにまで病原微生物を殺滅または減少させる方法。消毒薬には一定の殺菌スペクトルがあり一つの消毒法ではこれに抵抗する微生物が必ず存在します。

消毒の基本
生体毒素や環境への残留毒性などを考慮すると最も良い消毒方法は熱を利用した方法です。熱が使用できない場合に限り消毒薬を使用した消毒を行います。
→熱が利用できない場合とは、生体に対しての消毒、環境の消毒、非耐熱性の医療器具に消毒などです。

一般的に、40℃以上~60℃未満を温水といい、60℃以上~100℃未満を熱水と表現します。100℃には沸騰水もしくは流通蒸気が相当します。
(1)流通蒸気法:100℃の蒸気の中に30~60分
(2)煮沸法:沸騰水の中で15分間以上煮沸
(3)間歇法:80~100℃の熱水または水蒸気中で1日1回30~60分間ずつ、3~6回加熱を繰り返す方法。加熱していないときは20℃以上で微生物の発育至適温度に維持します。
(4)熱水消毒:80℃10分間の処理で芽胞以外の一般細菌を感染可能な水準以下に死滅もしくは不活性化します。

<消毒薬を選択する上で留意すべき条件>
•消毒対象物の清潔要求度
•生体消毒薬と環境消毒薬の区別
•pH、作用時間、温度、濃度の基本的条件
•作用の持続性、吸着性、浸透性
•有機物存在下での効果
•生体に対する影響
•消毒対象物へに影響
•臭気および色素沈着性
•使用方法の簡便性
•廃棄処理方法の容易性
•廃棄に伴う環境への影響
•耐性菌の出現頻度
•消毒薬の相互作用

<消毒法の分類>
高水準消毒:芽胞が多数存在する場合を除きすべての微生物を死滅させるレベル
中水準消毒:多くの結核菌を含む栄養型細菌、すべての真菌および多くのウイルスを殺滅させうるレベル
低水準消毒:多くの結核菌を除いた栄養型細菌、ある種のウイルスを殺滅させるレベル

高水準の消毒は滅菌と同じくらいのレベルです。そのレベルの消毒薬は液自体や蒸気が人体に有害のため密閉できる容器に保存するなど取り扱いに注意が必要です。


3.感染経路

一般的な感染予防策だけでは感染を予防することができない病原体による感染を防止するために、スタンダードプリコーションに加えて感染経路別の予防策を行います。接触予防策、飛沫予防策、空気予防策の3つが主であり、それぞれ個人用防護具の使用、個室隔離、患者さんの行動や移送の制限などが規定されています。病原体によっては直ちに同定しがたいこともありますので、症状により疑いのある病原体への予防策の予防的な運用が行われることがあります。

⒈接触感染(経口感染を含む)
手指、食品、器具を介して伝播する頻度の高い感染経路
ex)ノロウイルス、腸管出血性大腸菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌など

⒉飛沫感染(飛沫粒子:5μm以上)
咳、くしゃみ、会話などで感染。1m以内に床に落下し浮遊し続けることはない。
ex)インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、風疹ウイルス、レジオネラ属菌など

⒊空気感染(飛沫粒子:5μm以下)
咳、くしゃみ、会話などで感染。空中に浮遊し、空気の流れにより飛散する
ex)結核菌、麻疹ウイルス、水痘ウイルスなど

⒋血液媒介感染
病原体に汚染された血液や体液、分泌物が針刺し事故等により体内に入ることにより感染
ex)B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)など


当院ではすべての器具を患者さんごとに滅菌交換、使い捨てにしており、チェアや空間も除菌しています。また、ヨーロッパ規格EN13060のクラスB基準の滅菌器を完備しています。クラスB、クラスS、及びクラスNという3種類の滅菌サイクルのクラスがありますが、唯一クラスBサイクルだけが全ての形状の被滅菌物(固形、中空物、多孔体、一重包装、二重包装)を滅菌できるとされています。どうぞ安心して通院してください。