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外傷について①

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は外傷についてお話しします。

 頭を打っている場合(めまいや吐き気、意識の混濁や消失など)や骨折などの重傷がある場合は、総合病院・救急病院を受診してください。そのような症状がなく、歯科医院に来院される場合は、受傷してからなるべく早く来院されることをお勧めします。


【目次】
1.歯が欠けた場合
2.歯がグラグラする
3.歯の位置がずれた・埋まった
4.歯が抜け落ちた・なくなった
5.歯肉が変色した・歯肉が腫れた


1.歯が欠けた場合

転倒や衝突などの強い衝撃を受けると、歯が欠けてしまいます。欠け方が部分的で軽度な場合は、痛みなどの症状は出にくく、神経(歯髄)や歯茎などへの影響も少ないことが多いのですが、欠けた部分から神経が感染を起こすこともあります。歯が欠けて神経(歯髄)まで達するような重度の場合は、強い痛みや歯肉の腫れなどを引き起こすことが多くあります。

<治療法>
欠け方が部分的で軽度な場合は、緊急性はありませんが、歯医者さんを受診して詰めたり、かぶせたりという処置をするとともに、しばらくは経過をみる必要があります。
歯が欠けて神経(歯髄)まで達するような重度の場合は、欠け方に応じて神経の処置を行って、最終的に歯を元の形に修復します。
永久歯でも神経の処置をした後は経過を見ていく必要がありますが、乳歯の場合は次の永久歯に生え替わるまで定期的にチェックをしていくことが理想的です。
その治療法として、とくに永久歯が欠けて神経がでてしまった場合、感染している神経を部分的に切断して、水酸化カルシウムという薬で保護し、その上からかけた部分の歯を修復していく方法を主にとっています。特にお子さんや若い方の場合、再生能力が高いので、多くの場合この方法で歯を抜かずに保存することができると思います。

外傷の場合、遅れてから神経が弱ってっくることがあります。歯の色が黒くなってきたり、レントゲン写真で神経が弱っているような所見が見られる場合、根管治療が必要になります。

2.歯がグラグラする

歯がグラグラになったり、周りの歯肉から出血している状態もよくあります。
歯の動揺は、歯を支える骨の部分がダメージを受けた場合に起こりやすいのですが、歯の根が折れた場合にもグラグラになります。

<治療法>
まずは、エックス線写真を撮って、歯の根の状態(歯根破折の有無)や周りの骨の状態(歯槽骨骨折の有無)を確認する必要があります。
動揺が軽度な場合は、受傷した歯をできるだけ安静にして様子をみますが、明らかな動揺がみられる場合は、両隣の歯と固定して安静を図ります。
また、頻度は少ないのですが、歯根の破折や歯槽骨骨折で歯が動揺している場合は、受傷した歯が保存できるかどうかを診断する必要があります。
保存が可能と判断された場合は、固定処置を行って様子をみます。
歯だけの動揺の場合は1~2週間の固定ですみますが、歯根破折や骨折の場合は少し長めに(2か月程度)固定をします。歯の折れ方によっては、抜歯になる可能性もあります。

3.歯の位置がずれた・埋まった

乳歯や生えたての永久歯(大人の歯)の場合、歯の位置のずれや歯のめり込みが生じることも多いです。

<治療法>
治療としては、歯を元の位置に戻し(整復)、両隣の歯と連結して安静を図り(固定)、歯の周りの組織の回復を待ちます。一方、乳歯や生えたての永久歯がめり込んだ場合は、歯根がまだ未完成なため自力で再び生えてくることが期待できるので、無理に元の位置まで戻さずに様子をみることも多いです。
また、乳歯の位置がずれたり、めり込むことで、乳歯の下で育っている永久歯に影響が出ることもあります。永久歯の生える方向や、歯の形・色などに影響が出る可能性があるので、永久歯への生え替わりまで定期的にチェックしレントゲン検査も受けることが理想的です。

4.歯が抜け落ちた・なくなった

歯が完全に生えているところから抜け落ちてしまっている状態です。

<治療法>
歯が抜け落ちた(脱落)場合、条件がよければ再植(抜けた歯を再び植える)が試みられます。受傷から歯医者さんを受診するまでの時間が短く、歯の周りの組織の損傷が軽度で、脱落した歯の保存状態がよいほど、再植の予後も良好になることが期待されます。
かみ合わせを確認しながら、脱落した歯を元の位置に戻して、固定を行います。歯肉からの出血が多い場合は縫合を行い、止血を図ります。固定は通常2~6週間くらい行います。
脱落した歯がなくなってしまったり、再植が困難で抜歯になった場合も対処が必要になります。
歯の外傷はおもに上の前歯に起こりやすいので、見た目も悪くなり、また発音や食べることに影響がでます。永久歯では一般的に入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療法があげられ、歯並び・かみ合わせやその他の状況に合わせて適当な治療法を選ぶことになります。
一方、乳歯や学齢期に永久歯がなくなった場合は、次の永久歯が生えるまで、または顎の成長が止まるまでは、調節のしやすい入れ歯タイプの装置を使うことが多いです。

5.歯が変色した・歯肉が腫れた

歯の色が変わってくることがあります。受傷してすぐに 起こりやすい赤みをおびた変色は、神経(歯髄)の中の血管が損傷して充血や内出血を生じたものと考えられ、充血が治れば歯の色も回復することがあります。一方、数か月して徐々に歯の色が黒ずんでくる場合は、神経(歯髄)が死んでいる可能性が高くなります。さらに色が悪くなったり、根の周囲に病気ができて歯肉が腫れてくることもあります。

<治療法>
歯の神経が死んでしまって歯の色が黒くなってきてしまった場合や、歯の根の先に膿がたまって歯肉が腫れてきてしまった場合などは、神経を抜く治療を行います。


外傷の術後は、長期間経過を見ていくことが多いです。少しずつ弱ってきて神経が弱ることや、歯と骨が癒着してしまうこともあります。さらに外傷の度合いによっては応急処置を行った後、専門医や高度医療機関に紹介する場合もありますのでご了承ください。

口腔内や周囲は、血管が豊富で、出血すると唾液と血が混ざって思った以上に血が出ているように感じると思います。ただでさえ、お子さんが転倒などで歯を折ってしまったり、唇などを大きく切ってしまったりした場合、お子さんだけでなくご両親も気が動転してしまうことも多いかと思います。どんなささいなことでも、心配なことがありましたらいつでも当院にいらしてください。年中無休•土日祝日も診療しています!