国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

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規格写真の重要性

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は「規格写真の重要性」についお話しします。


初診時採取資料としての口腔内規格写真

規格化された写真を撮ることで、治療経過や治療後、メンテナンス時の比較が可能となります。また治療計画を立案する際の資料として用いたり、患者さんへの説明やモチベーションの向上のためにも利用可能です。

患者さんの主訴がどこなのか、問題点はどこなのか?見えにくい奥歯がどういう状況になっているのか?などを一緒に確認しながら進めます。撮影した口腔内写真は患者さんにお渡ししますので、家に帰った後の復習にもご利用いただけます。

審美領域における治療の場合、リップラインや切端の位置、切端ラインと歯肉ラインの垂直的位置や水平面に対する傾きなどさまざまな情報を顔貌写真から得ることができます。また咬合平面の設定の際にも役立ちます。

初診のみならず、とくに審美領域における補綴において、プロビジョナルレストレーション作成時や最終補綴装着後など様々な場面で顔貌写真を撮り、技工士との確認・指示などの資料とします。

<歯周外科の記録としての写真撮影>

1)術前写真
2)術中ポケット計測
3)術中デブライトメント前(歯石の付着)
4)術中デブライトメント後(骨形態の明示)
5)術中計測(骨欠損計測)
6)骨外科処置後の骨形態の記録
7)再生療法マテリアルの記録(エムドゲイン、骨補填剤、メンブレン)
8)縫合後の状態

<口腔外で抜去歯を記録する写真>
1)ガーゼの上で撮影する
2)一方向からだけでなく、唇舌側、近遠心側など他方向から撮影する
3)歯石の沈着、歯根破折の状況がわかるように撮影する

<インプラント一次手術に記録としての写真撮影>
1)術前状態
2)フラップ翻転後、術野の明示
3)インプラント埋入後
4)GBR,マテリアルの記録
5)縫合後の状態

<治療終了時およびメンテナンス時の写真>
1)規格化された写真を撮ることで、治療経過や治療後、メンテナンス時の比較が可能となる
2)患者さんへの説明、モチベーションの向上維持のために
3)技工士とのコミュニケーションのために
4)患者との治療効果の共有と再評価のために
5)自身の反省復習のために


レントゲン規格写真

歯科治療におけるレントゲン企画写真には、フィルムを口腔内に入れて撮影する口内法と、入れないで撮影する口外法に分けられます。

1.口外法
・パノラマ撮影法(2D)
・CT撮影法(3D)
・セファログラム撮影法(頭部X線規格写真)

2.口内法
・平行法
・二等分法
・咬翼法

<デンタルX線写真から読み取れる項目>

  • 歯冠、歯根の形態
  • 歯冠、歯根長比
  • カリエス、修復物、補綴物の状態
  • 隣接面の歯石沈着
  • 喪失歯、過剰歯、埋伏歯の有無
  • 歯根の吸収状態
  • 根尖病変の状態
  • 歯槽硬線に肥厚と消失、断裂の状態
  • 歯髄腔の状態(第2象牙質、内部吸収、根管充填、根管側枝)
  • 歯根膜腔の拡大、消失
  • 歯槽骨の吸収の程度
  • 歯槽骨頂部の破壊の状態
  • 骨梁の変化
  • 根分岐部の異常

<パノラマX線写真から読み取れる項目>

  • 歯科的既往歴(カリエスタイプ、ペリオタイプ)
  • 顎骨の形態
  • 顎骨内の状態の確認(永久歯胚の確認、埋伏歯の発見、顎嚢胞の発見)
  • 顎堤の吸収、骨質、下顎管も走行
  • 上顎洞内の異常
  • 顎関節の形態と位置
  • ブラキシズム
  • 咬合力の強さ

読影のポイント

①歯内療法:X線から根管治療、根尖病巣を見る時の着眼点

  • 根尖病巣の有無、大きさ、形態、透過性の強弱
  • 根尖部の歯根膜腔の拡大
  • 歯髄腔の状態(第2象牙質、歯髄の狭窄、内部吸収、根管充填、側枝など)
  • 硬化性骨炎の有無
  • サイナストラクトがある時はGPを利用して原因歯の確定
  • 歯根の形態と方向
  • 補綴物の形態・設計
  • ポストが除去困難であるか

②歯周病:X線から歯周病を見る時の着眼点

  • 骨吸収の状態(垂直性骨欠損、水平性骨欠損)
  • 歯石沈着の有無
  • 分岐部の状態
  • 歯槽硬線に肥厚と喪失
  • 歯根膜腔の肥大と喪失
  • 骨梁
  • 不良補綴物と清掃性

③噛み合わせ、咬合性外傷

  • 歯槽硬線の喪失
  • 歯根膜腔の拡大
  • 垂直性骨欠損
  • 根吸収

歯科治療においてレントゲン診査から得られる情報を最大限に活用するためには、天然歯、歯槽骨の形態に対する解剖学的知識、病態における変化のパターン、生じうる欠損形態、咬合性外傷などに対する知識が必要であり、また3次元が2次元に投影されるために生じる現象と限界を理解し撮影することが重要です。目的に合った撮影方法を選択し他の臨床所見と併用して診断することが重要です。


治療のステージごとに規格写真を撮影し、治療の進行具合や治療計画の再度練り直しなどにも使います。初診時手をつける前、仮歯に変えた状態、最終補綴物が入った状態など進行ごとに写真で確認することで患者さんのモチベーションの維持にも効果的です。また、歯肉炎の状態、磨き残しの状態を比較する際にも、写真があると有効です。

一眼レフで口腔内写真や顔貌写真を撮ることを説明すると多くの患者さんがびっくりされますが、その資料を用いて一緒に口腔内の確認を行い計画を立てていくと、ほとんどの方が今の状況を正しく理解してくださりその後の治療もスムーズに入ることができます。これが一番のメリットかなと考えています。良好な信頼関係、ラポールを形成し、今の状況を正しく理解し、最適な治療を提供するため、初回の資料採得にご理解ご協力をお願いいたします。