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補綴について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は補綴についてお話ししていきます。
【目次】
1.補綴とは?
2.ブリッジについて
3.入れ歯について
4.インプラントについて
1.補綴
補綴とは、歯が欠けたりなくなった場合にかぶせものや入れ歯などの人工物で補うことをいいます
大きく分けて①ブリッジ ②義歯 ③インプラントに分けられます。
1.ブリッジ
欠損した隣の歯を削り、被せ物でセメント固定する方法になります。歯が1~2本なくなったときその両隣の歯がしっかりしている場合に行います。多くの歯が欠損している場合は、ブリッジの治療ができない場合があります。
(利点)
・取り外しが必要ないため自分の歯と同じように使える。
・入れ歯と比べて異物感が少ない。
(欠点)
・歯を削らないといけない。
・連結部分が磨きにくい。
・隣の歯の負担が増える。
・残存歯の本数、状態によっては適応できないことがある。
<種類>
保険適応、自費診療ともにあります。
保険適応の場合、
前歯部:硬質レジンブリッジ
臼歯部:銀色の金属のブリッジ
になります。保険適応の場合、欠損歯数により作成可能かどうか、削る歯の本数などのルールがあります。詳しくはスタッフまでご相談ください。
〜自費診療のブリッジの種類〜
①メタルボンドブリッジ
内部が金属で、その上にセラミックを焼き付けた被せ物をメタルボンドといいます。PFM(ポーセレンヒューズドメタルとも言います。細かく色を調節でき、変色が起こりにくいです。強度があり、傷もつきにくく、内部の金属を貴金属にすることで、長期間の使用で起こりやすい歯茎の変色を回避することが可能です。多くの症例で対応が可能です。メタルボンドは半世紀近く昔から使われているとても生体安全性に優れた材質になります。
(メリット)
- 適合性に優れ、取り込み印象などを行いほとんどの症例に使用可能
- 金属の上にセラミックを焼き付けてあり、変色しないので自然な見た目
- 裏打ちが金属のため耐久性に優れる。
- 経年的な色の変化がなく着色しない
(デメリット)
- 裏側から金属が見える
- 歯肉や歯が黒ずんで見えることがある
- オールセラミックに比べて、金属の裏打ちがあるため透明感のある歯にならない
- セラミックが欠けることがある
②オールセラミックブリッジ
素材の全てがセラミックであるオールセラミックは、メタルボンドよりも色調に優れており、光を透過するため、とても自然な仕上がりになります。金属を一切使用しないので、歯茎の退縮による金属の露出や、歯茎の変色の心配もありません。金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
(メリット)
- 変色しないので自然な見た目
- 金属の裏打ちがないため自然な透明感
- 経年的な色の変化がなく着色しない
- 金属アレルギーの心配がない
(デメリット)
- セラミックが欠けることがある
〜ブリッジの作成の流れ〜
※抜歯から行う場合、歯肉・骨の回復を待ってから作成するため基本的に3ヶ月は待つことが多いです。
1.支台歯形成:作成する材料(マテリアル)に合わせて支台歯形成を行います。
2.仮歯作成:最終補綴物が入るまでの間の咬合、歯肉の状態を仮歯で調整します。
3.印象:型取りを行い、技工士さんに作成を依頼します。
4.セット:適合と咬合状態を確認し、セットします。
回数:3~4回
期間:1~2ヶ月
費用:保険適応の場合1本1万〜1万5千程(部位や形態により異なります。)
*注意点*
極端に固いものや、連結部の清掃不良に注意しましょう。歯間ブラシや、特殊なフロスを用いてしっかり汚れを取り切りましょう。虫歯や歯周病はブリッジの寿命を確実に縮めてしまいます。また、装着後も定期的なブラッシングのチェックと噛み合わせのチェックを行いましょう。
2.入れ歯
欠損した隣や、周りの歯にバネ(クラスプ)を用いて固定する取り外し式の方法になります。1本欠損の部分入れ歯から、総義歯まで全てのケースに対応できます。(→入れ歯について①、②、③)
(利点)
・周りの歯を削らなくても作成可能である。
・取り外しができるため、装置の清掃がしやすい
・どのような欠損ケースでも作成可能
(欠点)
・噛む力が弱い
・取り外しの手間がかかる
・隣の歯と、歯茎に負担がかかる
・バネが緩くなったり破折することがある。
<種類>
保険適応、自費診療ともにあります。
保険適応の場合、ワイアーを曲げたクラスプ、レジン床になります。
自費診療の場合、鋳造してつくるクラスプ、金属床、シリコン床など種類が豊富です。
〜入れ歯の作成の流れ〜
※抜歯から行う場合、歯肉・骨の回復をみながら修正することが多いです。
1.概形印象:スタディモデルを作成し設計や、個人トレーを作成します。
2.精密印象・筋形成:個人トレーを用いて筋肉の動きを印記し精密印象を行います。
3.作業模型の作成:作業模型上で咬合床を制作します。
4.咬合採得:咬合床を用いて噛み合わせの記録をとります。
5.試適:義歯の完成手前の状態で口腔内での試適を行います。作成中のずれがあれば修正します。
6.セット:噛み合わせと適合を確認し、着脱の指導を行いセットします。
回数:4〜6回
期間:1~2ヶ月
費用:保険適応の場合1万〜1万5千程(部位や形態により異なります。)
*注意点*
入れ歯は使いながら痛みがないかなどの確認が必要です。セットして終わりではなく、そこからがスタートです。今まで歯がなかったところで噛み始めますので最初のうちは違和感もあり、異物感もあります。使いながらのリハビリと、定期的なメンテナンスが必須になります。義手や義足と同じですぐに使えることの方が少なく、使えるようになるまでにも個人差があります。
3.インプラント
歯がなくなったところの骨に、主にチタン製のネジ(人工歯根)を埋め込み、人工の歯を固定します。1本欠損の部分入れ歯から、総義歯まで全てのケースに対応できます。(→インプラントについて)
(利点)
・周りの歯を削らなくても作成可能である。
・自分の歯と同じように使える。
・色々なケースに対応できる
(欠点)
・保険適応外のため経済的負担が大きい
・外科処置が必要なため、全身状態によっては選択できない
・治療期間が長くかかる
<種類>
自費診療になります。単独歯補綴、ブリッジ補綴、義歯補綴、フル補綴と補綴方法は豊富です。
〜インプラントの流れ〜
※欠損部の状態や抜歯即時埋入、早期埋入、待時埋入により埋入時期は異なります。
1.CT・模型検査:CTを撮影し骨状態を確認します。また模型上で補綴の設計を立てます。
2.術前治療:歯周病が安定していないとオペが行えないため歯周治療を行います。
3.埋入オペ:インプラント埋入オペ(1次オペ)を行います。
4.骨結合:骨と結合(オッセオインテグレーション)するまで約3ヶ月待ちます。
5.2次オペ:インプラントの定着の確認と、周囲歯肉の整形を同時に行うことがあります。
6.印象
7.セット
8.メンテナンス
*注意点*
インプラントもメンテナンスが必須です。もちろん他の全ての補綴もメンテナンスが必須ですが、インプラントは歯根膜という防御反応がないです。感染に関せても回復力が少ないため、感染を起こさせないのが重要になります。インプラント周囲炎と言い、歯周炎のような症状にならないためにも正しいブラッシングと噛み合わせのチェックが大切です。
一人一人の口腔内とライフステージに合わせた治療計画を提案させていただきます。お口の中に悩みや不安がある方はぜひ一度ご相談ください。