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赤ちゃんと口腔ケア

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は赤ちゃんと口腔ケアについてお話しさせていただきます。


【目次】
1.赤ちゃんのお口
2.授乳期のお口のケア
3.指しゃぶりと歯並び
4.赤ちゃんの歯磨き
5.虫歯はうつる?


1.赤ちゃんのお口

赤ちゃんがおっぱいを吸うことを吸啜(きゅうてつ)といいます。口に入ってきたものを強く吸うという赤ちゃんが持って生まれた反射(原始反射)によるもので、舌をうねらせるような動きの蠕動様(ぜんどうよう)運動で母乳を引き出します。

生後約6ヶ月頃になると、徐々に反射がおさまり、離乳食の準備をはじめることができます。
小さな歯が初めてお口の中に顔を出すのもこの頃です。先天歯といい、生まれた時から歯が生えている子もいます。また、歯が生える前になるとよだれがたくさん出たり、口をブーブーいわせる赤ちゃんもいます。歯が生えてくる頃に痛みやむず痒さがイヤで「歯ぐずり」をすることが増えます。そんな時はちょっと表に出て気分転換をしたり、歯固めを与えてみてもいいかもしれません。

2.授乳期のお口のケア

赤ちゃんのよだれは1日に1.5リットルも出ると言われています。このよだれはいつもお口をキレイにし虫歯を予防してくれています。歯が生えてくるまでは、赤ちゃんのお口のお掃除は必須ではありません。飲みすぎによる嘔吐の後や舌の汚れなどが気になる場合は、湿らせたガーゼでやさしくぬぐってあげると良いです。

生後3か月頃になると、口の中に色々なものを入れて噛むようになります。安全な赤ちゃん専用の歯ブラシを持たせ声をかけてあげると、歯みがきなどこれからのお口のケアの練習になります。

3.指しゃぶりと歯並び

生後6か月頃の赤ちゃんは何でも口へ運び、おしゃぶりのようにしゃぶるようになります。これは目と手の協調運動の学習とともに、手や口を刺激することで脳の発達が促進されるためといわれています。

3歳くらいまでの指しゃぶりは、吸啜反射の名残です。「歯並びに影響する」「癖が取れなくなったらどうしよう」と心配される方もいますが、基本的に指しゃぶりやおしゃぶりは、3~4歳になると自然に減っていきますのであまり神経質になる必要はありません。

どうしても気になるようであれば、おしゃぶりをくわえる回数を減らしてみたり、指しゃぶりをしている時に何か他のものに興味を持たせるようにするなど、無理せず徐々にやめさせる方向にもっていくといいです。どうしても治らない場合は専用の器具などもあるので、歯科医師や小児科の先生に相談してみてください。

4.赤ちゃんの歯磨き

赤ちゃんの歯みがきは、6ヵ月~1才くらいから始めると良いです。この時期は間食も少なく、唾液の自浄作用で十分お口を清潔に保てるので、歯をゴシゴシみがくというよりは、歯ブラシを口に入れる感覚と歯みがきをする習慣を身につけましょう。自分で歯ブラシを持てるようになったら、自分みがきにも挑戦していきましょう。しかし自分みがきではほとんど歯が磨けていないため、保護者は大変ですが仕上げ磨きで毎日しっかりチェックして正しいお口のケアを教えてあげることが大切です。仕上げ磨きはできれば大人の歯が生えそろう12歳まで続けられれば理想的です。それを通じて、親子のスキンシップの場にもなり、むし歯だけでなく歯並びチェックやコミュニケーションの有意義な時間となります。

<歯磨きの方法>
・ガーゼによるふき取り&マッサージ
・保護者による仕上げみがき
・自分みがき

歯科検診で「添い乳」をしてると虫歯になりやすいなどと言われ心配に思っている保護者もいるかもしれません。虫歯になりやすい歯質の赤ちゃんと、虫歯になりにくい歯質の赤ちゃんがいますので、一概に「添い乳」が虫歯になりやすいとは言えません。基本的に母乳に含まれる乳糖だけでは、虫歯の原因になることは少ないと言われていますのでご安心ください。

ただし、離乳食やおやつ、ジュースを飲んだ後にそのまま添い乳をして眠ってしまうと虫歯になる可能性があります。虫歯が心配な保護者は、添い乳をして寝る前に、一度口の中を濡れたガーゼなどでやさしく拭ってあげてください。

5.虫歯はうつる?

虫歯の原因菌:ミュータンス菌。

虫歯菌は歯の表面に住みつきます。まだ歯がない赤ちゃんの場合、口の中へミュータンス菌が入ってもも住みつくところがないので心配ありません。生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中を調べて見ると、虫歯菌はひとつもありません。

では、どうして虫歯になってしまうのか?何かの機会に家族の誰かから、赤ちゃんのお口の中に虫歯菌が感染してしまうからです。ミュータンス菌は唾液から赤ちゃんにうつると言われていますので、まずはお母さんやお父さん、ご家族の方がむし歯を治し、口腔ケアを大切にしましょう。むし歯菌のみならず多くの菌が、生後かなり早い時期に赤ちゃんの口の中でみつかります。

早期にむし歯菌へ感染することを予防するためには、お箸などを使い分けるのも有効です。また、食べ物の口移しをしないなど、感染の機会を減らすように気を付けましょう。

子どもは生まれ持って歯の質が強かったり、弱かったりします個人差が大きいです。乳歯のみならず大人の歯も、お母さんのお腹の中にいる時から石灰化が始まりでき始めます。牛乳や小魚でカルシウムをしっかり摂り、バランスの良い食事をして、なるべく歯の質を上げられるようサポートしましょう。高濃度のフッ素を塗布してもらうのも効果的です。

乳歯は赤ちゃんがおなかの中にいる妊娠7週頃に発生します。妊娠4〜5ヵ月ころには石灰化(歯が硬くなること)していきます。その後1〜2年くらいかけて乳歯が完成します。いくつかの永久歯も妊娠4か月ごろにつくられ始め、永久歯は長い年月をかけて完成していきます。
「乳歯」がはえてくるのは、ほぼ生後6ヵ月ごろからですが、この歯の芽(歯胚)は妊娠して約6~7週めころからでき始めます。 妊娠したことがわかるのは、早くて4~5週目頃ですので、受胎を確認したころには、もう歯胚が形成されていることになります。赤ちゃんのためにも、お母さんは栄養管理やたばこや過度なお酒といった嗜好品にも気をつけてください。