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酸蝕症について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は酸蝕症についてお話しさせていただきます。


【目次】
1.酸蝕症とは
2.酸蝕症の原因
3.酸蝕症の予防
4.酸蝕症の症状
5.酸蝕症の治療法


1.酸蝕症とは

皆さんは酸蝕症(さんしょくしょう)という病気をご存知ですか?今日は具体的な症状や原因、対策などについては詳しくしらないことかと思います。

酸蝕症とは、「酸によって歯が溶ける病気・現象」です。歯は、酸性の刺激に弱い性質を持っているので、歯が酸にさらされやすい生活習慣があると、エナメル質・象牙質が徐々に溶けてしまいます。

では、歯が酸によって溶かされる虫歯とは違うのか?虫歯はミュータンス菌などの虫歯菌が歯に感染し、酸を作り出すことで歯を溶かしていく病気です。虫歯は細菌感染症の一つです。
一方、酸蝕症は、細菌は無関係です。虫歯菌が作り出す酸ではなく、食品などに含まれる酸性の物質が歯を溶かしていく病気です。

2.酸蝕症の原因

酸蝕症になる原因は、体の中から出てくる酸による内因性と、酸性の食品など外から取り込む外因性の2つに大きくわけることができます。

(1)内因性
・胃食道逆流症(GERD)
・摂食障害(過食症、拒食嘔吐)
・アルコール依存症など

(2)外因性
・性度の高い飲食物
・医薬品
・サプリメントなどの過剰摂取

具体的には、
・みかんやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の果物や果汁からつくられたジュース
・梅干し
・ビタミンCなどを含む酸性のビタミン剤やサプリメント
・アスピリンなどの酸性の薬剤
・炭酸飲料、黒酢、栄養ドリンク、ワイン、スポーツ飲料

唾液の緩衝能についても合わせて確認ください。

3.酸蝕症の予防

私たちの口の中は、普段は中性のpH7前後に保たれています。しかし、飲食物や胃酸の影響で酸性度が高くなり、pH5.5以下になると歯は溶けやすくなります。

酸蝕症を防ぐためには、

①酸性の飲食物を口にした後は水で口をゆすぐ
②酸性飲食物をだらだら食べたり飲んだりしない
③寝る前には酸性の飲食物を控える


のが重要です。

就寝中は唾液の分泌が少なくなり、口のなかのpHが中性に戻りにくくなります。特にいびきをかく癖があると、口が乾いて酸性の溶液が残りやすくなるのです。
 また、酸蝕症の進行を防ぐためには、酸性の飲食物を多量に摂った直後には歯みがきをしないことも意外に大切なポイントです。先述のように、酸性の飲食物をとった直後はエナメル質が柔らかくなっているため、30分程度時間を置くか、お水で洗口してから歯磨きをするようにしましょう。

<この時期とくに気をつけたいこと>

スポーツドリンクによる酸蝕症

スポーツドリンクはミネラルも同時に摂取できるため、夏場の水分補給には最適な飲み物といえます。透明で、口当たりも良く、体に良いとなると、頻繁に飲んでしまいます。スポーツドリンクには大量の糖分が含まれているだけでなく、酸性度も比較的高いことから、飲むたびに酸蝕症のリスクが高まります。飲んだ後はお水などを合わせて飲むことで、酸蝕症を予防しましょう!

4.酸蝕症の症状

①エナメル質が溶ける
酸蝕症で見られる主な症状は、歯質の溶解です。酸によって歯の表面を覆っているエナメル質が徐々に溶け出していきます。その現象自体は虫歯と変わらないのですが、歯の溶け出し方に違いが見られます。一般的な虫歯は、直径1~2mmくらいの狭い範囲からエナメル質が溶け出しますが、酸蝕症はその範囲が比較的広いです。歯の表面全体が均一に溶け出していくことも珍しくありません。

②象牙質がむき出しになる
酸蝕症が進行すると、エナメル質の下に存在している象牙質がむき出しとなります。これは虫歯と同じです。ただ、酸蝕症の場合は、歯が溶ける範囲が広いため、露出する象牙質も多くなり、歯全体が黄色く見えるようになります。酸蝕症の場合、審美障害まで伴うのが特徴です。

③知覚過敏になる
象牙質には、象牙細管が走行し歯の神経が一部入り込んでいます。冷たいものや熱いものを口にすると神経が反応して、“歯がしみる”ようになります。いわゆる知覚過敏症です。また、象牙質はエナメル質ほど強くはなく、酸に対する抵抗力も弱いため、虫歯のリスクが大きく上昇する点もご注意が必要です。

5.酸蝕症の治療法

早期発見・早期指導 がむし歯の場合と同様に重要です。それにはかかりつけ歯科医による慎重な観察が必要です。基本的には象牙質まで露出していると治療が必要となります。

  • 知覚過敏処置
  • コンポジットレジン充填(小さな欠損)
  • クラウン(大きな欠損)
    • メタルクラウン
    • メタルボンドクラウン
    • オールセラミッククラウン
  • フルマウスレストレーション(全ての歯の修復)

進すればするほど治療が困難になります。少しでも気になる方は早めにスタッフまでご相談ください。