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プレオルソとは?
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は「プレオルソ」についてお話ししていきます。
1.プレオルソとは
プレオルソとは「小児のマウスピース式矯正装置」で、小児(4歳から9歳くらいまで)の歯並びを改善する装置のことです。プレオルソの特徴は「歯を直接動かす」のではなく、歯並びを悪くしている原因(口腔周囲の筋肉や舌の動き)を改善することで「間接的に歯並びを改善」していくことです。つまり、口腔周囲の筋肉や舌のバランスが悪ければ歯並びは悪くなり、バランスが良ければ理想の位置に自然と並んでいきます。
80年以上も昔から使われている「機能的顎矯正装置」をベースに新素材で作られています。子供を健康な体へ導くことを目的としています。
2.目的
①歯並びの矯正
出っ歯や叢生、反対咬合などの歯並びの改善、予防に効果があります。小児期の矯正は、
•Ⅰ期治療(予防矯正):成長期に顎の骨の形を整える治療
•Ⅱ期矯正(本格矯正):永久歯が生え揃ってから歯を移動させて歯並びを整える治療
に分けられます。Ⅰ期矯正は予防矯正や小児矯正とも呼ばれています。
<Ⅰ期治療>
骨の成長を利用して、上下の顎骨の形やバランスを整え、歯がきれいに生えてくるようにスペースを確保します。成長するスピードに合わせて拡大をすることで将来永久歯を並べやすくすることが可能です。顎骨が狭かったり、上下の顎骨のバランスが悪かったりすると、本来生えてくる位置から永久歯が生えず、歯並びが悪くなる原因となります。
開始時期は3歳ころというデータもありますが、お口の中の状況や顎骨の成長を見ながら進めていきます。Ⅰ期治療をせずに永久歯列になってから進める場合もあります。前歯が生え変わった頃からが顎骨の三次元的な成長のピークを迎えるので、開始する方が多いです。心配な方は歯が揺れ始めたら早めに一度ご相談ください。顎骨の骨格を中心とした治療でしっかりとした土台作りを行いましょう。
<Ⅱ期矯正>
永久歯が生え揃ってから行う矯正のことで、いわゆる成人矯正と同じ方法です。Ⅰ期治療を行うことで、永久歯が変な位置から生えることなく、正しい位置から生えてきて並びやすくなります。これによりⅡ期治療では永久歯の抜歯をせずに歯並びを整えられる可能性が高くなります。
基本的にはⅠ期治療とⅡ期治療はセットになります。Ⅰ期治療を受けておくことで、負担をかけずに永久歯を矯正が可能になり、時間や費用などを抑えることができます。
②噛み合わせの改善
上顎前突や開口、過蓋咬合、反対咬合などの噛み合わせの不具合の改善に効果があります。
③口呼吸の改善、舌のトレーニング
舌が自動的に挙上されるためMFTの装置そしても利用できます。口腔習癖が原因で噛み合わせに異常が生じたり、歯並びの見た目が悪くなったり、顎の関節に異常が生じたりすることもあります。口腔習癖の改善や予防にも効果があります。口呼吸があるかたは最初プレオルソの装着が困難なため、「あいうべ体操」も同時に行いましょう!
<あいうべ体操>
①口を大きく「あーいーうーべー」の順番に動かします。
② できるだけ大きく動かします。声は出さなくても大丈夫です。
③ 1セット4秒前後のゆっくりの動作で行います。
④ 1日30セットを目標に行いましょう。
⑤ 顎に痛みがある方は「いーうー」でも大丈夫です。
⑥お子様だけでなく、できれば親子一緒に行いましょう
口が円形に近くなるようにして、のどの奥が見えるまで大きく開けます。
前歯が見え頬の筋肉が両耳のわきに寄るくらいまで横に開きます。しっかり開くと首に筋肉の筋が浮きでます。
口をしっかり閉じるための体操になります。口唇をとがらせて思い切り前に突き出すことで口腔周囲の筋肉を広く鍛えることができます。
口を大きく開けて舌を思い切り出して、顎先まで伸ばすつもりで行います。強めにやった方が効果があります。
④口唇の閉鎖や正しい嚥下・発音
口唇の筋肉や舌のバランスが取れると口唇の閉鎖や、正しい嚥下・発音が行えるようになります。
3.特徴
①柔らかい素材でできている
プレオルソは柔らかい素材を使用しているため装着時の痛みがほとんどありません。また、弾性があるため壊れることもほとんどありません。
②型取りが不要
プレオルソは既製品のため印象採得(型取り)の必要がありません。装置調整もほとんど不要です。また装置を温めることで形態の調整が可能です。
③着脱がいつでも可能
お家にいる時に装着します。学校につけていく必要はありません。家にいる時の1時間と就寝時に使います。
④MFTの装置としても使用可能
舌が自動的に挙上されるため、MEFの効果も期待できます。また口唇の排除や舌の正しい位置を覚える効果もあります。
4.種類
症例により3種類のタイプがあります。また複数のサイズ、ハード・ソフトの素材(硬さ)違いもあります。
矯正治療にはⅠ期治療とⅡ期治療に分かれています。混合歯列期に行うⅠ期治療のおかげで、将来の歯並びに良い影響を及ぼすと言われています。具体的には、
・治療期間が短くなる
・歯を抜かなくて済む などです。
お子様の歯並びに少しでも不安がある方はなるべく早めに一度ご相談ください。