国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

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磨き残しの多いところ

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日お話ししたPCRの続き、磨き残しの多いところについてお話ししていきます。

まず、普段行う歯磨きの目的からです。歯磨きの目的は「プラークを落とすこと」です。プラークは、細1gの中に100億~1,000億の細菌がいると言われています。そこは虫歯や歯周病の原因となる細菌が生息しており、磨き残しがあると虫歯や歯周病のリスクが高くなります。この二つはバイオフィルム(磨き残し)による細菌感染症です。虫歯や歯周病などの歯科疾患は細菌数をコントロールすることで発症を予防することが可能です。

さらに歯垢が発酵してガスが発生すると口臭の原因になります。歯垢は水に溶けにくく、うがいだけでは落とすことができません。そのため歯ブラシによる物理的清掃が必要になります。

磨き残しやすいところ①

「利き手側の歯の裏側」はみんなが磨きにくいところです。右利きの人は右側、左利きの人は左側が磨きにくく、磨き残しが起きやすくなります。磨きにくいところを一番最初に磨くことで、磨き残しを少なくできるのでオススメです!

磨き残しやすいところ②

国立 歯医者 磨き残し

「歯と歯の間」も磨き残しが多いところです。歯と歯の間を磨くときは、毛先をしっかり歯と歯の間に向けて、歯ブラシを小刻みに動かしましょう。大きいストロークだと毛先が歯と歯の間から出てしまいますので、一本ずつ磨く感じで細かく磨いていきましょう。ただ歯と歯の間は毛先が届きにくく、歯ブラシだけで完全に落とすことは難しいです。歯ブラシと併用してフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を使うと綺麗に磨けます。

磨き残しやすいところ③

国立 歯医者 磨き残し

「奥歯の噛む面の溝」も磨き残しが多くなるところです。奥歯の噛む面にある溝の奥は歯ブラシが届きにくく、歯垢がたまりやすい場所です。表面も凸凹しており、食べかすなども溜まりやすいです、歯ブラシを大きく動かしたり、力を入れて磨いたりすると上手く落とすことができないので、毛先をあてることに意識を向け、細かく小刻みに動かして磨きましょう。

磨き残しやすいところ④

国立 歯医者 磨き残し

「歯と歯ぐきの境目」は歯周ポケットと呼ばれる溝があり、プラークがたまりやすい場所です。この場所に歯垢がたまるとむし歯だけでなく歯周病のリスクも高くなります。歯と歯ぐきの境目に毛先が届くように、歯ブラシを斜め45°にあててマッサージをするように小刻みに動かしましょう。強い力で歯ブラシを動かすと歯ぐきを傷つけてしまうため、軽い力で磨きましょう。

磨き残しやすいところ⑤

「一番奥の歯の後ろ側」は歯ブラシが届きにくく、磨きにくくなってしまいます。大きなヘッドの歯ブラシでは奥歯の後ろまで届かないことがあるので、小さなヘッドの歯ブラシや、毛束が1つになっているタフトブラシを使うのが有効です。歯ブラシの先端部分の毛先をあてるようにしましょう。大きくお口を空けると唇が突っ張ってしまい磨きにくくなるため、お口を閉じた状態の方が唇の力が抜けて磨きやすいです。

磨き残しやすいところ⑥

「前歯の後ろ側」もシャベル状に凹んでいて磨きにくいところになります。また斜切痕や盲孔など深い溝が存在することがあるので要注意です。

磨き残しが多いところ=虫歯や歯周病リスクの高いところです。放置せずしっかり汚れを取り切るようにしましょう。定期的に染め出しを行い、どこが磨けていないのかを把握することで歯磨きのスキルアップを図りましょう。忙しい時でもポイントをおさえて磨ければ短い時間でも効率良く磨けます!

正しい歯のみがき方

虫歯や歯周病を予防するためには、プラークをしっかり落とすことが一番重要です。洗面所で立ったままみがくのが辛いなら、椅子に座って、テレビを見ながら、お風呂に入りながらと工夫して磨くようにしましょう。忙しくても、せめて1日1回は、丁寧に歯みがき汚れを落とし切るように心がけましょう。その日の汚れは次の日に持ち越さないのが重要です。古いプラークほど歯面にこびりつき落としにくくなってしまいます。夜は口腔内が乾燥し菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。夜の歯磨き・口腔内ケアに一番力を入れるとより効果的です。寝る前にマウスウォッシュなどを併せて使うことで最近の繁殖を抑えるだけでなく、口腔内のネバつきも予防できます!

1本1本意識して、細かく丁寧に

大きいストロークではなく、一本一本細かく丁寧に磨くようにしましょう。この時歯面、歯茎とのさかい目にしっかり毛先が当たっているのかを感じながら磨くようにしましょう。一本の歯の汚れを取るのに最低でも10回くらいは擦らないと綺麗には汚れが取りきれません。それも歯面全体にとなると慣れないと最初のうちは大変かと思いますが、歯ブラシが最も重要になりますので正しい歯磨き習慣を身につけましょう。水泳や自転車と同じで、一度身についた歯磨き習慣はなかなか無くなりません。この先ずっと健康な口腔内を維持するためにも、早い段階で正しい歯磨き習慣を身につけましょう!

では、歯を磨く上でのポイントについてお話しします。ポイントは以下の4つになります。
①磨く順番を決める
②小刻みに動かす
③軽い力で磨く
④歯間ブラシ・フロス・タフトブラシなどの補助清掃用具を使う

①磨く順番を決める
歯磨きの時間が長くても、一箇所だけ磨いたり、順序バラバラに磨いていると磨き残しが多くなってしまいます。それを防ぐためにも磨く順番を決めておくと磨き残しを減らすことができます。先ほどもお話ししましたが、聞き手側が磨きにくくなってしまいます。そのため、磨く熱意が冷めないうちに最初にそこを磨くのがおすすめです。たとえば右利きの方なら、「右上→上前歯→左上・右下→下前歯→左下」と上下順番に右から左に磨くと次磨くところが明確になり磨き残しが減ります。僕もこの順番で磨いています。

②小刻みに動かす
大きいストロークだと磨き残しが増えてしまいます。また頑張って磨いた錯覚が起きてしまいますが、実際には細かく磨いた時より磨き残しが多いです。。歯ブラシは1歯ずつあてて小刻みに動かしましょう。

③軽い力で磨く
力が強いと毛先が広がり、歯垢を除去できなかったり歯ぐきを傷つけたりする可能性があります。また、毛先が当たらないと清掃力も十分発揮できません。歯ブラシをすると歯ぐきが痛い、歯がしみるといった場合は力を入れすぎているかもしれません。毛先が広がらない程度にあてることを目安に、軽い力で磨くようにしましょう。また、歯ブラシを後ろから見た時、毛先が横から見えてしまう時は交換のタイミングです。大体1ヶ月を目安に交換しましょう。それより早い方は力が強いかもしれません。

④歯間ブラシ・フロス・タフトブラシなどの補助清掃用具を使う
歯ブラシに加えて、歯間ブラシやフロス、タフトブラシも使うとさらに効果的です。叢生で歯が重なっている方や、ブリッジなどの連結冠が入っている方、矯正中の方やインプラント後の方など、その方に合わせた道具や使い方を指導しますので、興味がある方は一度歯磨き指導を受けてみてはいかがでしょうか?


今回は磨き残しが多いところと、歯磨きのポイントについてお話ししました。磨き残しが多いところは虫歯や歯周病のハイリスク部位のなります。それぞれに適した磨き方でプラークをしっかり落とすことが大切です。「きちんと磨けているか気になる」「フロスの使い方がわからない」「磨き残しをチェックしたい」などどんな些細な悩みや不明点でも、あればご気軽にご相談ください。