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妊婦と歯科疾患について1

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は、「妊婦さんと歯科疾患の関わり」についてお話しします。


【目次】
1.妊娠中のつわりに関して
2.妊娠中の口腔内ケアのアドバイス
3.ホルモンバランス


1.妊娠中のつわりに関して

国立 歯医者 妊婦健診

つわりは妊娠初期から始まります。人によっては何も感じなかったり、ひどい場合はお水も受け付けられないということもあります。匂いに敏感になったり、こまめに食べないと辛い食べづわりや、吐きづわり。症状も人それぞれです。つわり期間中は歯ブラシもしたくないという方もいらっしゃいます。妊娠中でホルモンバランスも変化し、さらにつわりによりこまめに食事したり、吐いたりと口腔内の環境も劣悪になりやすいです。

  • 気持ち悪くなってしまうので歯磨きが上手にできない
  • お腹がすく(または、満腹になる)と気持ち悪くなる
  • ダラダラ少しずつ食べてしまう
  • 吐いてしまう
  • 特定の物しか食べられない(甘いものや酸っぱいものなど)

間食や嘔吐による胃酸など、口腔内が普段より酸性に傾きやすいです。口腔内が酸性に傾くと歯の脱灰が始まります。つわりの期間は、口腔内環境が悪くなりやすく虫歯、歯周病のリスクが高まります。

2.妊娠中の口腔内ケアのアドバイス

①歯磨きができない

国立 歯医者 妊婦健診

体調のいい時はしっかり磨くようにしましょう。1日一回でも磨ければ虫歯に関しては予防できることが多いです。

ヘッドの小さい歯ブラシを使うと不快感が軽減するかもしれません。

食後におみずやお茶を飲むだけでも口腔内の酸性が中和されます。

☆オススメのセルフケアグッズ☆

国立 歯医者 ルシェロ

ヘッドが小さいため、異物感や不快感が少なくなります。また、ヘッドの尖った毛先を用いることで、噛む面の溝や一番奥歯の後ろ側も磨きやすいです!

つわり中以外の日常的な歯磨きにもオススメです!

国立 歯医者 SP-T

口腔内およびのどの殺菌•消毒•洗浄を行うことができます。殺菌力にすぐれ、風邪予防にも効果的?と考えています!

殺菌効果に優れたセチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)を配合しています。抗炎症成分グリチルリチン酸カリウム(GK2)を配合しています。口腔内に清涼感を与え口臭予防にも効果を発揮します。

国立 歯医者 モンダミン

SP-Tガーグルより低刺激になります。ノンアルコールでマウスウォッシュが苦手な方でも使いやすいです!殺菌成分CPC、抗炎症成分GK2、出血予防成分TXAトラネキサム酸の三つの薬用成分で歯茎を守るのはSP-T同様です。刺激が少ないため、SP-Tガーグルが苦手な方はこちらをお勧めします!

②ダラダラ食べてしまう、間食

食事のたびに口腔内は酸性に傾きます。歯は酸に弱く、脱灰が行われてしまいます。間食が増えると酸性に傾いている時間が増えてしまい、虫歯のリスクが上がります。食事の後は気持ち悪くなければ、なるべく歯磨きを行いましょう。歯磨きがいちばんの虫歯予防です。難しい場合はしっかりお口をゆすぐよう気を付けてください。

③嘔吐

胃酸は強酸性です。胃酸によって口腔内のpHは下がり酸性に傾きます。また、歯の表面も溶けてしまうくらい酸性です。嘔吐後の歯磨きは難しいかと思いますが、しっかりゆすぐだけでも効果があります。無理のない範囲で行えるとよいと思います。

国立 歯医者 妊婦健診

歯磨きがすぐには難しい場合には、しっかりうがいをするだけでも効果があります。ジュースなどを飲んだ後も同様です!

④偏った食事

つわり中、食べられるものばかり食べてしまったり、「酸っぱいものが食べたくなった」、「チョコが食べたくなった」など、偏食がちになりやすいです。特に糖分を多く含むものや酸っぱいものなでの酸性の強い食品の場合は注意が必要です。先ほどもお話ししたように、一番はしっかり歯を磨くことです。難しい場合にはこまめにうがいをするようにしましょう!

3.ホルモンバランス

妊娠中はエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンが増加します。この二つのホルモンが、それぞれ違う働きで歯周病を悪化させてしまいます。

エストロゲン(卵胞ホルモン):歯周病原菌の増殖を促す

エストロゲンは、一般的には8・9歳頃から、卵巣で分泌され、女性らしいからだ作りを助けるホルモンです。思春期においては、乳房の成長や子宮・膣の発育などを促すとともに、身長や体重の増加に役立ちます。女性ならではの丸みをおびたからだつきをつくるのも、エストロゲンです。分泌量が増える12歳前後になると、女性は初潮を迎えます。エストロゲンは、生理にも密接に関わっており、閉経まで、生理の周期ごとに分泌量の増減を繰り返します。その後、30歳半ばまで、分泌は活発に続きます。女性のからだの機能が整うこの頃は「性成熟期」と呼ばれ、妊娠や出産にも深く関わります。エストロゲンには、このほか、髪や肌のうるおいを保つ働きがあります。さらに、丈夫な骨を維持したり、コレステロール値の調整をしたり、動脈硬化を防ぐなど、様々な働きで女性のからだを守ってくれます。

プロゲステロン(黄体ホルモン):炎症物質プロスタグランジンを増殖

プロゲステロンは、エストロゲンとともに周期的に分泌されるホルモンです。生理がはじまって約2週間たつと、からだの中では排卵が起こります。この時に増えるホルモンがプロゲステロンです。プロゲステロンは子宮内膜をやわらかくして、妊娠の準備を整えます。妊娠が起これば、分泌はそのまま続き、出産まで子宮内膜を維持しますが、妊娠が起こらなかった場合、分泌量は約2週間で減少していき、子宮内膜が剥がれ落ちます。プロゲステロンはこの他に、乳腺の発達や、利尿作用に関わります。また、からだの体温を上げる働きがあるため、基礎体温を測ることで、自分の体の状態を確認することができます。

プロスタグランジンは「痛み、熱、腫れ」などの症状つまり炎症を引き起こします。炎症物質であるプロスタグランジンが増加されることで炎症が起きやすい状態になってしまいます。プロゲステロンは妊娠中期から後期にかけて増加し、月経時の10~30倍になると言われています。そのため、この期間は妊娠性歯肉炎が多く起こってしまいます。

妊娠中に歯茎が腫れたり痛みが出やすいのもこれが理由です。しかし、プラークがない綺麗なお口の中では基本的には炎症は起こらないか、起こったとしても軽度な歯肉炎です。炎症を引き起こす歯周病細菌が少ないほど症状も軽度ですみます。


今日は妊娠中の口腔内の変化についてお話ししました。明日は、「歯周病が妊婦に与える影響」についてお話ししていきます。