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知覚過敏について②

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日も昨日に引き続き、「知覚過敏」についてお話しします。


【目次】
1.知覚過敏の予防法
2.知覚過敏の治療費について
3.神経を極力残す方法とは?
4.神経を残すメリット


1.知覚過敏の予防法

  • 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
  • 正しいブラッシング方法で磨く
  • 酸性度の強い飲食物を控える
  • 噛み癖・食いしばりの悪習癖を改善する

①知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
知覚過敏用の歯磨き粉を使うことは自宅で簡単にできる予防法の一つです。この歯磨き粉には、歯の神経を鎮静させる成分が含まれています。

知覚過敏用の歯磨き粉を使うことは、歯医者受診前に自宅でできる予防法の一つではありますが、症状がひどい場合はすぐに受診するほうが悪化を防ぐためにも大切です。

②正しいブラッシング方法で磨く
受診前に自宅でできる予防法として、正しいブラッシング方法を意識して行うことが大切です。プラークや汚れを取り除き、虫歯や歯周病の予防を行いましょう。ブラッシングに不安がある方は早めにご相談ください。

③酸性度の強い飲食物を控える
知覚過敏の症状がある方は、酸性度の強い飲食物を控えることも重要です。炭酸飲料や酢の物、レモンなどが挙げられます。これらの飲食物を摂取することで、歯のエナメル質が溶けてしまい、知覚過敏が起こる可能性が高くなってしまいます。また、口腔内のpH値が下がり、虫歯の原因菌が繁殖しやすくなるため、虫歯のリスクも高まります。(ステファンカーブ

そのため、酸性度の強い飲食物を控えることが重要です。自宅での予防法としては飲食物を選ぶことや、飲食後に口をすすいで中性に戻すことが挙げられます。

④噛み癖・食いしばりの悪習癖を改善する
このような悪癖は、歯や顎の筋肉に負担をかけ、歯の摩耗や顎関節症の原因になることがあります。マウスピースを使用する方法が一般的です。また、ストレスを減らすことも大切です。ストレスが原因で癖が生じる場合は、ストレスを解消するための方法を探すことが必要です。

2.知覚過敏の治療費について

・クリーニング、ブラッシング指導:¥2000程度
・薬剤塗布:1歯¥1000程度
・レジン充填:1歯¥1000程度

①クリーニング、ブラッシング指導
クリーニングやブラッシング指導は、¥2,000円程度かかることが一般的です。クリーニングはプラークや歯石を取り除くことで、歯周病の原因となる細菌の増殖を抑えられます。また、ブラッシング指導は正しい歯磨きの方法を教えることで、虫歯や歯周病の予防につながります。

②薬剤塗布
薬剤塗布は、1歯¥1,000円程度かかることが一般的です。治療の方法や使用する薬剤によって費用が異なる場合もあります。表面に薬剤を塗布する場合は比較的簡単な治療であり、費用も安く抑えられます。一方、内部に薬剤を注入する場合はより深刻な症状に対応するため、より高額な費用がかかることを想定しておくと安心です。

③レジン充填
レジン充填は、1歯¥1,000円程度かかることが一般的です。レジン充填とは、虫歯治療の一つで虫歯の部分を削った後に、歯科用プラスチックであるコンポジットレジンを詰める方法です。

知覚過敏重度でが治らない場合、場合によっては神経の処置が必要な場合があります。当院では可能な限り極力神経は残す努力をしています。

3.神経を極力残す方法とは?

従来の保険範囲に限定した治療方法では、神経の近くまで達してしまった深い虫歯の場合、麻酔をして神経を取る治療が一般的でした。しかし、神経を取ってしまった歯は削る量も増え、極端にもろくなり、寿命が短くなってしまいます。出来る限り歯の神経は抜かないようにすることが、歯を長持ちさせることにつながります。

<根管治療した歯の特徴>
①削る量が多くなるため、歯が脆くなることが多い
②虫歯ができても症状が出ない(神経がないため痛みなどが出ない)
③根尖病変の再発のリスクがある

MTAなどの使用する薬剤の進歩により、VPT:Vital Pulp Therapy(歯髄温存療法)「歯の神経を残す治療」も可能になりました。最近では抜髄(神経を抜く治療)から、断髄(悪い神経を切断する治療)に移行してきています。

VPTは、
①直接覆髄法
②部分断髄法
③完全断髄法の三つに分類できます。

①直接覆髄法

虫歯を徹底的に除去した後、神経が露出した部分を消毒を行い、MTAなどの薬剤で蓋をし、再生を促す方法。

②部分断髄法

虫歯を徹底的に除去した後、神経が露出した部分と炎症や細菌感染のある神経を一部(約2~3mm程度)を除去し、MTAなどの薬剤で蓋をし、再生を促す方法。

③全部断髄法

虫歯を徹底的に除去した後、根の先の根管口という部分まで神経を除去してから、消毒を行い重点を行い再生を促す方法。

残っている歯髄が根尖部にほんのわずかだとしても神経は残すメリットの方があると思います。

<VPTを成功に導く条件>

  1. 処置当日に自発痛がない
  2. 冷刺激に対して反応がない or 一過性
  3. 温刺激に対して反応がない
  4. 過去に自発痛の既往がない or あっても一過性
  5. 歯髄の状態が新鮮・元気な状態かどうか
  6. 歯髄からの出血がすぐとまるか

4.神経を残すメリット

虫歯の進行に気付くのが遅れる

冷たいものがしみたり、歯が痛んだりすることで虫歯に気付けるのも、歯髄反応するからです。
痛みを感じるというのは神経の防御反応です。根管治療をした歯は虫歯になっても多くの場合は気付きません。かなり進行して穴がああいたりかけたりすると気づきますが、その場合手遅れのことが多いです。虫歯がかなり進行して歯茎が腫れたり、歯が虫歯によってボロボロになって初めて自覚症状として現れることが多いです。

②歯が折れたり、割れたりする可能性が高くなる

歯髄は歯に血液や栄養を送っているため、その機能がなくなると歯が脆くなってしまいます。
神経をとった根管治療をした歯を「枯れ木」とよく喩えます。生きている木はしなやかで折れにくいですが、枯れ木になると折れやすいイメージです。また、根管治療に至る歯は削る量が多く歯の強度が落ちてしまいます。辺縁隆線と言い、歯の外枠の梁がどれくらい残っているかが歯の強度に大きく左右します。これらが根管治療済みの歯が脆いと言われる理由になります。

③再根管治療の可能性がある

日本の根管治療の成功率は平均40%未満と言われてます。ラバーの不使用や、不適切な根管処置操作に原因があります。しかし根本には日本の保険制度にも原因があると思います…根管治療は回数をかければいいというわけではございません。特に初回の根管治療を精密に行うことができれば再初のリスクはかなり減らすことが可能です。当院では、ラバーダム下での精密根管治療を行っています。


今日は知覚過敏の続きから、神経保護を行う条件などをお話ししました。歯髄の診断、VPTについてはまた詳しくお話ししていきます。