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栄養学について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日まで免疫についてお話ししましたので、今日は「栄養学」についてお話しします。
1.栄養学とは?
栄養学とは、人間の身体をつくりエネルギー元となる「栄養」について研究する学問です。主に、管理栄養士を養成するための研究分野で、人間の健康と食物の関係を科学的に解明します。食物から得られる栄養は、人間にとって必要不可欠であり、栄養不足や極度の偏食は健康を損ね病気の原因にもなります。ヒトの身体のほぼ95~97%は、硬組織も含めて、毎日の食べ物で1~2年でかわってしまいます。血液は120日ほどで、皮膚は1~3か月で変わってしまいます。
<栄養価>
子供の頃よく祖父に野菜をたくさん食べなさいと言われましたが、実は野菜の栄養価は昔と比べるとかなり減少してしまっています。
現代の農作物は、昔と比較して含まれる栄養素が激減しています。理由としては、農薬 や化学肥料を使った効率優先の農業の結果があげられます。ほうれん草のビタミンCもにんじんのビタミンAもかなり減ってしまっています。
同等の栄養素を摂るためには、昔より野菜はいっぱい食べないといけません。
2.ビタミンとは?
人体の機能を正常に保つため必要な有機化合物で、体内ではほとんど合成することができないため食物から摂取する必要があります。その性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けることができます。
<水溶性ビタミン>
水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込み、過剰なものは尿として排出されます。そのため体内量が過多になることはあまりないと考えられています。しかし、すぐに排泄され体内に蓄えられないため毎日摂取する必要があります。水溶性ビタミンは体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンCが水溶性ビタミンに当たります。
<脂溶性ビタミン>
脂溶性ビタミンは水に溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。身体の機能を正常に保つ働きをしていますが、摂りすぎると過剰症を起こすことがあります。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがこの脂溶性ビタミンに当たります。
ビタミン | 機能 | 欠乏症 | 豊富な食品 |
---|---|---|---|
ビタミンA (レチノール) | 目の働きを保つ 成長や発育を促進する | 夜盲症、エナメル質形成不全 | うなぎ、レバー、にんじん |
ビタミンD | カルシウムとリンの吸収促進。 骨や歯へのカルシウム沈着、 石灰化促進 | くる病、骨軟化症 | 塩鮭、いわし、まぐろ |
ビタミンE | 抗酸化作用 | 貧血、色素沈着 | 大豆、うなぎ、 |
ビタミンK | 血液凝固に必要 骨のカルシウム結合タンパク質形成に関与 | 血液凝固能低下 | 納豆 |
ビタミンB1 | 糖質代謝を円滑にする 補酵素として働く | 脚気 | 玄米、落花生、豚肉、のり |
ビタミンB2 | 糖質、脂質、タンパク質の代謝を円滑にする 補酵素として働く | 口角炎、口唇炎、舌炎 | 焼きのり、レバー、うなぎ |
ナイアシン | 糖質、脂質、タンパク質の代謝を円滑にする 補酵素として働く | ペラグラ | 肉類、魚肉、きのこ |
ビタミンC (アスコルビン酸) | 結合組織に存在するコラーゲン生成促進作用 鉄吸収促進作用、 副腎皮質ホルモン生成促進作用 | 壊血病 | ブロッコリー、 じゃがいも |
3.ミネラルとは?
人体に必要な栄養素の一つで、カルシウム、リン、亜鉛、カリウムなどの総称です。ミネラルは体内での合成ができず、不足するとさまざまな不調が現れます。多量ミネラルと微量ミネラルに分けられます。
<多量ミネラル>
鉄を基準とし、体内の存在量が多い無機質
→カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム
・歯や骨をつくる
・電解質として浸透圧を調整する
・神経や筋肉の機能を調整する
<微量ミネラル>
鉄を基準とし、鉄と等量かそれより体内の存在量の少ない無機質。 1日当りの必要量が100mg
→鉄、亜鉛、銅、マンガン、要素、セレン、モリブデン、コバルト、クロム
・体内でさまざまな役割を担う有機化合物を構成する
・酵素やホルモンの作用に関与する
ミネラルは骨や歯のような体の構成成分であるとともに、体液中にあって生体の機能調節に重要な働きをしています。 体重の3~4%が無機質でできています。ミネラルは、バランス良く摂ることが重要です。ただ、食事から摂取したミネラルがすべて吸収されるわけではありません。種類によっては吸収率が数%しかなく、吸収されにくいミネラルもあります。また、食べ合わせや身体の状態によってミネラルのの吸収率は変化します。カルシウムは、食塩・アルコール・カフェインと一緒に摂取した場合や閉経後、高齢になったときには吸収されにくくなってしまいます。さらに、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高く、同じミネラルでもタイプが異なると吸収率に違いが生じることもあります。
必須ミネラルの種類ごとに摂取源となる食品は異なり、さまざまな食品からそれぞれのミネラルを摂る必要があります。ミネラル不足にならないためにも、食事の際は摂取源となる食品の種類にも目を向けながらバランス良く食べましょう。普段の食事で補うのが難しい場合には、サプリメントなどの栄養補助食品を活用するのも一つの方法です。
当院は管理栄養士が在籍しています。栄養に関する質問も対応可能です!明日は、各ミネラルの特徴についてお話しします。