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ミネラルについて

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日の栄養学に続いて、今日はミネラルについて詳しくお話しします。



ミネラルの種類と働き

①不足しがちなミネラル、②過剰摂取に注意が必要なミネラル、③不足や過剰摂取の心配が少ないミネラルがあります。順に説明していきます。

<不足しがちなミネラル>

カリウム

国立 歯医者 ミネラル

カリウムは野菜だけでなく、ひじきや海藻にも豊富に含まれています。また果物にも多く含まれバナナは簡単に食べられるのでおすすめです。水に溶け出しやすい成分のため、動物性食品からカリウムを摂る際には、調理の仕方にも工夫が必要です。

高血圧を予防する
カリウムは、体内で過剰になったナトリウムを、汗や尿として体外に排出する役割があります。体内のナトリウム濃度を一定に保とうと、カリウムがバランスをとっています。過剰なナトリウム摂取は、高血圧の要因のひとつとされています。高血圧が気になる人は、カリウムを積極的に摂りましょう。普段の食事で過剰になりがちな塩分を控えるのも重要です。

むくみを解消する
カリウムはむくみの解消にも役立ちます。むくみは、体内で水分の流れが悪くなり、体の中に水分を溜め込むことで起こります。先ほども出てきたナトリウムは、むくみの原因のひとつとされています。食事からの塩分摂取量が増えると、体内の塩分濃度を薄めようと、体が水分を溜みます。この場合もカリウムを豊富に含んだ食べ物を摂取しましょう。カリウムを摂り、体内でナトリウムとのバランスを保つことで、むくみの解消が期待できます。

筋肉の動きを正常に保つ
カリウムは、ナトリウムとともに、神経伝達や筋肉の収縮において重要な働きを担っています。カリウムやナトリウムが細胞に出入りすることで、電気信号が発生し、神経を伝って伝達し、筋肉を収縮・弛緩させています。カリウムが不足すると、筋肉が正常に動作せず、けいれんや運動能力の低下を引き起こす場合があります。

カルシウム

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カルシウムは、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻などに多く含まれます。牛乳や乳製品は、他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高く、1回の摂取量も多いので、効率よくカルシウムがとれるのでお勧めです。

骨や歯を丈夫にする
体内のカルシウムは約99%が骨と歯に存在します。骨や歯を丈夫に整えている大切な栄養素になります。

カルシウムの残りの1%は、その他の細胞などに存在しています。このわずか1%のカルシウムが、筋肉の収縮・弛緩や、心臓を動かすなど切な働きをしているのです。その他、神経の情報伝達、血液の凝固、ホルモンの分泌調整、免疫細胞の活性、受精など生命の誕生・成長・活動などに関与する大切な働きをしています。

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鉄分は必須ミネラルの1つで、体内に酸素を運ぶ赤血球タンパク質・ヘモグロビンの成分になります。人間が自力で体内合成することができないため、食物から摂取する必要があります。鉄分が不足すると貧血や運動機能の低下などの症状に悩まされるケースも多く、身体にとって重要な栄養素です。レバーやアサリなどにも多く含まれます。

食生活の偏りにより栄養バランスが崩れてミネラル不足に陥ると、鉄分も必要な量が体内に供給されなくなります。また女性は月経時に出血の影響で鉄分が失われたり、妊娠中に胎児の栄養として消費されるため、特に不足しやすく注意が必要です。鉄分は血液中に酸素を運ぶ働きをしており、不足すると身体が酸素不足となり貧血のほか動悸や息切れ、頭痛などの症状が表れます。さらに乳幼児の場合は、精神・運動機能の発達への支障も心配されています。

鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は日本でもっとも多く見られる貧血です。次の症状がある方は早めに内科を受診しましょう。

  • スプーン状の爪
  • 舌炎、口角炎
  • 氷などの異食症
  • 足がむずむずする
  • 飲み込みにくい

とくに月経のある年代の女性に多く、妊娠・授乳中にもよくおこります。また、男女関わらず成長期には鉄の必要量が増えるため、鉄欠乏性貧血がおこりやすいので注意が必要です。赤血球中のヘモグロビンは、ヘムという鉄とグロビンというタンパク質が結合してつくられています。ヘモグロビンの赤茶っぽい色は鉄の色で、その大部分が鉄で構成されています。

<鉄欠乏性貧血の検査・診断>

  • MCV(赤血球の大きさを示す数値)が80以下
  • 血清鉄が40μg/dl以下
  • 血清フィリチン(体内の貯蔵鉄量を示す)が低下 12ng/mL未満
  • TIBC(総鉄結合能)・UIBC(不飽和鉄結合能)が高値

亜鉛

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牡蠣に亜鉛が豊富に含まれていることはよく知られています。肉類の中では牛肩赤身肉、牛もも赤身肉、豚ヒレ肉、豚肉(レバー)などにも豊富に含まれます。亜鉛はタンパク質を多く含んでいる肉類と一緒に摂取することにより、タンパク質合成が促進されます。

亜鉛が不足すると、貧血や味覚障害などを引き起こします。貧血は先ほどの鉄欠乏性貧血をイメージしやすいですが、亜鉛も酸素を運搬する赤血球を増やすために必要な栄養素であるといわれています。また、味覚障害も亜鉛不足が引き起こす症状のひとつです。亜鉛は汗に含まれていることが多いので、発汗量が多い方や体をよく動かす方は、意識して摂取するようにしましょう。

<味蕾(みらい)>

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糸状乳頭以外の乳頭には味蕾という味を受け取る受容器が存在しています。味蕾の寿命は約10日で、成人で5000~7500個、高齢になるほど減少傾向にあります。この中の一部に存在する味細胞は唾液や水に溶けた飲食物に含まれる化学物質(味)を受容し、信号として神経を伝導し、脳によって味の種類を感知できるというシステムになっています。

<過剰摂取に注意が必要なミネラル>

ナトリウム

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ナトリウムの主なはたらきは、体の水分を調節することです。ナトリウムは、人間の体では主に、体を形作る細胞の外側にある体液の中に存在しています。ナトリウムはこの体液の浸透圧を調節することで、体内の水分を保っています。

味の濃いものや塩辛いものは美味しいけど塩分の摂りすぎには注意しましょう。夏場など汗をたくさんかく季節は逆に不足にも注意が必要です。

マグネシウム

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海藻類や豆類に豊富に含まれています。また、ミネラルウォーターには、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが多い「硬水」もあります。

  • 骨や歯の成長を助ける
  • 酵素の働きをサポートする
  • 腸内水分量を増やす
  • 筋肉の収縮を制御する
  • 神経の興奮を抑える

食物からエネルギーを産み出すことにも関与しており、健康維持のためには欠かせないミネラルになります。

リン

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体内のリンの85%は骨や歯の成分として存在し、カルシウムとともにリン酸カルシウムの一種であるハイドロキシアパタイトとして、骨格を形成する役割を担っています。また脂肪やたんぱく質と結合することで細胞膜や核酸の構成要素としてエネルギー産生(ATP)において生理的で重要な役割を担っています。

リンの過剰摂取は通常無症状であるが心血管疾患病のリスクになります。スナック菓子やファストフード、カップ麺などに多く含まれます。一人暮らしやコンビニでの食事が多い方は要注意です。

セレン

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あまり知られていないミネラルかと思いますが、抗酸化作用があるミネラルになります。強い酸化作用をもつ活性酸素は、細胞を傷つけて老化させるといわれている物質です。セレンはこの活性酸素の働きを弱め、老化を防ぐ効果があります。

パスタやうなぎ、イワシなどにも多く含まれます。100gあたりのセレンの含有量がもっとも多いのはたらこです。たらこには100gあたり130μgのセレンが含まれています。セレンが不足することはあまりありませんが、必要量と中毒量の差が非常に小さいことから、過剰摂取には注意が必要です。呼気からニンニク臭がしたり、口腔内が金属のような味がしたりする場合は、過剰摂取の可能性があります。過剰摂取により、以下の症状が見られることがあります。
・脱毛
・筋肉の痙攣
・下痢
・関節痛


体の維持に必要なビタミン・ミネラルですが、過剰摂取には十分注意しましょう。効率よく摂取できる食事方法や食べ合わせなどについてもこの先お話しします。