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Myo Functional Therapyについて
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日はMFT:Myo Functional Therapy口腔筋機能療法についてお話しします。以前簡単に書きましたのでそちらも合わせてご確認ください。
【目次】
1.MFT:口腔筋機能療法とは
MFTは、Myo Functional Therapyの略称で、口腔筋機能療法ともいいます。MFTとは、口腔周囲の筋肉を正しい動きに改善をすることによって、歯並びと舌の癖などの悪習癖を治していくトレーニングのことをいいます。筋トレのように負荷が強く大変なものではないのでご安心くださいね。
MFTの目的は、食べる(咀嚼)、飲む(嚥下)、発音、リラックスしているときの呼吸のときの舌や口唇の正しい位置への改善をし、MFTを行っていくことで口腔周囲の筋肉のバランスを正常に整え悪い癖を治していくことです。歯は口腔内からは舌の圧力がかかり、口腔外からは頬や唇などの筋力の圧力がかかっています。この口腔周囲の筋力の圧力や舌の圧力のバランスを正常に整えないと、矯正治療をした後でも後戻りをしてしまい原因になります。
<歯並びが悪く要因>
歯並びが悪くなる要因には様々な要因がありますが、大きく分けると①遺伝的要因と②環境要因の2つで説明されます。
①遺伝的要因
歯が大きい、顎が小さいなどの要因のことで、親の遺伝の影響が大きいです。通常の歯列矯正を行うことが一般的です。
②環境要因
口腔周囲筋の機能不全や、頬杖などの悪習癖、悪い姿勢などのことで、生活習慣の改善や口腔筋機能療法を行っていきます。
この二つが改善できないと、正しい歯並びを獲得したとしても維持することが難しくなります。
※悪習癖:指しゃぶり、頬杖、丸飲みなどの悪習癖、悪い姿勢、その他様々な原因が歯並びを崩す原因となります。 これらの習癖は後天的な要因です。生活習慣の改善により修正が可能です。
👆悪習癖にセルフチェックをしてみましょう!
- いつも口が空いている
- 食べる時くちゃくちゃ音を立てて食べている
- 唇が乾燥し荒れやすい
- 風邪など体調を崩しやすい
- 猫背
- よく噛まずに飲み込んでしまう
- 足のつかない椅子で食事をしている
- 水がないと食事できない
- 硬いものを食べるのが苦手
- 舌先がいつも前歯に触れている
- 唇に力が入ってしまっている
- 水を飲む時唇に力が入る
- 頬杖
- 横向きで寝ている
- 爪を噛む
- 唇を噛む
- 指しゃぶり
ひとつでも方は要注意です。歯並びが悪くなってしまう可能性があります。早めに受診しましょう!
口腔周囲の筋肉の不調和は不正咬合の原因となることがよくあります。指しゃぶり、口呼吸、低位舌、舌突出癖、といった口腔習癖は歯列に大きな影響を与えることが知られています。これは、歯列が舌や口腔周囲筋の調和がとれた場所に位置する性質を持つためです。
<安静時の舌の正常な状態>
- 舌尖がスポットについている。
- 口唇は軽い力で閉じている。
- 上下の歯の間は数㎜あいている。(安静空隙)
- 鼻で呼吸している。
開咬
舌の位置が正しくない(前歯の間に挟む形)状態だと、前歯が噛み合わず開咬のリスクが高くなってしまいます。
<安静時の嚥下の状態>
- 舌尖はスポットについている
- 嚥下時に臼歯をかみしめる
- 舌後方部が挙上し軟口蓋と接する
- 口唇・顔・全身をリラックスして飲み込む
嚥下時に舌が前方に出てしまうため、歯列が外に押され隙間が空いた空隙歯列になるリスクが高くなってしまいます。
2.口腔筋機能の異常について
原因としては以下のものが考えられます。
- 指しゃぶり
- 巨大舌
- 舌小帯の付着異常
- 外傷、虫歯による乳歯の早期喪失
- 永久歯の先天欠如
- アレルギー性鼻炎、アデノイドや口蓋扁桃肥大などの鼻咽腔疾患
- 口腔周囲筋の筋力低下
3.トレーニングの方法について
①ポッピング
舌の裏の筋がピンと張るように、舌全体を上あごにしっかり吸い付けて、ポンっと舌打ちをします。
②スポット
舌の先をスポットにつけて、ストローを犬歯の後ろあたりで軽く噛んで唇を閉じたまま、30分ほどそのままにしますTVを見たり、読書中にも行えます。
また、この状態でスプレーで横から奥歯に向かって水を入れ、音を立てて水を吸い込みます。後ろに水を集めたら、奥歯を噛んだまま水を飲み込みます。正しい嚥下では口唇は軽く閉じていますが、この練習では口唇を開けた状態で飲み込みます。鏡で嚥下時の舌の状態がチェックできますので、舌が前に出てこないように、また舌の先をスポットから離さないようにしましょう。
他にもたくさんありますが、お家でも意識を変えるだけで簡単に行うことができる二つの方法を説明させていただきました。
子供の発育成長期に悪い習慣がつかないよう日頃からチェックしていきましょう。早めの対策とトレーニングで不正咬合にならないよう頑張りましょう。これだけで歯並びが治るわけではないので、すでに歯並びが重なってたり気になる方は一度早めにご相談ください。