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加齢に伴う変化①

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は「加齢に伴う体のさまざまな変化」についてお話しします。



1.高齢者の身体的特徴

 高齢者は加齢に伴い身体の各器官を構成している細胞数の減少や細胞自体の働きが低下することで生理的老化が進行します。生理的老化の進行によって臓器機能の低下や恒常性維持機能の低下、病気の合併症や併発などの身体的特徴がみられます。

2.加齢変化

加齢に伴い、個々の細胞やすべての臓器で変化が起こり、体が変化していきます。それにより機能面や外見が変化します。老化は徐々に進んでいく自然な変化の過程で、成人期早期から始まります。中年期早期から、多くの身体機能が徐々に低下し始めます。

①細胞の老化
加齢とともに細胞が老化し機能も衰えてしまいます。古い細胞が最終的に死滅することは体の正常な機能の一部です。古い細胞が死ぬプログラムがわれわれ生物には組み込まれています。細胞の遺伝子には、誘発されれば細胞死に至るような過程がプログラムされています。アポトーシスと呼ばれるこのプログラムによる細胞死は、細胞の老化は1つの引き金になります。

古い細胞が死ぬ理由は、細胞分裂の回数があらかじめ決められているからです。決められた回数しか分裂できず、この制限は遺伝子によりプログラムされています。細胞はそれ以上分裂できなくなると、膨張し、その後しばらくしてから死滅します。

国立 歯医者 加齢変化

細胞分裂を制限する仕組みとして、テロメアという構造が関与しています。テロメアは、細胞分裂の準備過程で細胞の遺伝物質を移動させるのに使用されます。細胞が分裂するたびに、テロメアは少しずつ短くなります。最終的に、テロメアが短くなり、細胞がそれ以上分裂できなくなり細胞分裂が停止すると、それを老化と呼びます。

②骨と関節の老化
加齢とともに骨密度は低下していく傾向にあります。骨密度の中等度の低下を骨減少症といい、骨密度の重度の低下を骨粗鬆症といいます。骨粗鬆症になると、骨が弱くなり骨折しやすくなってしまいます。女性では閉経後にエストロゲンの生成量が減るため骨密度の低下が急激に進み、骨の形成・破壊・再形成という体の正常な過程の中で、エストロゲンは骨が過剰に破壊されるのを防ぎます。骨密度の低下原因にはカルシウム含有量の減少があります。食事から吸収されるカルシウムが少なくなるため、カルシウム量が減少します。また、体のカルシウム利用を助けるビタミンD量もわずかに減少します。

また、脊椎上部の椎骨の変化により、頭が前に傾き咽を圧迫します。その結果飲み込むことが困難になり、窒息を起こしやすくなります。椎骨密度が低下し、その間の椎間板は体液を喪失して薄くなり、脊椎が短くなります。そのため高齢者は背が低くなります。

3.顔貌の変化

国立 歯医者 加齢変化

顔貌の変化には大きく二つの原因が考えられます。

①頭蓋骨の変化と背筋の衰え
顔は一般的に40歳位から崩れ始め、50歳を超えると顔のしわやたるみが急速に目立つようになってきます。その原因は、顔面骨の骨密度の減少が考えられます。骨が縮むことによって、骨に付着していた筋肉が重力により下がり、たるみが生じると考えられます。また、背筋が衰えて姿勢が悪くなると、重力でさらに下がります。研究報告によると、40代の頭蓋骨の骨量が約650gだったのに対し、70代は約280gにまで減少した事例があるとのことです。

※女性の方が骨量が減りやすい
女性の骨は、女性ホルモンによって守られています。しかし、閉経を境に女性ホルモンの分泌が大幅に減少してしまうため、特に閉経後は骨を減らさないよう意識して生活しないと骨粗鬆症が一気に進行してしまいます。

②顔面筋の変化
筋肉の活動量が減少してしまうためたるみにつながります。

また、最近だとマスクの着用が増え表情筋の活動がさらに減少しています。マスクを装着し続けていると息苦しくなり、口をぽかんと開けて呼吸しがちになります。その状態が続くと口角が下がって口が「への字」になってしまいます。

4.老化を防ぐためには?

顔の老化を防ぐには、骨を強化する栄養素であるカルシウムビタミンDタンパク質を積極的に摂流ようにしましょう!

①カルシウム
カルシウムは体内に吸収されにくいと言われています。そのため、吸収を助ける「レモン」と一緒に摂るのがおすすめです。レモンに多く含まれるクエン酸には、カルシウムを溶けやすい形に変える「キレート作用」という働きがあります。さらに、むくみを改善する働きがある「へスペリジン」というポリフェノールを含んでいるので、顔痩せにも効果的です!カルシウムは牛乳やヨーグルト、海藻類、しらすなどに多く含まれます。

②ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの摂取量が少ない時に、尿からカルシウムが出ないように再吸収を促しています。ビタミンDを摂取すると、カルシウムの血中濃度が一定に保たれるという働きが期待できます。ビタミンDはしらすや鮭、さんま、ウナギなど魚に多く含まれています。

③タンパク質
骨は、カルシウムとタンパク質であるコラーゲンから出来ています。タンパク質が不足すると、骨を作る際のバランスが崩れ脆くて折れやすい骨になるリスクがあります。タンパク質は肉や魚、卵、乳製品などに多く含まれます。


今日は加齢に伴う全身の変化についてお話ししました。明日は口腔領域、顔面領域の加齢変化についてお話しします。