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MFT② 食べる機能

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日、小児の歯並びについてお話ししました。今日は以前のMFTの続きをお話しします。以前もお伝えしましたが、「おくちポカン」、「食べ方がおかしい」、「話し方がおかしい」子が増えてきています。口腔機能の発達が影響することが多いのでその対策についてお話しします。医師薬出版の次の書籍を参考に書いています。


【目次】

1.食べる機能について
∟①形態に原因がある場合
∟②環境に原因がある場合
∟③機能に原因がある場合

2.呼吸の機能について
3.話す機能について

国立 歯医者 MFT

1.食べる機能について

幼児期・学童期の食事習慣はこの先の口腔機能の発達成熟にとても重要になります。まだ、獲得・習熟に発達期のいこの時期は、食べることを覚え、その機能を維持していく途中の段階です。そのため、普段のご家庭の食事の際にも気になること困りごとが多いかと思います。

  • よく噛まない
  • 口に溜め込み、飲み込まない・飲み込めない
  • お口いっぱいに頬張る
  • 噛まずに丸呑みする
  • よく口からこぼす
  • くちゃくちゃ音を立てて食べる

食べる機能は個体差が大きいです。まだ幼い子だと、食べずに遊んでしまったりと他の悩み事も多いかと思います。我々歯科医師は、その子の発育に合わせて食べる機能を十分に引き出し口腔機能を保護者とともに育成していくことがとても重要です。歯科医院での定期検診の際に口腔機能の発達についても定期的にチェックしていきましょう!

定期検診時のチェック項目としては、

  • 歯列や咬合に問題がないか
  • 歯の交換期ではないか
  • 虫歯はないか
  • 口唇閉鎖不全がないか
  • 舌小帯の付着異常がないか
  • 口腔習癖がないか

などがあります。それぞれ細かくお話ししていきます。

1-①.形態に原因がある場合

<歯列・咬合に問題がある>

国立 歯医者 MFT

開咬

口唇が閉鎖しにくく食べ物を前歯で噛み切ることができない。

国立 歯医者 MFT

反対咬合

捕食や前歯での噛み切りが困難となる。舌位が低位で舌の協調性が未熟となり咀嚼運動の発達が阻害されやすい。

国立 歯医者 MFT

過蓋咬合

噛み合わせが深く捕食や前歯での噛み切りが困難となり、その後の咀嚼にも影響しやすい

国立 歯医者 MFT

交叉咬合

上顎歯列弓の狭窄があるため上下顎臼歯部の片側的な被蓋関係に問題が起こり、偏咀嚼の原因になることもある。咀嚼パターンの左右差が現れやすい。

これれの咬合の問題があると、顎の成長や食べる機能の発達に影響することがあります。問題を発見した時点で早急に対応が必要となる可能性があります。一度早めにご相談、矯正専門医の診断も受けましょう。

<歯の交換期にあたる>

歯の交換期は、乳歯に喪失により一時的に捕食や咀嚼に影響が出る時期です。この時期は、食べる機能に問題がないかも合わせてチェックしましょう。

①前歯部の交換期
前歯の交換期には歯の隙間から舌が出やすくなります。舌突出癖がついてしまわないよう注意しましょう。正しい舌の位置を覚えさせたり(スポット)、口唇を閉鎖して咀嚼するよう指導しましょう。永久前歯の萌出後には、食べ物を側方からではなく正面から更新を閉じてかじりとるよう指導しましょう。

国立 歯医者 MFT

②臼歯部の交換期
側方歯部の交換期には一時的に咀嚼がしにくくなります。片咀嚼や前歯で咀嚼する癖がつきやすいため注意が必要です。最後方臼歯部で咀嚼するよう指導するため、臼歯部の咬合関係を確認しましょう。

<虫歯がある>

痛みを伴う虫歯や乳歯の早期喪失は咀嚼能力に影響があるほか、永久歯歯列にも悪影響になります。早期に治療しましょう

1-②.食事環境に原因がある場合

食事時間が不規則だったり、起床就寝時間などの生活リズムが不規則な方は注意が必要です。また、外遊びや運動が足りていない場合、お腹が空かず食事が進まないことがあります。適度な運動をするようしましょう。

国立 歯医者 MFT


食事の時の姿勢が悪いと上手に食事することができません。テーブルや椅子の高さを確認しましょう。足がふらふらしているとしっかり噛むことができません。テーブル、椅子の高さに気をつけましょう。

1-③.機能に原因がある場合

・口腔周囲筋が弱く口唇を閉じられない
・舌小帯付着以上がある
・口腔習癖がある    方は要注意です。

<口腔周囲筋>
口呼吸や口唇の弛緩は食べ物を捕食・咀嚼する時の口唇の閉鎖を妨げます。鼻咽頭に疾患がある方や不正咬合がある場合は早期にMFTを行うことが必要です。

オススメのMFT
①リップマッサージ
②ボタンプル
③風船を膨らます

<舌小帯付着異常>
舌小帯が短く、舌が左右・上下へ運動するのを妨げます。咀嚼時に臼歯部に食べ物を運ぶのが困難で嚥下時にも舌を口蓋へ押し当てにくいため嚥下がしにくくなります。舌の運動障害や発音障害などがある場合は、舌小帯切除を行うこともあります。

<口腔習癖がある>
指しゃぶりや舌突出癖、咬唇癖、吸唇癖、爪などを噛む癖などがある場合口腔機能にも影響します。心理面にも配慮し、口腔習癖の中止を勧めましょう。


口唇を閉じ臼歯部でよく咀嚼し嚥下する正しい食べ方を習得すること、成長期にある子供の口腔筋機能の調和にも重要です。保護者とともに子供の成長を確認し、食べる機能について興味を持ってもらえるようアプローチしていきましょう。明日は、呼吸の機能についてお話しします。