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顎関節について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は顎関節症の復習をしましょう!顎関節症は聞いたことがある方も多いかと思います。今日は正常な顎関節の構造や機能についてお話しします。



1.顎関節とは?

顎関節は頭蓋骨と下顎骨をつなぐ関節です。関節の上の骨と下の骨の間には関節円板という軟骨のクッションがあります。顎関節は体の中の他の関節と異なり,左と右の2ヵ所の関節が同時に動いてお口を開けたり閉めたりしています。左右に一対の関節は多くありますが、それが左右同時に動く関節は顎関節だけになります。顎関節の動きは、関節円板という組織がとても重要な働きをしています。

<構造>

国立 歯医者 顎関節

頭蓋骨の側頭骨に下顎窩/関節窩というくぼみがあります。ここに下顎骨の下顎頭/関節頭が収まっています。骨同士が直接繋がっているわけではなく、一般的に軟骨とよばれる軟組織によって関節を構成しています。骨と骨の間でクッションの役割を果たしているものが関節円板で関節腔には滑液が満たされて関節包を形成し関節円板の前方に関節結節があります。

国立 歯医者 顎関節

喋るとき、食べるときの口の開け閉めは下顎骨が動きますが、この動きは下顎骨に繋がるたくさんの筋によって起こっています。会話や咀嚼にはこれらの筋がバランス良く働いて口の開け閉めをおこなっています。

顎を動かした時にジャリジャリなったり、カコンとなったりするのはこの関節円板の動きに異常があるためです。関節円板はクッションの役目もしており、骨同士が直接こすれ合わないようになっています。関節円板のおかげで、顎関節はなめらかに動くことができます。しかし、関節円板は動きやすいよう、前後の連結がゆるやかになっているため、関節円板が前後に動いているうちに後部組織が伸びてしまい、関節円板が前方にズレたままになってしまうことがあり、口を開け閉めするときに「カクカク」と音がしたり、口が開けにくくなる原因となることもあります。特に、噛みしめることが多くなると側頭筋や咬筋などの口を閉じる筋肉によって、顎が後退し、顎関節が押し込まれるようになるため、関節円板が前方に変位しやすくなります。

2.顎関節の運動とは?

顎関節は先ほどもお話ししたように、左右にまたがる構造をしており、動き方も左右独立して動くことが可能です。また、回転・滑走という2種類の運動が行えるのも他の関節と大きな違いになります。

<側方運動>

国立 歯医者 顎関節

顎を左右に動かす時、左右のそれぞれの顎関節は異なる運動を行います。右側方に大きく動かす時、図のように左の顎関節の位置が大きく変化します。この時、右の顎関節も協調して動いています。

このように、一方が動くと他方も強調して動く関節のことを副関節と言います。私たちには多くの関節がありますが、このような動きをする関節は顎関節だけです。

<回転運動>

国立 歯医者 顎関節

顎を開ける時、初期の運動は回転運動になります。左右の顎関節をのほぼ中心を軸とした回転運動になります。回転運動だけの場合少ししか開口ができません大きく口を開けるためには、次の滑走運動が重要になります。

<滑走運動>

国立 歯医者 顎関節

回転運動後、下顎頭が滑走し動くことにより大きく開講することが可能になります。正常だと平均45mmほどお口が開きます。

回転運動と滑g走運動を両方できる関節は顎関節以外他にはありません。また左右独立した動きが可能なのも顎関節の珍しい特徴です。左右どちらかの関節の動きが悪くなっても、お口を開けることができてしまいます。この場合開口路が左右にズレて現れます。例えば、トラクターが右に曲がるときに右のキャタピラを止め左のキャタピラだけを動かして車体が右に曲がっていくのに似ています。

3.顎関節の異常について

顎関節に異常がある場合、開閉口や顎運動に支障が出てきます。もともと顎関節の変形がある方もいますが、後天的に異常が出てくることがほとんどです。生活習慣や口腔内の状況により顎関節の運動に異常だ生じます。一般的に顎関節症とよばれる症状です。

<顎関節症>
顎関節症とは口を開けたり閉めたりするときに顎関節がジャリっ、カクッ、ポキッと音がする、口が開けにくい、あごが痛いなどの症状がみられる病気です。また、これらの症状のほかに頭痛、肩こり、めまい、目の疲れなどの多様な副症状がみられることもあります。

 顎関節症は2人に1人が経験するともいわれる病気です。代表的な症状の1つに顎関節の音がありますが、音だけでほかに症状がない、もしくはあっても一時的であれば特に治療の必要はなく、実際に治療が必要になる人は顎関節症のうち5%程度ともいわれています。顎関節症は頬杖えなどの日常の無意識の習慣などが原因になっていると考えられており、これらを改善することで症状が自然と軽快することも多いです。顎関節に何らかの症状がある人の割合に男女差はないものの、医療機関を受診する人は女性が多く、特に若い女性と中年女性が多いとされています。


今日は顎関節の構造についてお話ししました。明日は顎運動に関わる筋肉についてお話しします。