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子供の歯のお話し①

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。

国立 歯医者 小児 こどもの日

今日はこどもの日ですね。当院は祝日も10:00~16:00までやってますので急なトラブルの際も連絡ください!今日はこどもの日なので子供の歯のお話をしていきます!前回の子供の歯の記事も合わせて読んでください!


【目次】
1.乳歯の特徴•役割
2.リーウェイスペース
3.ターミナルプレーン
4.Angleの不正咬合の分類
5.保隙装置


1.乳歯の特徴•役割

<特徴>
乳歯は永久歯と比べて大きさは小さく、エナメル質・象牙質の厚みが半分程度しかないため、虫歯になりやすく進行もとても早いという特徴を持っています。
そのため、2~3か月程度でも神経に達するような虫歯に至ってしまうこともしばしばあります。
また、乳歯と永久歯の色を比べると、永久歯は黄色っぽいのに対し、乳歯は白いため、永久歯が最初に出てくると黄色い歯が出てきたように感じるかもしれません。

<役割>
永久歯が生えるまでの間、物を咬むための役割はもちろん重要ですが、もう一つ大きな役割として、永久歯の生えてくるスペースを維持するという役割があります。(保隙)
通常、乳歯の生えていた所に永久歯は生えてきますが、乳歯を早期に失ってしまうと、周りの歯の移動が起こり、失った乳歯の下から出てくる永久歯の生えるスペースが無くなってしまい、歯並びが悪くなってしまう可能性があります。

国立 歯医者 リーウェイスペース

ここで重要なのが「リーウェイスペイス」です。

2.リーウェイスペース

永久歯は乳歯より大きいため、きれいに生え代わるためにはいくつかの条件があります。生え代わりの時期が早い下の4本の前歯では5mm以上、上の4本の前歯では7mm以上の幅が不足します。この乳歯と永久歯の大きさの差を補うためには、隣り合った乳歯間のすき間が重要です。元々乳歯の歯並びには生理的空隙(せいりてきくげき)と呼ばれるすき間がありますが、このすき間が少なかったり、閉じている場合は、永久歯の大きさを補い切れないため、うまく並ぶことができません。生理的空隙に加えて、永久歯の前方への傾斜や、顎の骨を含めた歯並びの大きさの成長も、不足するすき間の大きさを緩和するのに役立ちます。

乳切歯の生え代わりから2年程遅れて生え代わり始める乳犬歯・第1乳臼歯・第2乳臼歯の3本の乳歯と、その下から生えてくる犬歯・第1小臼歯・第2小臼歯の大きさの差は、きれいな歯並びができるためにはとても重要な要素です。この側方歯群の大きさの差リーウェイスペースと呼ばれ、特に、最後に生え代わる第2乳臼歯は最も大きな乳歯で、その下から生える第2小臼歯よりかなり大きいため、生え代わりの時期に、ここの余ったすき間をうまく利用することで、歯並びの多少のデコボコは解消できます。

また、第2乳臼歯の後ろ側の面は、第1大臼歯が生えるための誘導面となるため、上下の第2乳臼歯の位置関係に異常があると、その後ろの第1大臼歯のかみ合わせのでき方に大きく影響します。さらに、唇や頬の筋肉は歯を外側から押す力となり、舌の筋肉は歯を内側から押す力となるため、これらの口の回りにある筋肉の働きのバランスも、歯がきちんと並ぶ要素となります。

以上のような色々なメカニズムが互いに作用することにより、小さな乳歯が生えていた場所に大きな永久歯が並ぶことができます。

3.ターミナルプレーン

次に永久歯への生え変わり•歯並びを予測する上で重要なのがターミナルプレーンです。乳歯の最後方の歯の面のズレのことを言います。上下第2乳臼歯(5番目の乳歯)遠心面の前後関係が将来の永久歯のかみ合わせにとって重要になります。

国立 歯医者 ターミナルプレーン

<垂直型
アングル1級(正常咬合)
になりやすい

国立 歯医者 ターミナルプレーン

<遠心階段型
アングル2級(出っ歯)
になりやすい

国立 歯医者 ターミナルプレーン

<近心階段型
アングル3級(受け口)
になりやすい
4mm以上のズレは骨格性

Angleの不正咬合の分類は、歯列不正を評価する上で欠かせないものです。

4.Angleの不正咬合の分類

 Angle(1899)が発表した不正咬合の分類で,上下顎の咬合を上下顎歯列弓の近遠心的関係だけに焦点をあてて分類したものである。すなわち,上顎第一大臼歯の位置(上顎第一大臼歯の位置不変説)をその基礎として、上顎歯列弓に対する下顎歯列弓の近遠心的な関係を上下顎第一大臼歯の咬合関係によって評価したものである。

 Angle の不正咬合の分類では,上下顎の第一大臼歯の咬合関係を頰側面からみて,上顎第一大臼歯の近心頰側咬頭の三角隆線が下顎第一大臼歯の頰面溝に接触し,舌側面では上顎第一大臼歯の近心舌側咬頭が下顎第一大臼歯の中心窩に咬合するものを正常としている。

国立 歯医者 Angle

上下第一大臼歯の咬合関係が正常

国立 歯医者 Angle

下顎第一大臼歯が上顎第一大臼歯に対して遠心に位置
1類・・・上顎前歯の唇側傾斜、口呼吸を伴う

国立 歯医者 Angle

下顎第一大臼歯が上顎第一大臼歯に対して遠心に位置
2類・・・上顎前歯の舌側傾斜を伴う

国立 歯医者 Angle

下顎第一大臼歯が上顎第一大臼歯に対して近心に位置

医師薬出版株式会社 第6版 歯科矯正学より

保隙装置とは、乳歯を早期に失った場合に永久歯が生えてくるのに必要となるスペースを確保するための装置のことです。乳歯がなくなったことでできた空間にとなりの歯などがずれ込んでくるのを防止します。保隙装置を使うと、乳歯がなくなっても永久歯が正しい位置にまっすぐ生えてくるように誘導することができます。
やむを得ず乳歯を失ってしまった場合でも、保隙装置を使って永久歯の歯並びが悪くなることを避けなければなりません。ただし、通常の生え変わりによって自然に乳歯が抜け落ちた場合には、保隙装置を使う必要はありません。乳歯を早期に失った場合には使った方がいいです。


5.保隙装置

(1)バンドループ

国立 歯医者 保隙装置 バンドループ

乳歯がなくなってできた空間を維持するために、歯にバンドを巻いてそこにループを取りつけます。太いワイヤーで歯を支えることによって、抜けて出来たスペースに歯が倒れ込んでしまうのを防ぎます。
このようにして確保した場所に永久歯が正常に生えてきたらバンドループは取り外します。



(2)クラウンループ

国立 歯医者 保隙装置 クラウンループ

作りはバンドループと似たものです。バンドループが支えとなる歯にバンドを巻きつけるのに対して、クラウンループは乳歯冠を被せることで支えとします。歯が欠けた部分をループで保つ仕組みは同じです。虫歯など、さまざまな事情でバンドが巻けない歯の場合は、こちらを使用します。


(3)ディスタルシュー

国立 歯医者 保隙装置 ディスタルシュー

乳歯のなかで一番奥に生えている第二乳臼歯を失った場合に、第二乳臼歯のさらに奥から生えてくる6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯の位置を誘導するために使用する装置です。第一大臼歯が前に傾いて生えてくるのを防ぎ、正常に出てこられるように、先端が曲がった装置をつけて永久歯の萌出を誘導します。



(4)リンガルアーチ(舌側弧線装置)

国立 歯医者 保隙装置 リンガルアーチ

奥歯にバンドを取りつけて歯の裏側に太い針金を通し、バネをつけて歯を動かしていきます。歯の裏側につけるため、基本的に外側からは見えないようになっています。歯牙に完全に固定されるため、自由に着脱はできません。



(5)小児義歯
自分で簡単につけ外しのできるこども用の義歯(入れ歯)を入れて、失った乳歯の代わりとします。食べ物を噛む機能を補えるのがほかの保隙装置とは大きく違う点です。こども用の義歯は、前歯用と奥歯用に分かれます。

バンドループ、クラウンループも保険適応になりました。乳歯の早期喪失をそのままにしておくと永久歯歯列に影響が出てしまいます。乳歯列期に虫歯の治療をたくさんした方や、歯並びに少しでも不安のある方はご気軽にスタッフまでお問い合わせください。