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筋肉について①

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。最近筋トレやボディメイクも流行ってますので、今日は歯科口腔領域の筋肉についてお話しします。


【目次】
1.筋肉の種類
2.頭頸部の筋肉
3.咀嚼筋
4.舌骨筋群


⒈筋肉とは?

筋肉は身体のさまざまな器官を動かす働きをしています。筋肉はたくさんの筋繊維という繊維でできています。筋繊維の種類によって、筋肉は骨格筋、平滑筋、心筋の3つに大きく分けられます。

骨格筋とは、ほとんどの人が筋肉として普通に思い浮かべる、収縮させて体の様々な部分を動かすことのできる筋肉です。骨格筋は、収縮性のある筋線維の束が規則正しく配列したもので、顕微鏡で観察すると横縞模様が見えることから、横紋筋とも呼ばれます。骨格筋の収縮する速度は様々です。姿勢や動きに関与する骨格筋は骨に接着しており、関節周囲では互いに拮抗する筋肉群が配置されています。例えば、肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋)は、肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋)と拮抗関係にあります。このような逆方向の動き同士はバランスがとれています。バランスがとれていることで動きが滑らかになり、筋骨格系の損傷を防ぐのに役立っています。骨格筋は、脳によってコントロールされ、本人の意思によって動くため随意筋とされています。骨格筋の大きさと筋力は、定期的な運動によって維持され、増強されます。また、成長ホルモンとテストステロンは、小児期には筋肉の成長を促し、成人になってからは筋肉の大きさを維持します。

平滑筋は、人が簡単に制御することはできない特定の体の機能をコントロールしています。平滑筋は、多くの動脈を取り囲んでおり、収縮することで血流量を調節しています。また、腸の周囲も平滑筋が取り囲み、収縮して消化管内の食物や便を移動させています。平滑筋も脳によってコントロールされていますが、自分の意思で動かすことはできません。平滑筋が、収縮したり、弛緩したりするきっかけは、体の必要性によってコントロールされ、本人が意識することなく動くため、平滑筋は不随意筋とみなされています。

心筋は心臓を形づくっている筋肉であり、筋骨格系の筋肉ではありません。心筋は骨格筋と同様に筋線維が規則正しく配列し、顕微鏡で横縞模様が見えます。しかし、心筋は本人に意識されることなくリズミカルに収縮と弛緩を繰り返します。


この中で、心筋と骨格筋は横紋筋になります。また、自分の意思で動かせる随意筋である骨格筋と、動かせない不随意筋の心筋、平滑筋に分けられます。まとめると以下の図のようになります。

<筋肉の形よる分類>
(1)紡錘状筋

国立 歯医者 筋肉

 もっとも基本的な形状の筋肉です。腱に対して筋線維が平行かつ直線的に走っています。そのため、速いスピードで収縮できるという特性をもちます。しかし、発揮する力の方向(腱についている方向)に対して最短距離で必要最低限の筋線維しかついていないので、筋力自体はそれほど大きくないです。

 細かな動きが必要となる上肢に多く存在しています。上腕二頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋など、屈筋(関節を曲げる筋肉)に多くみられます。


(2)羽状筋

国立 歯医者 筋肉

中央に走る腱から、筋線維が羽のように斜めになって両端に伸びている筋肉です。直線に並んでいる数が少ない(長さが短い)ため、収縮速度はそれほど速くないです。しかし筋線維の数が多いため、発揮できる筋力は強いです。

身体を支え、力が必要な下肢に多いです。上腕三頭筋、大腿四頭筋、腓腹筋など、手足の伸筋(関節を伸ばす筋肉)に多くみられます。


(3)半羽状筋

国立 歯医者 筋肉

羽ペンのような形をしている筋肉です。羽状筋の片側半分の形で、真ん中に腱があり、その片側に筋肉が広がっています。

大腿部後面にある半膜様筋や、同じく脚にある長趾伸筋などに見られます。


(4)鋸筋

国立 歯医者 筋肉

筋全体の形が鋸の形をしている筋肉です。

前鋸筋などに見られます。

国立 歯医者 筋肉


<筋頭、筋腹の数による分類>
(1)多頭筋:筋頭が複数に分かれている筋肉

国立 歯医者 筋肉

(2)多腹筋:筋肉の途中に腱があり、筋腹が複数にわかれている筋肉。

国立 歯医者 筋肉

2.頭頸部の筋肉

頭頸部(頭、顔、首の部分)の筋肉は歯科•口腔領域でとても重要になります。顔の表情を作る表情筋、噛むときに使う咀嚼筋、飲み込むときに使う舌骨筋群に分けて説明していきます。



(1)表情筋

国立 歯医者 表情筋

顔の目や口、鼻などを動かす筋肉です。顔には20種類以上の筋肉があり相互に作用し、人間の複雑な表情を作り出します。身体の筋肉は骨と骨をつないでいますが、顔の筋肉は骨と皮膚につながっているため細かな表情を作り出すことができます。また、表情筋は通常の生活では全体の30%しか使っておらず、無表情で表情筋を使わなかったり、加齢などが原因で衰え、保っていた顔のハリなどのバランスを崩しシワやたるみになります。Ⅶ顔面神経支配になります。


(2)咀嚼筋

咀嚼筋は、口腔領域を扱う歯医者にとっては、もっとも重要な筋肉になります。

咬筋
側頭筋
外側翼突筋
内側翼突筋の4種類になります。Ⅴ三叉神経支配になります。

①咬筋

国立 歯医者 咬肉

起始
浅部:頬骨弓の前2/3
深部:頬骨弓の後1/3

停止
下顎角の外面(咬筋粗面)

浅部
咬筋浅部は筋の走行方向が後下方へ向かい、かみしめ時には全体がほぼ同方向へしかも同時に活動するため、強力な咬合力を発現できます。また後下方へ角度をもって走行しているため、左右筋を片側ずつ交互に作用させると強力臼磨運動が行えます。

深層
浅部と同様に停止部を引き上げて閉口させる機能があります。また、最大開口位からの閉口時のように、咬筋浅部や内側翼突筋が十分な筋力を発揮できない場合でも、安定した閉口力を発揮できるという重要な機能を果たしている。

②側頭筋

国立 歯医者 側頭筋

起始
側頭骨の側頭窩、側頭筋膜

停止
下顎骨の筋突起

一般に噛みしめる際に用いる筋です。また、下顎前方位からであれば容易に下顎を後退させる機能はあるが、顆頭安定位から下顎を後退させることは困難です。側方運動時には外側翼突筋と連携して効果的に働く。

③外側翼突筋

国立 歯医者 外側翼突筋

起始
上部:蝶形骨大翼の側頭下面と側頭下稜
下部:蝶形骨の翼状突起の外側板外面、上顎結節

停止

下部:下顎骨の関節突起
上部:顎関節の関節円板と線維性被膜

下顎を前方へ動かすが、より効果的に側方運動を行うことができます。また、上頭が閉口時や噛みしめ時にほかの閉口筋と連動して収縮するのに対して、下頭は開口時に開口筋と連動して収縮し、円板を適正な位置にもどします。

④内側翼突筋

国立 歯医者 内側翼突筋

起始
蝶形骨翼状突起の翼突窩

停止
下顎角内面の翼突筋粗面

開口時や噛みしめ時に咬筋浅部と協働して活動するが、パラファンクションなどの長期的な強い噛みしめに対しても、咬筋浅部が下顎骨に加える強大なメカニカルロードと拮抗してバランスを保ち下顎骨の変形や偏位を抑制する機能をはたしています。


(3)舌骨筋群

国立 歯医者 舌骨筋群

①舌骨上筋群
顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、茎突舌骨筋

②舌骨下筋群
肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋

上筋群、下筋群とも舌骨に付着し、大きく二つの機能時に作用します。

①舌骨上筋群
1)開口時:舌骨を固定し、下顎骨を引き下げる
2)嚥下時:下顎骨を挙上し、舌骨を引き上げる

②舌骨下筋群
1)開口時:舌骨を引き下げて固定し、上筋群の補助をし間接的に関与
2)嚥下時:舌骨を固定し、咽頭を引き上げる

今日は筋肉についてまとめてみました。明日は、歯周病について書きます。よろしくお願い致します。