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マウスピース矯正について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日はマウスピース矯正についてお話しします。
当院ではインビザラインによるマウスピース矯正を行なっています。インビザラインとはいくつかの種類のあるマウスピース矯正の中でインビザラインは世界で800万人以上を超える治療実績があり、矯正先進国であるアメリカやカナダでは、70%以上の矯正医がインビザラインを採用しています。マウスピース矯正の中では治療実績が最も多いのがインビザラインです。
マウスピース矯正とは、ワイヤーやブラケットを使わず、透明なマウスピース型の装置で歯を動かす矯正方法で目立たず、周囲の人に気づかれにくいのが特徴です。人と会ったり喋る機会が多い仕事の方でも、他人に気づかれずに歯列矯正を行えるマウスピース矯正は、社会人の方や年配の方でも負担の少ない矯正方法と言えます。
1.マウスピース矯正について
透明なマウスピースを歯に装着することで歯を動かし歯並びを整えます。口腔内を3Dスキャンし、そこから治療計画を立て、その治療計画に合わせてマウスピースは作られます。お食事、歯磨きの時以外、時間にして1日20時間以上装着することで歯はしっかりと移動することができます。この時間を守りしっかり装着していただくと、1週間から10日に1枚ずつマウスピースを交換でき、少しずつ歯並びが整います。
<メリット>
- 治療期間、治療後のイメージが確認できる
マウスピース矯正は口腔内を小型カメラで撮影した口腔内のデータをもとにコンピューター上で3Dイメージを制作し、治療計画を立てます。現在のお口の中だけでなく、治療中の歯の動き、治療終了後のイメージが3Dで確認できます。また、マウスピースの枚数(治療期間)も初めにわかります。
- 目立たない
透明なマウスピースを用いるため目立ちにくいです。口元をじっと見られなければ、「矯正をしている」と気づかれずに矯正治療を行えます。
- 取り外せる
外してお食事を行い、歯ブラシも、装置が邪魔をすることが無いため、清潔な状態を維持できます。
- 痛みが少ない
1枚のマウスピースで歯を動かす力は弱く、新しいマウスピースを装着した後の痛みもワイヤーに比べ、少ないです。また、ブラケット装置やワイヤーが無いため、口内炎は出来にくくなります。しかしまれに、マウスピース矯正でも口内炎が出来ることがあります。マウスピースの辺縁で擦れてしまい粘膜が傷つくことがあります。
<デメリット>
- 適応できる症例が限られる
骨格的な問題がある症例や重度の歯列不正の場合はマウスピース矯正での治療は難しいです。症例によってはブラケット装置との併用で治療可能な場合もあります。
- お水以外の飲み物も外さなくてはいけない
お食事の前には装置を外し、食後は歯磨き後に装置を装着します。歯磨きを行わないと虫歯のリスクが高くなってしまうためです。また、装置の装着中は糖分の入った飲み物は摂取できません。装置の着色を予防するためにもコーヒーやお茶は避けたほうがよいでしょう
- 自己管理が必須
煩わしさから頻繁に取り外してしまったり、1日の装着時間が20時間より短くなると治療がしっかり進まなくなります。出先で取り外したときは、紛失しないよう注意も必要です。
- 歯と歯の間を削ることがある
歯を並べるためのスペースを作るために行います。0.05~0.25mm程度と、歯の表面のエナメル質のみを磨く程度ですが、削ります。エナメル質の厚み1~2mmあります。痛みを感知しないエナメル質のみ削るため、削ることによる知覚過敏の心配はありません。
2.着脱時の注意点
- 装着前は必ず歯を磨きます。
マウスピースを装着すると、虫歯になりにくくなる様々な作用のある唾液を遮断しています。歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、細菌が多く存在するプラークが歯に付着し、さらに唾液の遮断により虫歯のリスクが上がってしまいます。必ず歯磨きを行いましょう。
- しっかり装着する。
マウスピースを装着するときは浮き上がらないようしっかりフィットするまで最後まで手で装着してください。噛みながら装着するとマウスピースの変形や破損の原因になります。
- 取り外すときは左右どちらかの奥歯の内側から指を使ってゆっくりと浮かせてください。少し浮いたところで反対側も同様に浮かせます。前歯も少しずつ浮かせながら外しましょう。無理な力で外そうとしたり、曲げやねじりながら外そうとすると変形、破損の原因になります。
3.お手入れの注意点
マウスピースは着脱前に柔らかい歯ブラシで汚れを取るように磨き、流水で洗い流してください。内側は窪みがあるため特に注意して磨くようにしてください。汚れが気になる時はマウスピース専用の洗浄剤も使用してください。入れ歯洗浄剤を使うと色が変わり見た目が悪くなることがあります。
4.飲食の注意点
お食事の時はマウスピースを外していただくため、お食事自体の制限はありません。お飲み物を飲むときもマウスピースを外していただく場合があります。
- お水以外の飲み物を飲むときはマウスピースを外しましょう。
装着したまま砂糖の含まれている飲み物を飲むと、虫歯のリスクが高くなります。またコーヒー・紅茶・赤ワイン等はマウスピースの着色の原因になります。お食事同様、装着前は必ず歯磨きを行いましょう。
- お湯はご注意ください。
熱いものはマウスピースが変形する可能性があります。マウスピースが変形してしまうと矯正の力が正しく歯に伝わらなくなってしまいます。お湯も外して飲んでいただくと安心かと思います。
- 飲食後はすぐに歯磨きをして、装着しましょう。
5.保管時の注意点
- 外した後は必ずケースに入れましょう。
少しの間だからとティッシュに包むと誤って捨ててしまうことがあります。また、汚れが付着し不衛生です。必ずケースに入れるようにしてください。
- 前の段階のマウスピースはすぐに破棄せず、しばらく保存してください。
使用中のマウスピースの破損や紛失時や、矯正治療の経過があまりよくないときにステップを戻って使用することがあります。
6.装着時間の注意点
お食事の時間以外は装着してください。マウスピース矯正は1日20時間以上の装着時間が必要です。マウスピース矯正はマウスピース装着時に歯を移動させます。また、外している時間は、元の位置に戻ってしまいます。外している時間が長くなると戻る量も増えてしまい、それまで使用していたマウスピースが入らなくなることがあります。そのような時は前のステップに戻る必要があります。治療期間自体も長くなってしまいます。装着時間には十分お気を付けください。
7.治療終了後の注意点
治療終了後はリテーナー(保定装置)を装着していただきます。治療終了後は歯が元の位置に戻る「後戻り」という現象が起こります。歯は終了直後程大きく動きやすいため、初めはお食事の時間以外、装着しましょう。歯並びが安定してくると睡眠時のみの装着で後戻りを防ぐ事ができます。
マウスピース矯正はご自身の取り扱い方で治療効果が大きく変わってきてしまいます。「取り外せるため歯磨きがしやすく、虫歯のリスクが低い」メリットがありますが、正しい取り扱い方をしないとそのメリットが成立しなくなってしまいます。装着時間など患者さんの協力が何より重要になります。