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管理栄養士の重要性

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。近年では歯科医院での管理栄養士の役割が注目されています。まだあまり認知されていませんが、管理栄養士の業務は、歯科診療の特に発育・予防の面で大きな役割を担っています。今日は、歯科医院における管理栄養士の必要性と役割について解説していきます。


1.管理栄養士とは?

管理栄養士とは、食品や栄養に関する専門的な知識を持ち人々の健康や栄養管理を支援するプロフェッショナルです。食事の計画、栄養評価、食品選択、食品安全、健康アドバイス、および栄養教育などを行います。

主な仕事内容は、

  1. 個人の栄養ニーズを評価し、健康状態や目標に合わせた栄養計画を作成する。
  2. 疾病やアレルギーを考慮して食事指導を行う。
  3. 施設や企業での食品メニューや給食の管理・計画を行う。
  4. 健康相談や栄養教育を提供し、健康的な食生活の普及に寄与する。
  5. 栄養補助食品や栄養素の適切な使用をアドバイスする。

管理栄養士は、栄養学や食品学などの専門的な教育を受け、国家試験に合格することで資格を取得します。管理栄養士の仕事は、病院や診療所、介護施設、学校、企業、スポーツ施設など、さまざまな場所で需要があります。健康な生活をサポートし、栄養に関する専門知識を提供することによって、個人だけでなく家庭、地域住民の健康向上に貢献しています。

2.口腔内のみならず全身の健康を守る

「食べる」という機能に関係する歯科医院と管理栄養士の関係性はまだあまり知られていないですがとても重要です。2つの分野の専門家が患者さんと関わることで、歯や口腔内疾患だけでなく栄養や食事に対するケアが可能となり、患者さんのより健康的な生活の維持と向上につなげることが可能です。

歯科医院における管理栄養士が在籍することで…

最近では予防の意識が高まってはいますが、まだ、患者さんにとって歯科医院は「虫歯になったら行く」、「痛くなったら行く」ところというイメージが強いです。少しずつ虫歯や歯周病の治療をする場所ではなく、虫歯や歯周病を予防するための場所に変わってきています。超高齢社会により患者さんの高齢化が進んだことで、咀嚼能力を含めた食べる機能や能力を改善し、患者さんの健康状態を改善することがより重要になってきました。

残存歯が減少し、咀嚼機能が低下し健康に支障がある患者さんは、食事を楽しむことができません。美味しい食事、好きなものを食べて、友達同士での楽しいお食事を送っていただくためにも虫歯や歯周病の治療を行うだけでなく、患者さんに合った食習慣を確立していくための栄養指導が求められます。

歯科医院には治療をするだけの場所ではなくなってきています。治した後の生活をより楽しく過ごせるためのお手伝いも歯科医院の重要なお仕事です。食の専門家である管理栄養士が歯科医院に在籍することで、患者さんの口腔内の健康から身体の健康に至るまでのトータルケアを実現できます。

<歯科医院での役割は>

  1. 口腔の健康と栄養
    歯の健康は、適切な栄養状態と密接に関連しています。栄養不良や特定の食事習慣は、口腔の健康に影響を与える場合があります。管理栄養士は、患者さんの食事状態を評価し、歯の健康をサポートするための栄養指導を行います。
  2. 歯科治療への影響
    栄養状態は、歯科治療の結果にも影響を及ぼします。外科手術やインプラント治療を受ける患者さんには、特定の栄養制限や栄養補助食品の摂取が必要な場合もあります。管理栄養士は、患者さんの栄養ニーズを評価し、治療を成功に導く適切な栄養プランを提供します。
  3. 口腔ケアの支援
    栄養面での適切なアドバイスは、歯の健康を維持するためにとても重要です。特定の栄養素の欠乏や過剰摂取は、歯の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。管理栄養士は、適切な栄養状態を維持し、歯の健康をサポートするための口腔ケアに関するアドバイスを提供します。
  4. 口腔疾患と栄養
    歯周疾患や口内炎などの口腔疾患は、栄養状態と相互に関連しています。管理栄養士は、これらの疾患を持つ患者さんに対して、栄養面でのケアや症状の軽減をサポートする方法を提供します。

歯科医院では、患者さんの総合的な健康をサポートするために、歯科医師と管理栄養士が連携し、患者さんに適切な栄養指導を行うことが重要です。

管理栄養士の役割とは…

歯科医院における管理栄養士の役割は、患者さんの口腔内の健康に対する意識を高めることです。「お口は全身の健康の入口」とよく言われています。お口の健康が全身の健康に及ぼす影響について、さまざまな研究がなされています。咀嚼能力とメタボリックシンドロームの因果関係や生活習慣病との関係性、また栄養の偏りや食欲低下による口腔内の問題などが、全身の健康に大きな影響を及ぼすことが明らかになっています。

<管理栄養士が行うこと>

  • 患者さんの栄養指導
  • 患者さんのカウンセリング
  • 管理栄養士育成サポート

管理栄養士の主な業務は、患者さんへの栄養指導やカウンセリングです。予防では、患者さんの治療の再介入をいかに減らすか、またどうすれば患者さんの口腔内の健康を維持できるかが重要です。カウンセリングを行い患者さんがどんなものが好みで普段どんな食事をしているのか、食事の習慣などをヒアリングし、それらの情報や、患者さんの口腔内の状態を把握した上で栄養指導を行います。患者さんのライフステージに合わせた栄養指導を行うことが重要になってきます。

お子様・成長期向けの取り組み

最近は日本人の食習慣が欧米化してきたことにより、子どもの食生活にも大きな影響を及ぼしています。やわらかい食べ物が一般化しており、子どものうちから健康的な食習慣を取り入れていく必要があります。お子様の年齢や成長に合わせて、正しい食習慣と健康に対する意識が、将来起こり得る生活習慣病の予防になると考えられています。また成長発育の観点でも栄養の知識はとても重要です。骨などの体格の成長のピーク、脳や神経などの発育のピークも異なります。必要なタイミングに有効な栄養摂取を指導することが重要です。

生活習慣病予防のための取り組み

生活習慣病の予備軍の方に適したアプローチを行うことで、この先の生活習慣病の発症を予防することが可能です。暴飲暴食、過度な外食、偏食などの悪習慣を改善しいつまでも健康な状態を維持できるようにしましょう。また、食生活を改善し意識の改善が達成できると、結果として虫歯や歯周病予防にも繋がります。虫歯や歯周病で咀嚼機能の低下が起こると食生活に影響が出てしまうからです。いつまでも自分の歯で美味しく食事をすることがなにより健康のためになります。さらに咀嚼機能の低下は栄養不足につながります。虫歯や歯周病が生活習慣病や全身の健康改善につながることを患者さんにしっかり伝え、口腔内の健康を維持していくことで生活習慣病の予防を行うことが可能です。

妊婦さんや赤ちゃん向けの取り組み

妊娠中に、妊婦さんが不安を感じながらも安心して過ごせるように、管理栄養士が食事指導を行います。つわりによる偏食や歯磨きが気持ち悪かったりで、口腔内環境が悪くなりがちです。産前はもちろん、赤ちゃんが生まれるとお母さんは赤ちゃんのことで精一杯になり自分の治療のために歯科医院に通う余裕がなくなってしまいます。ホルモンバランスや育児の大変さで口腔内の健康状態は悪くなりやすいです。妊婦さんまたお母さんが栄養バランスを考えて食事を取ることは、自分の健康だけでなく赤ちゃんの健康にもつながります。

赤ちゃんのお口の中は日々変化します。母乳を飲むための機能が養われ、やがて歯が生え、食物を噛む機能・能力が発達していきます。管理栄養士が、赤ちゃんの成長の段階に合わせて必要な栄養学的なアドバイスを与えることで、発育や食習慣の面から赤ちゃんの健やかな成長のサポートにつながります。


予防歯科という概念が当たり前になった現在、食の専門家である管理栄養士が歯科医院に在籍することで、患者さんの健康に関する意識を高めることできます。口腔内から身体全体の健康に至るまでのトータルケアを実現できます。当院には管理栄養士が在籍しています。食・栄養に関するご質問があればいつでもご気軽にご相談ください。