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糖尿病について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は「糖尿病」についてお話しします。



1.糖尿病とは?

糖尿病とは、インスリンが十分に機能せず血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気のことです。インスリンは膵臓から出るホルモンで、血糖を一定の範囲におさめる働きがあります。

国立 歯医者 糖尿病

糖尿病は万病の元です。糖尿病で血糖値が高くなることにより様々な臓器に合併症を引き起こしてしまいます。糖尿病の合併症で多いのが、神経症状眼の症状腎障害です。腎障害(腎症)は透析原因の第1位であり、眼の障害(網膜症)は失明の原因となります。糖尿病による神経障害では手足のしびれや痛みのため生活に支障がでることがあります。糖尿病で足を失うことは珍しいことではありません。神経障害や血管障害により足の壊疽を引き起こし足を切断せざるを得なくなることも少なくないです。

また、動脈硬化を引き起こすことにより、心筋梗塞・狭心症・脳卒中の原因も高くなります。最近、糖尿病は血管の病気だけでなく、骨粗鬆症、認知症、歯周病など様々な病気のリスクになることが明らかになっています。糖尿病診療は血糖値やHbA1cの測定だけではなく、全身合併症についても評価し、包括的に治療を進めていく必要があります。

<血糖とインスリン>
食事をすると栄養素の一部は糖となり腸から吸収されます。寝ている間など、食事をしない時間が続く時は主に肝臓で糖が作られています。糖はからだにとって重要であり、食事の有無にかかわらず常に血液中を流れています。糖は血液の流れに乗って、全身の臓器や組織へめぐります。血液中をただよい、筋肉などの細胞に到着した糖は、血液中を一緒に流れていたインスリンの働きにより細胞に取り込まれます。取り込まれた糖は、私たちのからだが活動するためのエネルギー源となります。

<インスリンが十分に働かない?>
糖尿病になるとインスリンが十分に働かず、血糖をうまく細胞に取り込めなくなるため、血液中に糖が増え血糖値が高くなってしまいます。原因は以下の通りです。

2.糖尿病の種類とは?

①1型糖尿病:インスリン分泌低下
膵臓の機能低下により、十分なインスリンを作れなくなってしまう状態。

②2型糖尿病:インスリン抵抗性
インスリンの量は十分に作られてはいるけれども、効果を発揮できない状態。運動不足や食べ過ぎが原因で肥満になると、インスリンが働きにくくなってしまいます。

1型糖尿病2型糖尿病
年齢若年に多い(何歳でも)中高年に多い
症状急激に症状が現れ、糖尿病になることが多い症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する
体型やせ型が多い肥満が多い(やせ型の方もいる)
原因膵臓β細胞という細胞が壊れてしまうため、インスリンがほとんど作られなくなり、血糖値が高くなる生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなるため
治療インスリンの注射食事療法・運動療法・飲み薬
(場合によってはインスリンなどの注射)

③その他の糖尿病
<妊娠糖尿病>
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めてわかった、まだ糖尿病には至っていない血糖の上昇のことをいいます。糖は赤ちゃんの栄養となるので、多すぎても少なすぎても成長に影響を及ぼすことがあります。そのため、お腹の赤ちゃんに十分な栄養を与えながら、細かい血糖管理をすることが重要です。妊娠中は絶えず赤ちゃんに栄養を与えているため、お腹が空いているときの血糖値は、妊娠していないときと比べて低くなりやすいです。また、胎盤からでるホルモンの影響でインスリンが効きにくくなってしまい、食後の血糖値が上がりやすくなってしまいます。多くの場合、高血糖は出産の後に戻りますが、妊娠糖尿病を経験した方は将来糖尿病になりやすいといわれています。

3.糖尿病と歯科との関係

糖尿病の方は、歯周病になりやすく悪化しやすいことがわかってきました。一方で、歯周病になると血糖コントロールが悪くなるとも言われています。お互いに影響があります。毎日の口腔ケアを丁寧に行い口腔内の健康にも気をつけましょう。

一般に歯周病治療で改善する糖尿病のHbA1c値は平均0.4%と言われています。これは、糖尿病の薬剤1剤分にも匹敵するという人もいます。そのため、重度の歯周病を併発した糖尿病患者さんは、糖尿病自体の管理の一環として歯周病を治療するとともに再発予防に努めることがとても大事です。最近では、糖尿病手帳に歯科受診の記録も記載できるようになりました。これを活用して歯科と医科の主治医との間で連携も取りやすくなっています。

また、歯でよく噛んで食べられる糖尿病の方は血糖管理が良好というデータもあります。

トルコのイスタンブールの病院の外来診療所を受診した2型糖尿病患者94人から収集したデータを解析する後ろ向き研究を実施。患者を2つのグループに分け、1つ目のグループは咬合力が良好(歯で食物をよく噛んで食べることができる)患者が含まれ、咬合力が良好なグループのHbA1cは低く、平均値が7.48%。 糖尿病の合併症を予防するための目標は「HbA1c 7.0%未満」とされています。 一方、歯の一部あるいは全部が欠けていて、食物をうまく噛むことができないグループでは、HbA1cが高く、平均は9.42%でした。

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歯周病は糖尿病の6番目の合併症と言われています。家庭での歯周病の予防は、

①毎食後正しい歯磨きをする
②定期的に歯科検診を受ける
③血糖値のコントロールをよくする
④たばこを控える
⑤暴飲暴食をしないこと

です。”食欲の秋”でついついたくさん食べがちですが、”スポーツの秋”でもあります。適度な運動を行い全身的な健康管理に努めましょう!明日はよく噛むことのメリットについてお話しします。