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口呼吸について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は昨日に続き、口呼吸についてより詳しくお話ししていきます。
【目次】
1.口呼吸から起こる症状
2.低位舌症
3.猫背
4.睡眠障害
1.口呼吸から起こる症状
昨日の復習になりますが、口呼吸が引き起こす症状についてです。
<口や喉の乾燥>
唾液の分泌が悪くなる、口腔内が乾燥することで虫歯や歯周病になりやすい環境になってしまいます。また、喉のリンパが炎症を起こしやすくもなってしまいます。
<口や舌の筋力の低下>
舌の位置が正しくないと、歯並びが悪くなる原因にもなります。また、顔のたるみ・しわ・二重アゴの原因にもなります。
<免疫力の低下>
免疫力が低下し体調を崩しやすくなります。アトピーや高血圧、喘息などの原因にもなってしまいます。
まずは、口呼吸になっていないかのセルフチェックをしてみましょう!
- 無意識に口が開いている
- くちゃくちゃ音を立てて食事をしている
- 朝起きた時に喉がヒリヒリ、イガイガする
- 歯並びが悪い
- 口唇が渇きやすい
- いびき歯ぎしりがある
- 口臭が気になる
- 口内炎がよくできる
- 喫煙者
- 激しいスポーツをしている
1つでも当てはまるものがあれば口呼吸になってる可能性があります。
2.低位舌症
口呼吸をしている小児のほとんどが低位舌症であるという研究結果があります。低位舌症とは舌が本来あるべき正しい所になくて、低い位置に落ちてしまっている状態のことです。お話しをしている時には舌は自由に動いていますが、しゃべっていない時は舌先はスポットに常に軽く触れているのが正しい状態です。
「スポットに舌先が軽く触れて、きちんと口を閉じている状態」が正常な状態であり、この状態が鼻呼吸ができる状態です。
舌がスポットに常に触れている大きな大きなメリットは舌根が挙上することです。気道が開くため空気が吸いやすいように気道が広くなります。これが子供の呼吸にとってとても大切な状態です。
→MFT 口腔筋機能療法について
スポットに舌先が付いていないと口呼吸になやすくなってしまいます。舌がスポットから離れると舌根沈下が起き、気道を閉鎖します。空気が吸いにくい状態になってしまい、気道の狭さを補うために頭を後ろに傾けるようになります。頭を後ろに傾け、ポカンと口が空いてしまっている方は要注意です。
このまま放置してしまうと、、、
3.猫背
ポカンと口をあけ、頭部が後ろに傾くと前が見にくくなってしまいます。そのため背中を丸め猫背の姿勢で前を見ようとしてしまいます。1980年の調査によると幼稚園児や小学生の猫背の割合が2割未満だったのに対し、2010年以降では子供の4割弱が猫背と言われています。
<猫背の悪影響>
猫背は以下のような悪影響を及ぼす危険性があります。
・集中力の低下
・学力の低下
・運動能力の低下
・身長が伸びない
・社交性に問題が生じやすい
・肥満になりやすい
・新陳代謝が悪くなりやすい
・首、肩のこり、頭痛などが起こりやすい
猫背になる事で肺が背筋に圧迫され、体内に取り入れられる酸素の量が少なくなってしまいます。そうなると脳が酸欠状態になり、集中力が低下し学習能力に影響が出てしまいます。
肥満に関しても運動時に取り入れられる酸素量が少ないため、エネルギーの消費率が低くなります。猫背と肥満が大きく関係している原因です。
背筋・腹筋が弱くなると、内臓の位置が下がってしまいます。内臓が正常な位置にないことで、基礎代謝力も下がってしまいます。その結果脂肪を燃焼しにくい体質になってしまいます。運動でも正しい姿勢ができないので肩甲骨の動きが悪く、バランス良く反ることができません。またバランスが悪いことで、疲れやすくもなってしまいます。
猫背が原因でおこる身体の不調のなかで、最も多いものが「肩こり・首こり」です。猫背は背中がまるくなり、首と顔が前に出ます。この姿勢は「肩や首の筋肉に負担」がかかります。筋肉に負担がかかり、血行も悪くなり、肩こりと首こりの原因となるのです。頭部は体全体で支えてるものですが、猫背の場合は首だけで支えることになります。そのため首に負荷がかかり、首がこりやすくなってしまいます。
4.睡眠障害
口呼吸の子供は夜、睡眠時に深い眠りにつくことができないことが多いです。「寝る子は育つ」といいますが、子供が成長・発育していくうえでとても大切な成長ホルモンは、深い眠りであるノンレム睡眠の第3相、第4相で分泌されます。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りになります。夢はレム睡眠のときに見ます。口呼吸をしていると、深い眠りにつくことができず、第3相第4相まで到達しにくくなります。そのため身体の成長発育に影響を受けることになります。
国民生活調査によると小児の夜10時までに寝る割合は
1960年:70%
2010年:24%
となっており、睡眠時間は60分も減少しています。
<睡眠とホルモン>
①成長ホルモン
寝付いてから3時間の間の深いノンレム睡眠の時に分泌されるホルモンです。成人では組織の損傷を修復することで疲労回復の効果があり、小児では学習したことを整理して理解や記憶につなげたり、運動中のイメージを整理することが上達に結びつくなど、成長期の子供にはとても大切なホルモンです。
②メラトニン
脈拍、体温、血圧などを低下させ、眠気の準備をさせるホルモンです。体内時計の働きがあり、朝の光を浴びてから、14~!6時間後に血中濃度が増加します。強い光を浴びると分泌は減少し、暗くなると増加します。
③コルチゾール
副腎皮質ホルモンの一つで、代謝を促進しストレスに応じて分泌量が増加します。「時刻に依存」し、起床前に最大値を示します。体温や血糖値を上げ、覚醒に備える働きがあるホルモンです。
<睡眠の質を上げるには>
深い睡眠がしっかりとれているかどうかは、成長の大きなポイントになります。 睡眠の「時間」だけではなく眠りの「質」にも注意し、ぐっすり深く眠ることが成長のためには不可欠と言えます。
睡眠の質を上げるには !
ぐっすり深く眠るためのポイントは、自立神経の働きを理解しリラックスした状態をつくることが重要です。 本来昼間の活動時に必要な交感神経が、夜に働くと、身体は疲れているのに目がさえて眠れなかったり、眠りが浅くて十分に休めなかったりということが起こってしまいます。 副交感神経の働きを促し、心身をリラックスさせることが質の良い睡眠へとつながります。
(1)寝る前に脳に刺激を与えない
・寝る直前にテレビやスマホなどの画面を見ない
・夕方の遅い時間や夜に運動をしない
(2)寝る前に血糖値を上げない
(3)鼻呼吸をする
口呼吸の場合、鼻呼吸に比べて鼻から喉頭までの上気道が閉塞しやすく、口呼吸ではいびきをかきやすくなります。そのため、口呼吸のほうが睡眠時無呼吸症候群になり睡眠の質が下がりやすくなってしまいます。
急に気温も下がり季節の変わり目で体調を崩さないよう気をつけてください。口呼吸を鼻呼吸に改善できれば体調管理も行いやすくなります!少しでも気になる方は一度ご相談にいらしてください!