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口臭について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。

今日は口臭についてお話しします。

国立 歯医者 口臭

目次
1.口臭の種類
2.口臭の検査方法
3.口臭の治療方法

口臭の種類

まずは口臭の種類についてお話しします。

口臭には①真性口臭症 ②仮性口臭症 ③口臭恐怖症にわけられます。

①真性口臭症について

真性口臭症にはさらに、(1)生理的口臭と(2)病的口臭に分けられます。

(1)生理的口臭とは誰にでもある匂いで病気ではありません。起床直後や空腹時、ストレス、緊張時は口臭が強まると言われています。これは唾液の分泌が少なくなることで細菌が増殖して口臭の原因である硫黄化合物が大量に作られるためです。

生理的口臭の特徴は病的な口臭ではないため周囲の人たちを不快にするわけではありません。また極端に顔を近づけない限りは相手に伝わりづらい、体の体調やストレスによってひどかったりひどくなかったりします。多くの場合は自覚症状が少ないです。

(2)病的口臭とは喉や鼻の病気、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合です。病的口臭の少なくとも90%は口の中にその原因があり、歯周病や虫歯、プラーク、歯石、舌の上にある舌苔(細菌の塊)、唾液の減少、入れ歯の清掃不良等があります。

お口の中が原因の病的口臭は、口腔由来のものと全身由来のもの(内科的な病気が原因)とに分類されます。

②仮性口臭症について

仮性口臭とはご自身では口臭を感じるが他社から見て口臭を認めないものです。

③口臭恐怖症とは

医院で検査を行っても口臭とは認められないけれどご自身で口臭があると思い込んでしまっている症状のことです。自臭症とも呼ばれます。特徴としては会話中に相手が顔を背けたり、鼻や口元に手を当てるといった仕草により自分の口の臭いが原因であると思い込んでしまっている状態のことをいいます。


口臭の測定・検査方法について

口臭専門外来では、ガスクロマトグラフィーや口臭測定器などの機械を使用して口臭を測定します。吐く息に含まれる硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの数値を測定しその数値によって口臭があるかないかを判断します。また機械を使わずに人の嗅覚で判定する口臭官能検査もあります。しかし人の嗅覚は個人差がありますので2人以上の検査者によって評価していきます。

また口臭には口腔内の細菌が関係するため虫歯の有無や歯周病、プラークの付き具合、ベロの汚れの状態をチェックしていきます。これら全てを総合的に判断して口臭が有無と原因を特定します。

生理的口臭症で多いのが起床時の口臭です。原因は寝ている間唾液の量が減りお口の細菌が増えるため朝口臭が強くなります。健康な方でもほとんどの方に見られる口臭です。生理的口臭は生活習慣との関連が報告されています。生理的口臭を調べた結果、朝食を食べていない、お口の中の多量のプラーク、舌の汚れが特に口臭と関連があると報告されています。

また朝食を食べない事はもちろん、咀嚼回数の少ない食品のみを食べていると唾液の分泌される量が少なくなり自浄作用が働きづらくなるため口臭が強くなります。口臭を減少させるためには朝食をとることと食事の時に咀嚼回数が多くなるような食品を選択すること、朝の歯ブラシやベロ磨きをきちんと行うといった生活習慣が大切になってきます。

治療方法

具体的な口臭の治療法について説明します。まず大事なのはきちんと検査を受けて原因を明らかにすることです。病的口臭でも生理的講習でも口腔内をきれいにして口臭を発生させる原因の細菌を減らすことが主に治療となってきます。ブラッシング指導に加え歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的清掃器具を用いた清掃、ベロ磨きを行うことは口臭を減らすにはかなり効果的です。入れ歯の方はもちろん入れ歯の清掃も行います。

口腔内に口臭を発生する細菌が多く存在し歯ブラシ等では対応できない場合は薬用成分が含まれている洗口剤を使用することで効果が見込めます。当院でも殺菌効果が強く歯周病予防にも効果があり、スッキリするうがい薬の準備がございます。僕も寝る前はこれを使いうがいしています。

洗口剤やガム、タブレットには、抗菌作用、消臭効果、マスキング効果などがあります。

ベロ磨きは口臭の予防や抑制に高い効果がありますがベロの汚れがたくさんつきやすい奥の方を清掃すると嘔吐反射が出やすかったりベロの表面が凸凹しているために十分に清掃できない、メロの汚れを完全に取ろうとするあまりに力が入ってベロを傷つけてベロが痛くなったりすることがあります。

口臭抑制効果作用のある代表的な成分を説明します。

グルコン酸クロルヘキシジンは強い抗菌作用があります。欧米では口臭や歯周病の治療の補助として使用されています。グルコン酸クロルヘキシジンの口臭抑制効果に関する多くのデータが報告されてます。

エッセンシャルオイルは抗菌作用やマスキング効果があります。代表的な製品はリステリン(Johnson & Johnson)でその抗菌作用や口臭抑制効果があると報告されています。

ベロの汚れやプラークの清掃の補助として使用すると効果が高いと報告されています。種類としてアルコール濃度の低いものやアルコールが含まれていないものもあります。アルコールが含有されたものではアルコールアレルギーやお口の中が荒れたり、ベロが痛くなる場合もあるため注意が必要です。外科後の使用も控えましょう。

ポリフェノールには消臭効果が期待できます。ニンニクなどの強い匂いを発するものを食べた後の消臭食品などに配合されています。植物性の酸化作用や匂いを吸着するポリフェノールなどが含有されているトローチなどで口臭抑制効果があると報告があります。

お茶のポリフェノール、カテキンは口腔内細菌への作用が報告されておりメチルメルカプタンへの抑制も報告されています。

パインなどのたんぱく分解酵素はベロの汚れの除去効果があると報告されています。

パセリ、マッシュルームエキスは消臭効果があり口腔清涼剤、食品に配合されています。

全身疾患がある方の場合、血液成分の関与からそれぞれの疾患ごとに特徴のある匂いを感じることがあります。

糖尿病ではアセトン臭(甘い臭い)、肝硬変や肝機能低下患者はジメチルスルフィド(ゴミが腐った臭い)やメチルメルカプタン(生ごみが腐ったような臭い)、トリメチルアミン(魚が腐った匂い)があります。

口腔癌の場合も口腔内に壊死した細胞があるため口臭が起こることがあります。また他の部位の癌でも食道癌や胃がん、肺がんなど口臭が現れることがあります。

仮性口臭症や口臭恐怖症の患者さんは小児期や思春期に他人から口臭を指摘されたことをきっかけに常に口のにおい気にしてると訴えることがあります。問診では実際に口臭がないのに、自分には口臭があるように感じてしまいます。そのような悩みで苦しんでいる患者さんには心理的側面から支援していきます。仮性口臭症や口臭恐怖症の患者さんに対しては話を聞き過去の経過を問診していきます。

また精神的要因の関連が顕著な患者さんには心療内科の専門医の受診をおすすめする場合もあります。

マスクの着用が個人の判断になりましたが、当院では感染予防のためスタッフのマスク着用を徹底しております。この先マスクを外した際、綺麗な歯で口臭も気にせず楽しく食事やお話ができるよう定期的なクリーニングをお勧めします。