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虫歯について③
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。月曜日は、虫歯についてです。
虫歯の進行具合に分けて治療方法や回数を説明していきます。
1.虫歯の進行
CO:初期の虫歯
CO(シーオー)はCaries Observationの略称で、まだ発生して間もない初期の虫歯を意味します。歯の表面にまだ穴はあいておらず、「白斑」や「白濁」といった症状だけ認められる段階です。そのため、治療を必要としないことが多く、フッ素塗布などの予防処置を実施することで、歯の再石灰化をはかります。
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C1:エナメル質の虫歯
C1は、エナメル質内にだけにとどまっている段階の虫歯です。歯の表面に穴はあいていますが、痛みなどの自覚症状が現れることはありません。舌で触った時に違和感が生じたり、食べ物が詰まりやすくなったりした場合は、エナメル質の虫歯が疑われます。
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C2:象牙質の虫歯
C2は、象牙質にまで及んでいる段階の虫歯です。エナメル質の虫歯とは異なり、冷たいものや甘いものがしみるようになります。また、歯質の欠損も大きくなることから、多くの患者さんがこの段階で虫歯に気付くこととなります。
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C3:神経まで到達した虫歯
C3までくると、虫歯が歯髄にまで到達し、歯の神経や血管を蝕んでいきます。C3は、虫歯全体の中で最も強い痛みや不快な症状が現れる時期ともいえます。何もしてなくても痛い、夜横になると痛い、温かいものが痛いなどの症状があります。
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C4:歯冠が崩壊した虫歯
C4では、歯髄が完全に侵されてしまっているので、痛みなどの症状が消失してきます。歯冠部もほぼ崩壊しており、残っているのは歯根のみである場合が多いです。専門的には「残根状態(ざんこんじょうたい)」といいます。こうなると、治療をして元の状態に戻すのは困難であることから、多くのケースで抜歯適応されます。
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2.虫歯の治療方法
(1)フッ素塗布
C0などの初期虫歯の際は、歯科医院でフッ素を塗布し経過観察をします。また、フッ素入りの歯磨剤で丁寧に歯を磨きのセルフケアを行ってもらいます。
(2)コンポジットレジン修復
C1で実質欠損を伴う虫歯(前歯の歯と歯の間や、奥歯の小さな虫歯)などが適応になります。範囲が広い場合や噛み合わせが強い場合は、CRが欠けてしまうことがあるので、In(インレー)などになることがあります。以前のブログでも取り上げてますので合わせてお読みください。
(3)インレー修復
型を取り、技工士さんに模型上で作ってもらったインレー(詰め物)を、歯にセメントでつけます。虫歯が深い場合、一度お薬を引いて痛みが出ないか確認してから型取りに入ることがあります。通常2~3回、作成期間に10日~2週ほどかかります。
保険適応の場合:メタルインレー(銀)、CAD/CAMインレー(プラスチック)になります。
※CAD/CAMインレーには適応部位の条件があります。
自費治療の場合:ゴールド、セラミック、ハイブリッドになります。
(4)クラウン修復
範囲が広い虫歯やC3などの場合、クラウン(被せ物)で治します。インレー同様、模型上で技工士さんに作ってもらったものをセメントで歯につけます。回数も2~3回、作成期間に10日~2週ほどかかります。神経の残っている歯の場合、削った面が剥き出しだとしみてしまうので仮歯を作成します。
(5)根管治療
C3の段階まで進行すると、詰め物・被せ物をする前に「根管治療」が必要となります。根管治療のことを「神経を取る治療」「根っこの治療」という呼び方をする場合もあります。根管治療の後、コアと呼ばれる土台をたてて、クラウンを被せます。
(6)コア築造
根管治療をした歯は、削る部分が多いためコア(土台)を立てて歯の補強が必要になります。歯茎より高い位置にある健康な歯質の量•状態により、①直接法 ②間接法に分けられます。
①直接法:お口の中でその日のうちに直接レジンで築造を行います。
②間接法:型を取り、出来たコアをセメントでつけます。2回ほど回数がかかるのと、作成期間に10日~2週ほどかかります。
保険適応の場合:レジンコア、メタルコアになります。
自費治療の場合:ファイバーコア、ゴールドコアになります。
※混合診療になるため、コアのところから、上に被せるクラウンも合わせて保険診療•自費治療に枝分かれします。
(7)抜歯
骨縁下に到達するところまで進行した深い虫歯は抜歯の適応になります。その他にも垂直性歯根歯折なども抜歯の適応になります。可能な限り歯牙の保存に努めますが、やむを得ず抜歯をすることがあります。
保険適応の場合、骨縁下に到達する深い虫歯は抜歯になります。しかし、自費治療の場合、歯を引っ張り出す小矯正(歯冠挺出=エクストルージョン)や、歯肉整形を行うことで保存可能な場合があります。一度、当院Drまでご相談ください。
3.補綴治療について
「補綴(ほてつ)」とは、歯が欠けたり、なくなった場合にクラウンや入れ歯などの人工物で補うことをいいます。クラウン、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどがあります。それぞれメリットデメリットがあります。
(1)ブリッジ
橋を架けるように欠損した両隣の歯を削って連結したクラウンを歯に固定する治療方法になります。
欠損歯数が多い場合、適応外になります。
<メリット>
•取り外しがないため自分の歯と同じように使える。
<デメリット>
•隣の歯を削る必要がある。
•隣の歯に加わる力がます。
•連結されるため、セルフケアや管理が難しい。
(2)入れ歯
欠損した部位を、取り外し式のもので補う方法になります。総入れ歯と部分入れ歯、残った歯やインプラントの上に固定するオーバーデンチャーなどがあります。
<メリット>
•周りの歯を削らずに作成可能。
•あらゆる症例に対応できる。
<デメリット>
•歯茎で支えるため、歯茎に圧が加わる。
•設計によっては、クラスプ(バネ)によりひっぱり倒す力が加わりやすい。
•咀嚼力(噛む力)の回復に劣る。
ブリッジと入れ歯は保険適応のものと、自費治療のものと選択することが可能です。以前もお伝えしましたが、保険治療は必要最低限のものしか作ることができません。使いやすさや長持ちするものは、保険治療だと難しい場合がありますのでご了承ください。
また、補綴物を自分の歯と比較するために「義歯」と呼ぶことがあります。ブリッジ(架橋義歯、固定性義歯)や入れ歯(取り外し式義歯、可撤式義歯)と、インプラント義歯のように区別して呼ぶことがあります。
(3)インプラント
歯がなくなったところに、チタン性の土台も骨に打ち込み(人工歯根)その上にクラウンやブリッジ、入れ歯を装着する方法になります。
全身状態や骨の状態によってはインプラント治療が不可能な場合があります。インプラントは外科処置を必要とします。
インプラントは保険適応ではございません。(多数歯欠損や顎補綴が必要な場合などは大学病院などに限りますが保険適応の場合もございます。)あらゆる欠損パターンい対応可能ですが、治療期間がかかります。健康な歯の状態にスムーズに打てたとしても半年近くかかります。
虫歯は早期発見•早期治療だけでなく再発させないことがとても重要です。再発し何度も治療を繰り返すとその歯はどんどん抜歯に近づいてしまいます。自費治療の場合、その負のサイクルから抜け出すことも可能です。少しでも歯を残したい方は一度ご相談ください。