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唾液について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は唾液についてお話しします。


【目次】
1.唾液とは
2.唾液の働き
3.ステファンカーブ


1.唾液とは?

唾液とは三大唾液腺(耳下腺、顎下腺、耳下腺)及び小唾液腺から分泌される体液のことをいいます。
これによって、口の持つ本来の働きが十分に機能することが出来ます。

国立 歯医者 唾液腺


<唾液腺>
大唾液腺 :耳下腺、顎下腺、舌下腺
小唾液腺 :口唇腺、頬腺、口蓋腺 、臼歯腺、舌腺
に分けられます。

また唾液の性質から粘液性漿液性に分けることができ、
耳下腺:漿液性(20%)
顎下腺:混合性(75%)
舌下腺:混合性( 5%)
となります。

粘液性唾液
主に交感神経系がはたらくことで産生されます。成分は水と糖タンパクが主で、比較的量が少なめでネバネバしており、舌下腺や小唾液腺から産生されるといわれています。
悩みやイライラなどのストレスにさらされると、副交感神経の活動は弱まり、交感神経が優位に立ちます。すると、全体の唾液量が減少して粘液性唾液が産生することから、お口の中はネバネバもしくはカラカラした状態になります。このような状態下で食事をすると、食べ物は飲み込みにくく、おいしくないため、食事を楽しむことが難しくなり、さらに唾液量が少ないことから消化しにくくなります。

漿液性唾液
主に副交感神経系がはたらくことで産生されます。成分は水やタンパク質が主で、比較的量が多めでサラサラしており、主に耳下腺から産生されるといわれています。
楽しく和んだ雰囲気のなかでよく噛んで食事をしていると、この副交感神経系がしっかりはたらき多くの唾液が産生されるので、おいしく味わうことができ、消化吸収にも最適な身体の状態を作ることができます。


唾液は健康な方で1日1~1.5l分泌されます。加齢により唾液腺の働きが弱くなったり、薬の副作用などで分泌の量が減少します。唾液量が低下するといろいろな影響が出てきます。

また、刺激の有無による分類もあります。
(1)刺激唾液(反射唾液)
食物による味覚や嗅覚による刺激、酸などの化学物質による刺激、機械的刺激により分泌された唾液。
   
(2)安静時唾液(固有唾液)
刺激が加わっていないときに分泌される唾液。



<唾液は何でできているのか?>
唾液の大半は水分ですが、水分のほかに下記のようなさまざまな成分が含まれており、これらの成分が私たちの健康にとって大切な役割を果たしています。
1)水分(99.5%)

(2)無機成分
ナトリウムイオン、カルシウムイオン、重炭酸イオンなど

(3)有機成分
アミラーゼ(でんぷん分解作用)、IgA・ラクトフェリン・リゾチーム・ラクトペルオキシダーゼ(抗菌作用)、ムチン(粘膜保護作用)

2.唾液の働き

唾液は、人間の口腔内において重要な役割を果たしています。以下に、唾液の主な役割をいくつか紹介します。

  1. 消化を助ける役割
    唾液には、消化を助ける消化酵素が含まれています。唾液の中のアミラーゼという酵素は、炭水化物の消化を助けます。食べ物をかむと、唾液が分泌されて、口の中で食べ物を濡らし、柔らかくして、消化酵素が働きやすくします。
  2. 口内の清潔を保つ役割
    唾液には、抗菌作用のある物質が含まれています。これにより、口の中に常に存在する細菌を減らし、口臭や虫歯の原因を防ぎます。
  3. 口の中を潤す役割
    唾液には、水分や粘液が含まれており、口の中を潤す役割を果たしています。口の中が乾燥すると、口臭や口内炎の原因になることがあるため、唾液は重要な役割を果たしています。
  4. 食事のを感じる役割
    唾液は、舌にある味蕾に接触することで、味覚を感じるのを助けます。唾液が不足すると、食事の味を感じることが困難になることがあります。
  5. の健康を保つ役割
    唾液には、歯の表面を覆っている「プラーク」と呼ばれる細菌の付着を防ぐ作用があります。また、唾液には、ミネラルが含まれており、歯の再石灰化を助ける役割もあります。

緩衝作用

唾液による歯質保護の役割は緩衝能が大きく関与します。緩衝能とは、口腔内のpHに変化が起きたとき、唾液が正常な範囲に口腔内を保とうとその変化に抵抗する働きのことです。口腔内のpHは安静時に6.7~7.6と中性(pH7)に近い数値を示すが、飲食物摂取や口腔内にいる酸生産性をもつ細菌が酸を産出するなどして変化することがあります。これに対して唾液は緩衝液として作用して、口腔内環境を守っています。

ヒトの唾液の緩衝能は重炭酸塩システム、リン酸塩システム、タンパク質の3つの緩衝システムによって調整されており、うち85~95%が重炭酸塩システムによるものです。唾液中の重炭酸イオン濃度が増すと唾液のpHも上昇するが、その重炭酸イオン濃度は唾液分泌量に強く依存するため、唾液分泌量が多いと緩衝能が高く、少ないと緩衝能が低くなります。

3.ステファンカーブ

国立 歯医者 脱灰 再石灰化

ダラダラと食事をしたり間食をしたりすると、虫歯のリスクが上がります。これは、食物(特に糖分を含むもの)を食べることで、口腔環境が酸性へと傾くからです。これは一般にも広く知られていますが、実験によって明らかになったのは今から80年ほど前のことです。

ロバート・ステファンは1943年に、グルコース(ブドウ糖)溶液で洗口すると、歯冠部プラークのpHは、経時的にどのような変化を見せるのかを調べた研究を発表しました。その結果、pH5.5を境として、それよりphが小さいと歯はミネラル分を失う脱灰状態になることがが示されました。ph5.5を境(臨界pH)として歯が脱灰と再石灰化を行うことを示したグラフを「ステファン・カーブ」と呼びます。

糖質が含まれる食事をとると、歯の表面に付着しているプラークはすぐに酸性へと傾きます。虫歯菌は糖を分解する過程で、乳酸など酸性の物質をどんどん産生していくため、歯質が脱灰され、虫歯の発症へとつながります。

間食の注意に関しては以前にもお話ししました。間食は子供にとっては重要なエネルギー補充の食事ですが、その後のうがいやタイミングを決めるだけでも虫歯予防には効果的です。
今日は飲み物についてお話しします。

国立 歯医者 pH

先ほどの歯が溶け出すpH5.5(臨界pH)を基準にした飲み物の一覧です。私たちが普段好んで飲んでしまう飲み物はほとんどが酸性に傾いています。コーラや炭酸飲料水、スポーツドリンクなどよく子供が気をつけましょうと言われていますが、お子様だけでなく、大人も注意が必要です。仕事後に飲むビール、ワイン、炭酸…実はpH3.9です!!お酒を飲むとお口の中の環境は酸性に傾きます。しかもお酒の時間は長く、ちびちび飲んでは食べて…お口の中の環境は劣悪になってしまいます。さらに酔って帰ると歯磨きを忘れたり、適当になったりしませんか?難しいのは分かっていますが、お酒はほどほどにしましょう(笑)

実は、この時緩衝能のおかげで虫歯予防になっているんです。しかし、加齢とともに唾液の分泌量は減り緩衝効果も薄れてきます。そこにお酒による口腔内の悪い環境、悪いブラッシング習慣が重なるとお口の中の健康はどんどん崩れていきます。手遅れになる前に生活習慣の改善を行いましょう!

唾液検査や歯周病治療•定期検診を受けることも気分転換になり新しい生活環境を築くきっかけになるかと思います!スタッフ一同お待ちしております!