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口腔内の正常について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は口腔内の正常と異常、特徴についてお話しします。異常と言っても健康状態に影響があるわけではないのでご安心ください。


【目次】
1.先天欠損・過剰歯
2.斜切痕
3.歯内歯
4.癒合歯
5.カラベリー結節
6.プロトスタイリッド
7.中心結節
8.樋状根


1.先天欠損•過剰歯

 生まれつき歯の数が多いもしくは少ない状態を先天欠損と言います。本来だと親知らずまで含めて4×8=32本が正常です。親知らずは退化傾向にありもともとない方も多く、生えていなくてもなんの問題もありません。噛み合わせにも参加しないことが多いため7番目までの歯の本数が多いか少ないかが問題になります。

 日本小児歯科学会が 2007年から 2008 年にかけて行った全国調査「永久歯先天欠如の発生頻度に関する調査研究」では、乳歯の先天性欠如があったのは0 . 5 % 、永久歯の先天性欠如が あったのは 10.1% となっていました。また、永久歯の先天性欠如は男子 ( 9.1 % ) よ り 女 子 ( 11.0% ) の方が若干多く、上顎だけに欠如が認められる場合が 2.5% 、下顎だけに認められる場合が 5.7% 、上下顎ともに認められる場合は 1.9% でした。

<先天性欠如の割合>
乳歯:永久歯 0.5:10.1
男性:女性 9.1:11.0
上顎:下顎 2.5:5.7

部位の特徴としては、第二小臼歯と側切歯の欠如が多いという結果が出ています。歯の欠損に関しては遺伝要素も多いため、歯胚が完成する7歳頃までにはレントゲンを撮影し、永久歯の有無を確認するのが安心です。僕も両側下顎中切歯が先天欠損です。

また逆に生まれつき歯の本数が多い状態を過剰歯と言います。過剰歯は萌出していたり、顎骨内に埋まったままだったりと状態は様々ですが、存在しているとほかの歯の正常な萌出に悪影響を及ぼし、歯列不正になることが多いです。歯列や歯周病に悪影響を及ぼさない場合そのまま経過観察をすることがあります。矯正治療前や他の歯に悪影響を与える場合抜歯が必要なことがあります。こちらもレントゲン検査で確認が可能になります。

・正中過剰歯:上の前歯の間や裏側から出てくる過剰歯。もっとも多く見られる症例。
・順正過剰歯:正常な歯と同じく、口の内側にむかって生えてくる過剰歯。
・逆生過剰歯:正常な歯と逆向きに、口の内側から遠ざかるように生えてくる過剰歯。
・水平埋伏歯:真横を向いて生えてくる歯。


2.斜切痕

国立 歯医者 斜切痕

上顎切歯の基底結節と辺縁隆線の間を斜めに横切る溝です。中切歯より側切歯に多くみられます。歯根表面まで達したものを舌側歯頸溝と呼びます。

歯の強度には異常ありませんが、汚れが溜まりやすくなってしまうため注意が必要です。


3.歯内歯

国立 歯医者 歯内歯

歯冠部のエナメル質と象牙質が歯髄腔側へ深く嵌入した奇形歯です。上顎側切歯に好発します。嵌入部は不潔域になりやすく、歯髄炎から歯髄壊死をきたすことがあります。また根管治療が必要になった際、形態異常のため根管治療も困難になります。


4.癒合歯

国立 歯医者 癒合歯

2本以上の歯がエナメル質と象牙質あるいは象牙質とセメント質で結合し、歯髄腔の連絡がみられるものです。乳歯の癒合歯の場合、交換機に抜けず長く残ってしまい、永久歯の放出に影響を与えてしまうことがあります。


5.カラベリー結節

国立 歯医者 カラベリー結節

上顎第一大臼歯の口蓋側に見られる出っ張り(結節)です。もともとは噛み合わせが強いためできるという説があります。結節の周りは汚れがたまりやすく、清掃しにくいので特に注意が必要です。


6.プロトスタイリッド

国立 歯医者 プロトスタイリッド

下顎大臼歯の頬側に見られる出っ張り(結節)です。カラベリー結節と同様、もともとは噛み合わせが強いためできるという説があります。結節の周りは汚れがたまりやすく、清掃しにくいので特に注意が必要です。


7.中心結節

国立 歯医者 中心結節

歯の噛み合わせの部分の真ん中に飛び出る突起のことを言います。下顎第二小臼歯に一番よくみまれます。中心結節も磨きにくい部位ですが、それより噛み合わせで折れやすく、破折すると痛みを生じて、神経が弱ってしまうもしくは露出してしまうケースがあります。破折する時期が早く起こしやすく、歯根完成前に折れてしまうこともあります。その場合、正常な歯根完成が起こらないため注意が必要です。小臼歯の萌出時期に注意してみていくことが重要です。


8.樋状根

主に下顎の第二大臼歯の特徴的な歯根形態のことを指します。その名の通り、歯根の断面が雨樋の形(C型)をしていることからこのように呼ばれています。Cシェイプとも言います。下顎第二第大臼歯での発現頻度は高く、全体の28.9%ほどであるという研究結果があります。根管内が扁平に繋がっているため根管治療が困難になります。そのため、樋状根では根管治療における失敗や予後不良がよく見られます。

国立 歯医者 樋状根

予後不良の場合、再根管治療を行うことがありますが外科的な処置に移行することが多いです。


まとめ

今お話ししたもの以外にも口腔内の異常は多くあります。今回お話ししたものは歯の質や強度の異常ではなく、形状的な以上になります。早期発見でブラッシング指導や咬合調整を行い、付随する悪影響を予防することが可能です。虫歯ができ、歯が折れ、根管治療が必要になると、治療が複雑で大変になります。そうなる前に自分の歯の形状をしっかり理解し予防策を考えることが重要になります。早めのチェック•定期検診をお勧めします。