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キシリトールについて

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日はキシリトールについてお話しします。

皆さんは、キシリトールをご存知ですか?
ガムやお菓子などに入っていることが多く、テレビやCM、スーパーなどで目にしたことがあると思います。また、「キシリトールは歯に良いもの」というイメージを持っている方もいらっしゃると思います。そもそもキシリトールとは何なのか?どのような効果があるのか?今回はキシリトールについてお話ししたいと思います!


【目次】
1.キシリトールとは?
2.キシリトールの効果は?
3.キシリトールの摂取の仕方について


1.キシリトールとは?

国立 歯医者 キシリトール

キシリトールは、主に白樺や樫といった樹木や植物を原材料とする、天然の甘味料です。イチゴやカリフラワー、ラズベリー、ホウレン草などの野菜や果物にも含まれています。

白樺や樫の木からとれるキシラン・ヘミセルロースという糖分から作られ、糖アルコールの一種で砂糖と同程度の甘さがあります。むし歯を予防する天然甘味料として、北欧諸国で多用され、チューイングガムやタブレットなどに使用されています。厚生労働省より食品添加物として認可されているほか、世界保健機関(WHO)や 国連食糧農業機関(FAO)もその効果を認めています。

ミュータンス菌(むし歯菌)は糖分を分解して酸を作り出し、これがう蝕(むし歯)のもとになりますが、キシリトールはミュータンス菌に分解されず酸産生の原料になりません。ミュータンス菌はエネルギーを使ってキシリトールを菌体内に取り込みますが利用できないために菌体外に捨て、再びエネルギーを使って取り込むことでエネルギーの無駄使いを繰り返します。これを無益回路といいます。この作用によりキシリトールはミュータンス菌の増殖やプラーク(歯垢)の形成を部分的に抑えます。

またキシリトールはカルシウムと結合して輸送することにより、歯の修復(再石灰化)も促します。
ほかの糖アルコールと同様に、口に入れると味覚が刺激されるため唾液分泌を促進します。吸収速度も遅いため血糖値の急上昇がなく、代謝するのにインスリンを必要としないので、糖尿病の人が摂取しても心配ありません。

むし歯予防のためには、キシリトールが50%以上配合されているガムまたはタブレット5~10gを毎食後に摂取し、これを継続するとよいといわれています。また、私たち人間の体の中でも1日に約10〜15グラム作られています。人工的に作られたキシリトールもあり、お菓子やさまざまな加工食品に使われていますが、成分は自然由来のものと同じなので、安心して摂取できます。

ただしキシリトール配合であっても砂糖や水飴など糖類が含まれていることがあるので注意が必要です。またプラーク自体を取り除くわけではありませんので、毎日のブラッシングは必須です。

2.キシリトールの効果は?

1、砂糖より血糖値を上がりにくくする
キシリトールは砂糖と同じぐらいの甘みがありますが、カロリーは砂糖の4分の3ほどしかありません。血糖値を上げないため、糖尿病患者さんの食事の甘味料としても使われています。

2、唾液の分泌を促してくれる
唾液はお口の中をきれいにしてくれる効果もあるので、虫歯になりにくい口腔内環境を作ります。これはお口の中の健康を保つために必要なことです。

キシリトールの甘さが唾液の分泌を促してくれたり、キシリトールガムを噛むことで分泌がさらに促されたりします。甘味による刺激と咀嚼の2つの効果で、お口の健康を守ることができます。

3、虫歯予防に最適
キシリトールが虫歯予防に良いと言われる理由は3つあります。

①プラーク(歯垢)をサラサラにする
キシリトールは虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌)の働きを抑えるため、キシリトールガムを噛んだ後に歯みがきをすると、プラーク(歯垢)を簡単に落とすことができます。

②虫歯の原因となる酸を作らない
プラークの中にいるミュータンス菌が酸を作り出し、歯を溶かすことで虫歯になりますが、ミュータンス菌はキシリトールから酸を作ることができません。それに加えてキシリトールは虫歯の原因菌であるミュータンス菌の活動を抑える性質もあります。
またキシリトールは酸を中和する働きもあるのです。

③再石灰化を促す
通常、酸によって歯の表面が溶けても(脱灰)、唾液がお口の中を中和することで、カルシウムやリンが歯の表面に戻って脱灰した歯を修復してくれます(再石灰化)。この繰り返しで、虫歯になりにくい歯が作られていくのですが、キシリトールは再石灰化を促す効果があります。

3.キシリトールの摂取の仕方について

虫歯予防のために必要なキシリトールの量は、1日5グラム以上と言われています。
ガムなどの市販のキシリトール製品は、商品にもよりますがキシリトールの配合割合が低いため、1回2粒を1日に7回摂ることが望ましいとされています。なかなか大変ですね。。。

国立 歯医者 キシリトール



歯科医院ではキシリトールの配合されたタブレットやチョコも販売しています。1粒にキシリトールが100%含まれているので、1日4粒だけで効果が期待できます。摂取回数で見ると、市販品より取り入れやすいのではないかと思います。摂取するタイミングは、食後・食間・就寝前が良いでしょう。そして3ヶ月以上、毎日続けることが大切です!

なお、キシリトールは一度にたくさんの量を摂取するとお腹がゆるくなり、下痢を引き起こすことがあるため、摂りすぎには注意してください。

キシリトールは補助的なものになります。普段から正しい歯みがきができていないと、効果は得られにくいです。歯みがきの仕方やキシリトールの摂取量に注意しながら、歯科医院で定期検診を受けることが、お口の健康維持に大切です。