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口腔内スキャナーについて
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は、「口腔内スキャナー」についてお話ししていきます。
【目次】
1.口腔内スキャナーとは?
2.マウスピース矯正
3.インプラント ガイドシステム
1.口腔内スキャナーとは?
口腔内スキャナーとは、型取り用の最先端のデジタル機器です。複雑で一人ひとり違うお口の状態を小型カメラでスキャンし、そのデータを3Dの画像で見ることができます。360度あらゆる角度から見ることができる3Dの画像にすることで、肉眼では見えにくい部分もはっきりと確認することができます。診察だけでなく、いろいろな治療に役立ちます。日本の普及率は1割程度です。
口腔内スキャナーの特徴
(1)3Dデジタルでの型取り
スキャナーと呼ばれる小型カメラで、お口の中を数分間スキャンするだけで、複雑で一人ひとり違うお口の状態を3D画像にすることができます。従来の様な型取りの材料を使いません。嘔吐反射がある方も型取りが可能になります。(まだスキャナーが大きいため重度の嘔吐反射の方には少し大変かもしれませんが、、、)
光学印象といい、従来の印象法である物理的な印象材料(シリコンやアルギン酸など)を使用せず、デジタルカメラやレーザーなどの光学的な技術を用いて口腔内の三次元的な情報を取得する方法です。光学印象では、口腔内をスキャンしてデジタルデータとして取得し、それをコンピュータ上で再構築することで、歯科医師は精密な治療計画を立てることができます。
<メリット>
- 精度の向上:光学的な技術を使用することで、従来の物理的な印象法よりもより正確な情報を得ることができます。
- 患者への負担軽減:光学的なスキャンは非接触で行われるため、患者にとってはより快適な方法です。また、印象材料を使用しないため、嫌な味やにおいを感じることもありません。
- デジタルデータの利用:光学印象で得られたデジタルデータは、コンピュータ上で保存・編集・共有することができます。これにより、治療計画の共有やデジタル製造技術を活用した補綴物の製作が容易になります。今までは、模型を郵送していましたが、光学印象の場合データの送信になります。技工所にもすぐ届き、印象のエラーに関してもすぐ判断可能なため、模型の破損や型の取り直しなどのトラブルから回避できます。
実際に利用した経験からの、1番のメリットはマウスピース矯正の場面だと考えています。今までは、苦しいシリコン印象材で型を取り、それをアメリカまで郵送していました。移送だけでも数週間かかることがあり、そこから修正となるとさらに追加になってしまいます。実際に作成し、また送り返していただく。世界情勢やコロナの影響で移動時間が変化することもありました。また、印象材の変形などが合った場合も実際に作成したものを装着するまで気づかないこともあります。しかし、iTeroを用いたデジタルデータの場合、型取りの不備はその場でわかり、物の移動はなくデジタルデータの送信で作成できる様になりました。それだけで作成期間が2〜3週間ほど短縮することが可能になりました。マウスピース矯正が急激に普及したのも光学印象の登場が大きいと思います。
また、スタディモデルの作成・保管においてもとても有効になります。物理的スペースの削減だけでなく模型の紛失や破損がないのも患者さんのデータや資料を保管する上でとても重要になります。また、治療経過ごとの比較や復元も可能で、ステップごとに見直すことで自己研鑽や症例検討などにも有効活用できこの先の院内強化に繋がっています。
<デメリット>
デメリットらしいデメリットは特にありませんが、導入している医院が限られています。日本の普及率は1割程度です。矯正相談をする際は、あらかじめ導入している医院を調べてみる事をお勧めします。
光が届かない所の型取りができません。歯肉縁下のクラウンなどの印象はまだ適合が良くない場合があります。また、作成に対応している技工所もまだ少ないのが現状です。
※光学印象は保険適応ではございません。
2.マウスピース矯正
iTeroでスキャンしたデータでマウスピース矯正の診断、作成を行います。簡易的な趣味レーションも可能になります。
矯正治療でどのように歯が動き、歯並びが治っていくのかを、タイムラプス動画で確認が可能です。
矯正無料相談を行なっています。興味がある方はご相談ください。
3.インプラント ガイドシステム
CTで撮影したデータおよび患者様の歯型の3Dスキャンをもとに、シュミレーションを行い正確なガイドを作成します。こちらのシステムにより侵襲の極力少ない安全性を高めた手術が可能となりました。
<ガイドシステムのメリット>
①正確なインプラント埋入が可能
計画された位置に正確かつ各患者さんに適したサージカルステントを装着する事で、正確にインプラント手術を行うことが可能です。
②侵襲を最小限に
歯肉を切開することなく、インプラントが入る程度の小さなホールを開ける方法での埋入が可能ですので、最小限の痛みと早い回復が期待できます。
③手術時間の短縮
ガイドシステムを用いることで手術時間の短縮が可能になります。複数埋入する際も設計通りの位置に正確に行うことが可能です。手術時間がからに短くなるため患者さんの負担も減らすことが可能です。
骨造成(骨を作ること)が必要な場合も、事前に造成量や骨欠損の形をシュミレーションすることで
より理想的で審美的な形態にすることが可能です。
歯科医療は日々進化しています。少しでも患者さんの負担を減らすことができる様、新しい技術・知識を習得し患者さんに還元できるよう日々精進していきます。