国立駅南口徒歩30秒のサンドラッグ3階の歯医者

ブログ

顎関節症について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は「顎関節症」についてお話ししていきます。
顎関節症の患者さんには、生活習慣やリハビリ指導を行います。医療面接や受付でのコミュニケーションも重要になっていきます。ドクターのみならず、スタッフで知識を共有していくことが重要です。


【目次】
1.顎関節症の基礎知識
2.治療方法
3.セルフケアでのポイント


1.顎関節症の基礎知識

顎関節症の患者さんは、全国に1900万人ほどいると言われています。顎関節症は虫歯や歯周病にならぶ歯科疾患として有名ですが、難しいという先入観から一般歯科では積極的に治療を行っていない医院も多くあります。

<顎関節症の発症>
顎関節症は、原因となるいくつかの要因が重なり、患者さん個人の許容量を超えた時に症状として現れます。許容量は体調や口腔内の状況、年齢などにより増減します。

国立 歯医者 顎関節症

<原因となる要因>

  • 歯ぎしりくいしばり
  • 精神的、肉体的ストレス
  • 不正咬合や噛み合わせ
  • 関節の構造
  • 頬杖などの習癖   など

顎関節症を悪化させるリスク因子は多く存在し、日常生活の中にたくさん存在します。

①解剖学的要因

生まれつきの関節の構造や筋肉の強弱など

②咬合要因

歯並びや噛み合わせのバランスなど

③精神的要因

緊張や不安、ストレスなど

④外傷

転倒や事故などのつよい衝撃

⑤生活的要因

日常生活での癖や悪習慣

  • 歯牙の接触(TCH)、頬杖、姿勢、爪を噛む癖、寝る時の姿勢など
  • 硬いものを好んで噛む方、ガム、片咀嚼
  • ブラキシズム、クレンチング、睡眠不足
  • コンタクトスポーツ、吹奏楽、スキューバーダービング
  • カラオケ、喋るお仕事  など

<顎関節症の症状>

顎関節症は以下のような症状がある場合に診断されます。

国立 歯医者 顎関節症
国立 歯医者 顎関節症
国立 歯医者 顎関節症

①顎関節雑音:顎を動かすとカクカク音がする。
②顎関節痛・咀嚼筋痛:開けたり閉じたりする時、噛み締めた時に痛みがある。
③開口障害:切歯間が40mm未満の開口量

<顎関節症の病態による分類>

  1. 咀嚼筋痛障害
  2. 顎関節痛障害
  3. 顎関節円板障害
  4. 変形性顎関節症

以前も掲載しましたが、顎関節症は除外診断になります。顎関節や周囲の筋肉の痛み、口の開けにくさ、関節音のうちの一つがあり、他の病気が除外されたときに顎関節症と診断します。一般的には、症状がどのように始まり、どのように変化したかを聞き、顎関節や筋肉、口の中を診査し、必要に応じてエックス線撮影やCTによって骨の異常の有無を調べ、骨以外の関節構造や筋肉の問題についてはMRIによって調べる場合もあります(大学病院などに紹介)。顎関節症で感じる痛みや口の開けにくさは、親知らずの炎症や他の病気でも出ることがある症状なので、顎関節症であることを診断するためには、他の病気によって出ている症状ではないことを確認する必要があります。

2.治療方法

患者さんの顎関節の症状に合わせてどの病態にあたるのかを診断した上でそれに応じた治療を行います。まずは基本治療と呼ばれる顎関節治療を行います。基本治療は原則的に、リハビリや生活習慣指導、スプリント療法といった可逆性の治療(削ったりせず、もとに戻せる治療)を行います。基本治療のみでもで大半が改善しますが、生活習慣の側面ももつため生活習慣の見直しが必要になります。

顎関節症の病因を改善する原因療法と、症状を改善する対症療法の両方が重要になってきます。

原因療法:原因となるリスク因子を減らす。

  • 日常生活の改善指導
  • 悪習癖の改善
  • 歯牙接触症の改善

対症療法:痛みや開口障害を改善する。

  • 運動療法やリハビリ
  • マウスピース、スプリント療法
  • マッサージ
  • 鎮痛剤などの薬物療法

基本治療は、患者さん自身によるセルフケアが多くあります。患者さん自身が積極的に行わなければ十分な効果が得られません。患者さんのモチベーションを上げるためのコミュニケーションも重要になります。リハビリなども難しい運動ではありません。一度覚えてしまうと忘れずに行うことができ、また習慣化されてしまうと1日の中でも負担になりません。朝起きた時、毎食後3回、トイレに行った時、お風呂の時など、、、日々ストレッチを行っている方の方が取り入れるのが簡単かもしれませんね。

3.セルフケアでのポイント

患者さんご自身がセルフケアを積極的に行うためには以下のポイントに気をつけましょう。

①顎関節症について理解する。

痛みがあり不安の中来院されても、口腔内の調整などは行わずリハビリ指導のみ、、、不安が増す患者さんもいらっしゃるかと思いますが先ほどお話ししたように可逆的な基本治療のみで大半が改善します。咬合調整などを行わなくても症状が改善します。ほとんどの症例でリハビリのみで痛みのコントロールが可能になります。

②悪習慣について見直す。

頬杖や食いしばりが顎関節に悪影響を及ぼしていることをまず理解してもらいます。その上で口腔内の歯並びなどのリスクに関して個人個人の症状を伝え、顎関節症の症状が出やすいのかどうかを伝えます。癖はなかなか治すことができないのですが、まずは認知療法(机やパソコンなどに付箋でメモを貼り、見た時にその癖を辞める方法)から行い、癖の改善をしていきましょう。

③運動療法、リハビリを根気良く行う。

痛みがあるから安静にするのは、顎関節症治療ではあまりおこないません。顎関節症は関節の動きがスムーズにならずに発症する病気です。動かさないで放置するとどんどん凝り固まりますます動かしにくくなってしまいます。最初のうちは痛み止めなども飲みながら可能な範囲でお口を開けるようにします。お口・顎を動かすことで痛みの物質も排除され軽減されます。リハビリをしすぎて顎関節が悪くなることもないので、まずはどゆっくり可能な範囲からんどん顎を動かすようにしましょう。


今日は顎関節症についてお話ししました。自覚症状がなくても、歯科医院にいってみて開口量が少ないと言われ顎関節症と診断される方もいます。指が縦に3本入らない方は早めに一度ご相談ください。