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親知らずについて

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は、比較的相談の多い「親知らず」についてお話ししていきます。


【目次】
1.親知らずとは?
2.よくあるトラブルとは?
3.親知らずの治療法
4.抜歯方法
5.術後の注意事項


1.親知らずとは?

親知らずとは、一番奥に生える永久歯であり、先天的に生えない人や存在しても傾斜していて生えない人も多いです。むし歯や歯茎の炎症などリスクの方が大きければ抜歯するのが一般的です。智歯や第三大臼歯とも呼ばれます。親知らずを含めると、人間の永久歯は上下左右8本ずつ、合計32本生えます。
親知らずは一般的に15歳ぐらいから生えてきます。親が知らないうちに生えてくるため親知らずと言います。生える時に歯肉に炎症がおきて腫れることがあり、生えた後も歯みがきがしにくく、プラークなどがたまり虫歯になりやすく、智歯周囲炎:親知らずのまわりの歯肉に炎症を引き起こします。トラブルがある場合、抜歯することが一般的ですが、親知らずの根の先が神経と近接している場合、口腔外科のなどを紹介する場合があります。CTを撮り3次元的な位置関係をしっかり把握し診断します。

2.よくあるトラブルとは?

①生えてくる時の痛み
親知らずが生えてくる時に歯茎を押したり、手前の歯に圧力が加わり痛みを感じることがあります。痛みは波があります。痛みがあり、歯磨きを丁寧に行えないと、汚れが溜まり歯茎に炎症が起こってしまいます。マッサージするようにブラシを当て綺麗に磨き予防しましょう。痛みが強い場合は鎮痛剤を服用しても問題ありません。

②虫歯のリスク
親知らずは位置的にも一番奥にあり、歯ブラシが届きにくい場所にあります。また、傾斜していたり半分歯茎に埋まっていたりするとますます磨きにくなってしまいます。親知らずだけが虫歯になるのであればいずれ抜歯をすればいいのですが、一つ手前の歯を巻き込んで虫歯を作るのが一番怖いです。

③歯肉の炎症
虫歯のリスク同様、歯ブラシがしにくいところは歯周炎のハイリスク部位になります。重症化するとお口を開ける時や飲み込む時の違和感が出てきます。また、いざ抜歯しようとしても痛みや違和感などの症状が出やすくなるため、投薬により症状を落ち着かせてから抜歯になります。

④歯根や骨の吸収
親知らずの位置により、手前の歯の歯根や周囲の歯槽骨が吸収してしまうことがあります。

⑤口臭
磨き残しや食べかすが停滞すると口臭の原因になります。また、排膿する場合、さらに口臭が悪化する場合があります。

3.親知らずの治療法

親知らずの治療法は抜歯だけではありません。親知らずをもちいた治療法もお話しします。

①咬合支持として使う
真っ直ぐ生えていて噛み合っている場合でしっかりコントロールが可能な場合は抜歯の必要はありません。また、矯正治療などで咬合に参加させることができる場合親知らずを有効に利用することが可能です。さらに、ケースは限られるかもしれませんが、移植歯として利用することが可能な場合もあります。しっかり管理できている親知らずは保存し、何か他の歯にトラブルがあった時に利用できるよう大切にしましょう。

②消毒をして再発しないよう管理する
一度痛みや腫れが起こったからといってすぐ抜歯になるわけではございません。抗生物質などで症状を落ち着かせその後のブラッシングが改善され症状が安定した場合抜歯の必要はありません。数年に一度あった痛みが、一年に一回、半年に一回、数ヶ月に一回のように痛みや症状の間隔が狭まってきている場合抜歯の可能性が高いです。

③抜歯
痛みを繰り返したり、虫歯のリスクが高い場合など、もちろん抜歯をするケースもあります。残すメリットより、抜いてしまう方がメリットがある場合は抜歯を提案します。周りの歯や歯周組織も健康状態を維持できており、抜歯をしても特に影響がない場合には予防的に抜歯をすることもあります。それにより一つ手前までの歯を管理しやい環境にします。

4.抜歯方法

親知らずがまっすぐに生えてきた場合には、他の歯と同じように抜歯することが可能です(単純抜歯)。しかし、親知らずは斜めに生えてきたり、途中までしか生えてこないことが多く、この場合、通常よりも抜歯が難しくなります。抜歯のために、歯肉を切開したり、歯冠や歯根を分割し骨を削るなどの外科的な手術が必要となることがあります(困難抜歯)。

根尖が神経に近接している場合や、根肥大・根湾曲などの所見が見られる場合追加でCTを撮影し3次元的に根尖周囲の形態を精査します。抜歯が可能と判断した場合、当院でも抜歯可能になります。しかし、かなりの難症例の場合、リスクを説明の上、高度医療機関に紹介することもあります。

上顎は麻酔が効きやすいので通常ほとんど痛みはありません。ただ、耳の近くん存在するためミシミシといった音が不快に感じてしまうことがあります。

一方下顎は骨が硬く密であるため、上顎より麻酔が効きにくいことがあります。そのため、十分に麻酔を効かせてから抜歯を行います。通常、伝達麻酔を行います。そのため術やだけでなく、下顎半分が(唇くらいまで)麻酔がかかります。

抜歯時の痛みは、親知らずの生え方や抜歯にかかる時間により異なります。切開などの処置が必要でない親知らずの抜歯では、侵襲が少なく時間も短いため、痛みをほとんど感じにくいです。切開、骨削合が必要で、時間がかかる場合は術後の痛みが出やすいです。特に骨を削った場合、大きく腫れてしまう可能性ああります。
 
通常、痛み止めによりコントロール可能になりますが、稀に痛みが長引く場合もあります。これに関しては抜歯を行ってみないとわかりません。単純抜歯でも痛みが長引いたり、困難抜歯でも痛みが全くなかったりします。痛み止めによりコントロール可能な場合が多いですが、痛み月強い場合やなくなってしまった場合より強い鎮痛剤に変更・追加処方することも可能になります。また縫合をした場合、抜糸を行うまでは突っ張る感じやチクチクする痛みが出やすいです。術後1週間から10日を目安で抜糸を行います。

5.術後の注意事項

術後の注意事項についてです。親知らずだけでなく外科処置後の注意事項になります。

  • 処置当日はなるべく安静にする
  • 刺激の強いものをさける
  • うがいをしすぎない
  • タバコは控える
  • 指示通り服薬する  などがあります。

術後に詳しく説明もしますし、書面もお渡ししますのでご安心ください。


今日は親知らずについてお話ししました。抜きたくない方もたくさんいますが、口腔内を一度見させていただきメリットとリスクを天秤にかけ、その方にあった最善のプランを提示します。少しでも気になる方は早めに一度ご相談ください。