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細菌・微生物について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は、歯科に関わりのある細菌・微生物についてお話しします。



1.微生物とは?

“微生物”とは目に見えないほど小さな生物をまとめて表現したものです。生物学的には、原核生物の細菌や、カビや酵母などの菌類、原生動物や微細藻類などの原生生物といったさまざまな生物群を含んでいます。ウイルスのように細胞ではないものも“微生物”として扱う場合があります。病気の原因になるものや、味噌や醤油、そして納豆、ヨーグルト、パン、さらには、お酒など我々に楽しみを与えてくれるものも多いです。最近では、自然エネルギーからバイオマス資源の生産に微細藻類が利用できるのではないかという期待から、次々世代のバイオ燃料生産の研究が進められています。

<微生物の大きさ>
ほとんどが1mm以下になります。カビやキノコは肉眼で見ることができますが、カビの1細胞は数マイクロメートル(1ミリメートルの1000 分の1)しかありません。顕微鏡を使うと、一個一個のカビの細胞を見ることができます。

<微生物の形>
微生物の形はいろいろです。細菌の形は球菌や桿菌、螺旋状になった螺旋菌などがあります。 カビの形は細菌より複雑で、木の幹のような菌糸、その先に丸い胞子を作ります。 原生動物とは、自分で動くことのできる微生物で、ミドリムシ、アメーバ、ゾウリムシなどがこの仲間です。

微生物は、どこにでも存在します。空気中、河川や湖沼、水田、畑、海、動物や植物の身体などあらゆるところに存在します。なかには熱い温泉や冷たい雪の中で生活しているものもいます。 微生物は我々の体内にも存在します。微生物は、風の流れで地球上のどこまでも飛んで行きます。水中では、自由に泳ぐことのできる微生物もいますが、多くの微生物は流れに身をゆだね漂っています。流れの中でどこかにたどりついた時に、その場所がその微生物にとって適した環境の場合、増殖を始めます。しかし、たどりついた場所がその微生物の生きる条件に合わない場合には、そのまま死んでしまいます。

2.体に良い微生物・善玉菌

国立 歯医者 微生物

私たちにとって有益な微生物・細菌も多く存在します。乳酸菌飲料やチーズ、漬物などに欠かせない乳酸菌や、汚水から窒素やホルモン物質などを取り除くなどして、水質浄化能力をもつ菌などなどもいます。私たちの腸内に存在するおよそ1000種類約100兆個にも達するといわれている腸内細菌にも、有用なものと有害なものがあり、それらが私たちの心と身体の健康を調整しています。体に有益なものも善玉菌と言います。


国立 歯医者 微生物

口腔内には、300~700種類の細菌が生息しているといわれます。歯をよく磨く人で1000~2000億個、あまり歯を磨かない人では4000~6000億個、さらにほとんど磨かない人では1兆個もの細菌がすみ着いています。

お母さんのお腹の中にいる胎児は無菌状態の羊水の中で成長するため、口腔内にも細菌はいません。しかし生まれ出てからは、主に両親や家族からの細菌が新生児の口の中に移って定着します。母親の口腔内に虫歯の原因となるミュータンス菌が多いと、赤ちゃんに移行して虫歯になりやすいことも報告されています。


善玉菌は消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響がある菌で、代表的な菌にはビフィズス菌や乳酸菌があります。ビタミンの合成や消化吸収の補助、感染防御、免疫刺激の作用があり、健康維持に役立っています。

3.体に悪い微生物・悪玉菌

国立 歯医者 微生物

一方、体に悪影響を及ぼす微生物も多く存在します。もっとも身近な病気のひとつである風邪の8 ~ 9 割はウイルスが原因です。さまざまな種類のウイルスが風邪の症状を引き起こすと言われています。微生物が原因で起こる病気を「感染症」とよびます。昔に比べると医療はかなり進歩しましたが、世界的にみると、まだまだ多くの方がさまざまな感染症でなくなっています。子供の頃に受けるワクチン接種も、ある種の感染症を予防するためです。食中毒を起こす微生物にはウイルス、細菌、カビがありますが、なかでもノロウイルス、カンピロバクター、サルモネラ菌、ボツリヌス菌などは有名です。食中毒には、微生物そのものが有害な場合と、微生物が作る毒素が有害な場合があります。

感染症にかかった時、抗生物質を用いること一般的です。抗生物質とは「ある微生物によって作られ、他の微生物が増えるのを抑える物質」のことをいいます。私たちは微生物が作る物質を、微生物を抑えるための薬として利用しています。抗生物質を作る微生物は、土の中の細菌(特に放線菌という種類)に多く、そのほかの細菌やカビも抗生物質を作る細菌として知られています。もっとも古い抗生物質のペニシリンは、青カビの一種のペニシリウム属が作っています。

抗生物質などの「薬剤」は、本来、病気の予防、治療を主目的に使用するものです。しかし、使い方次第では健康を害する「リスク」を伴うため「薬は両刃の刃」ともいわれます。薬がどのような薬理作用を生体に及ぼし、どのような効果を現すのかを明らかにしていく学問が薬理学です。

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今日は微生物についてのお話をしました。明日は薬理学についてお話ししていきます。